2007年にリリース、Steamでは“非常に好評”レビューを維持し続ける『Tokyo Dark』を生み出したインディーゲームデベロッパー・Cherrymochiと、ブシロード、フジテレビが共同制作する『DUSK INDEX: GION(ダスクインデックスギオン)』が、本日1月29日に発売しました。
本作のジャンルは“サスペンス系ビジュアルノベルゲーム”。3者が共同で原作を手掛けた、『Tokyo Dark』の流れを汲むダークで奥深いストーリーが特長です。
今回、Game*SparkではSteamキーの提供をフジテレビから受け、本作を先行プレイする機会に恵まれました。最後まで読み終えると、また最初から読み直したくなる。そんなストーリーになっていると感じたプレイレポートをお届けします。なお、物語の核心には触れていませんがストーリーの流れのネタバレにご注意ください。
近未来と過去の「京都」―2つの世界を行き来して、殺人事件の謎に迫る!
ローマ字表記なのでパッと見は気づきにくいものの、本作のタイトルには「GION」=“祇園”という文字が含まれています。
そうある通り、本作の舞台は京都。しかも、現代と明治時代……2つの世界線を行き来して、そこで起きた奇怪な殺人事件の謎を追いかける、といったストーリーが展開されます。

現代の京都は、テクノロジーが発達した街に。近未来を演出するため、ホログラフィック装飾を派手に明滅させています。
そんな時代で動くことになる物語の主人公「勝木大樹」は、アナログな捜査を信条とする刑事。不可思議な事件の捜査を専門とする「新奇犯罪対策係」に所属しています。過去のトラウマからテクノロジーに対してアレルギーがあり、「ARI」も最低限の性能のみ備えた旧式を使っています。
この「ARI」とは、「Augmented Reality Intelligence(拡張現実知能)」の略。本作の世界線では勝木をはじめキャラクターたちが自身の側にこのARIを置き、生活や仕事の手助けをしてもらっています。
ARIの姿は持ち主の好みで選べ、勝木が選ぶ無機質な「ディー」のようなものもあれば、動物型、植物型、想像上の生物型など、何でもOK。ただ、倫理上の観点で「人間型」だけは厳しく禁じられています。

開発したのは、この世界の“AIの親玉”と呼ばれる存在「ハイパーコスミア社」。ARIだけでなく拡張現実ネットワーク「LOOM」も生み出しています。LOOMは、ARIを通じて世界中のどこでもネットワークで繋がることができるメタバース的な空間です。

しかし、そんな技術の発展により、仕事を奪われた人たちも……。本作でピックアップされるのは“クリエイター”、特に“絵師”に当たる職業の方たちです。彼らは新たな表現の場を求め街中や建物にアートを描いており、消しても消しても増殖する社会問題にもなっていました。
そんな現象の“諸悪の根源”とも言えるハイパーコスミア社への報復のため、会社の壁にアートを残した人物もただ1人だけいます。それは、「ラビット」と呼ばれる正体不明のストリートアーティスト。そんな勝負をしかける人物を、勝木は「嫌いではない」と言います。

そうした京都の街並みを勝木が見学しながら歩いているのは、捜査のため。今朝、「本橋千重子」という女性が遺体で見つかったのです。その姿は異様で、遺体の周りには血で奇妙な紋様が描かれていました……。

と、ここで2人目のメインキャラクターが登場。京都府警期待の新人警察官「戸川巡査」です。階級が上の勝木に対し臆せず物を言い、新人らしからぬ度胸と冷静さを見せつける戸川……生意気な後輩キャラだ~~~!
しかも、勝木と一緒に同事件を捜査するとのこと。これはもう、刑事バディがキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!

