
全世界的なPCゲームプラットフォームSteam。そこでのストアページの審査に際し、水着姿の女性の後ろ姿が画像に映っているという理由でSteam運営のValveから「過度に成人向け」と差し戻しを受け、ストアページを公開できなかったホラーゲーム『Aftermath Z: Red Pine Lake』公式のポストが注目を集めています。
普通の水着姿も性的コンテンツ?Steamの基準に関心集まる
『Aftermath Z: Red Pine Lake』は、80年代スラッシャー映画に影響を受けた非対称ホラーACT。同タイトルの公式X(開発者)が今回、水着の女性のお尻が映っているタイトルイラストが起因となってSteamに「過度に成人向け」と認定され、ハロウィンイベントなどに間に合わなかったと10月29日のポストにて吐露しました。10月31日のポストでは「(水着ではなく)何を着ているかに関係なく性的」との返事を受け取ったとも続けます。
また、11月3日にはSteamとのやりとりや、「誤ってタグ付けした結果では」とのコメントへのアンサーとしてチェックボックスを公開し、「成人向け/18+フィルター対象作品であっても、カプセルやライブラリアートに性的描写を含めるべきではない」との通達を受けたと述べました。
ただし、「カプセルやライブラリアートに性的描写を含めるべきではない」ガイドラインは本件の直近に新設されたり運用が特段厳しくなったものだったりはせず、何年も前から運用が続けられているものなので注意が必要です。
その一方で、同アカウントでは、他の多くのさらに性的(少なくとも女性のノーマルな水着姿以上)なゲームが承認されている中で自分のみがこのような事態に陥っているのはおかしいと述べつつ、“もしSteamの理論に従うなら、ジーンズのお尻さえ見るのは「成熟しすぎている」とされるべきだ”と皮肉を述べ、さらには今後行われる“検閲”がこのような基準にまで至っているのではないかと危惧もしています。
2025年現在、Steamでは成人向けコンテンツを制限する動きも見られている中での出来事とあってこういった懸念が生まれるのは仕方のないことでしょう。先のガイドラインの運用状況も、決して広く告知されているものではなく、知らないのも無理はありません。


なお、開発中の『Aftermath Z: Red Pine Lake』は、80年代スラッシャー映画に影響を受けた非対称ホラーACT。HPではスクリーンショットが確認できます。たしかに80年代のホラー作品らしく水着の女性は出てくるものの、大昔ならいざ知らず、2025年の現在ではむしろ露出の少ない水着姿です。これをもって「(性的に)成人向けだ」と思う方は少ないでしょう。
ただし、あくまで今回のことは『Aftermath Z: Red Pine Lake』サイドからのみの発信だということに留意すべきではあり、ゲームの内容そのものを理由とした取引禁止(Steam発禁)などが一方的に行われた話ではなく、通常行われるフローでの修正要求の話です。(編注:通常、性的要素に限らずValveは新作タイトルのストアページの記述・画像などについてチェックをし、懸念などがあれば修正要求を行っています。例えばGame*Sparkからパブリッシング中の『ウィザードリィ外伝 五つの試練』も、ちょっとした説明の言い回しを適切にするため、ストアページの公開直前に数回修正の指摘があったとかなかったとか)
とはいえ、昨今はSteamのたゆまない改善の成果もあり、ふとした瞬間に刺激的な表現が目に入らないためのフィルターも多く、ゲームのアートスタイルやキャラクターの衣装も多様化しています。「カプセルやライブラリアートに性的描写を含めるべきではない」という当時のガイドラインの緩和を求める動きがあるのもおかしくはありません。