さらに、戸川のARIは赤ちゃんアリクイで、名前は「素振りちゃん」! クールな顔してかわいいもの好きってか! ギャップ萌えもキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
あまりにも筆者の好みすぎる展開の連続に、ウハウハが止まりません。

2人は被害者のARIに話を聞きに向かいます。なんと犬の姿をしていて、主人の死を知らずニコニコしているのだから、もう……。
この時点で、さっきまでテンションアップしていた筆者の表情から笑顔が一瞬にして消えました。しかも、デジタルの存在なのに、感情があるかのように悲しむのです。こんなの、泣かずにいられますか……。

そうして勝木がこの事件について調べていると、過去にもまったく同じ紋様の上で、まったく同じ格好で遺体が発見されるという事件が起こっていたことにたどり着きます。

事件のキーワードは“過去”。ここで登場するのが、ARIと同じく本作に置いて重要となる「Echoes of Kyoto」です。この世界では、人々に“100年前の理想の京都”を体験させるEchoes of Kyotoという、最先端のARコンタクトレンズが普及していました。
テクノロジーアレルギーの勝木でしたが、やむを得ずEchoes of Kyotoを着用し、過去へと飛び立ちます。
テクノロジーの普及、AIによる仕事の変革、過激な私的制裁……現実とリンクする物語

明治時代の京都では、熱血漢の若き刑事「長浜正義」が、花街の頂点に立つ芸妓「咲」と手を取り合い、事件を解明しようとしていました。

また、過去へ飛んだ勝木には新たな頼もしい助っ人が加わることに。Echoes of Kyotoを開発した異才の引きこもり技術者「クイン理音」です。
ボクっ子で猫好き、ARIはギャラクシー柄の猫という……また筆者の癖(へき)に刺さるキャラクターが……!

そんなクインの力も借りて、明治時代の事件について聞こうと、勝木が長浜たちと合流。しかしその瞬間、世界が歪み始めて……。
現代で再び事件が勃発します。死体はこれまで同じく紋様の上で転がされており、これまた過去の事件との関係がありそうです。
そのため、長浜への聞き取りを再度行うも、この事件について聞こうとするとノイズが入ります。これは、長浜がクインの作った仮想空間にいるAIのような人物だから。

さらにクインがデータを調べ、「血の紋様」が描かれた事件について話そうとすると長浜のAIが停止することから、どうも何者かが邪魔をしているようで……。一体誰が、何のためにそんなことをしているのでしょうか?

ここで急展開が巻き起こります。ハイパーコスミア社のマスコットキャラクター「ドリるん」のライブ配信を、上述した正体不明のストリートアーティスト「ラビット」が突如ジャック!
ハイパーコスミア社への復讐かと思いきや、彼の目的はなんと勝木だそう。クリエイター仲間が職を失い命を絶ったことを相談したが、ちゃんと捜査してくれなかったことを恨んでいたと言います。

ラビットは、勝木に対して「密着盗撮ライブショー」を開催。視聴数を伸ばすために勝木の個人的な情報を流し、さらに配信を盛り上げるために嘘の話まで公開してしまいます。
果たして、広く名が知れ渡ってしまった勝木は今後どうなってしまうのでしょうか?そして、「血の紋様」の事件の真相とは? 展開が進むたびに謎が積み重なっていき、筆者は結末が気になって一気に最後まで読み終えてしまいました。
勝木の過去、謎が謎呼ぶ謎、そして真犯人の目的がわかった時――きっと、「また最初から読みたい」と思ってしまうはず。それくらい夢中にさせてくれる物語を見せてくれるのが『DUSK INDEX: GION』でした。
また、テクノロジーの普及、AIによる仕事の変革、過激な私的制裁など、現実世界で今まさに問題となっていることが取り入れられており、何か考えるきっかけをくれる作品にもなっているように感じます。選択肢もなく、ただ物語世界に没入しているだけであっという間に読み終えてしまう作品なので、気になったら気軽にプレイしてみてくださいね。

サスペンス系ビジュアルノベルゲーム『DUSK INDEX: GION』は、ニンテンドースイッチ/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)にて3,520円(税込)で発売中です。













