
フィンランドの田舎で過ごすドライブサバイバルシミュレーションゲーム『My Summer Car』。この作品の続編となる新作『My Winter Car』が、Steamにて早期アクセスを開始しました。
本作はタイトル通り、冬の田舎町を車で生活するゲーム。厳しい北欧の冬は、常に雪が積もっています。凍死の可能性すらあり得る環境の中、主人公は働いたり買い物をしたり、パブへ行ったり……と平凡な生活を送りつつ命脈を保つのです。
しかし本作、核となる“自動車の運転”にまつわる操作が難しいということで、前作をやっていなければ車道へ繰り出すことすらままならないとまで言われています。ストアページにも、前作未プレイヤーにはオススメしないという注意書きが……。
筆者は前作は未経験です。にも関わらず、挑戦してみようと思います。というわけで、早速『My Winter Car』をやっていきましょう!
昔懐かしの「チョークスイッチ」搭載車
本作の舞台は、1999年のフィンランドの田舎町です。1999年といえば、筆者はまだ中学生でした。
そして人というのは10代の頃に見たモノを理想化してしまう動物のようで、現在筆者が所有している車やバイクは、どれも2000年前後に作られた型式ばかり。長年「欲しい!」と思っていたものを買った結果です。この時代の車は、キャブレター車とインジェクション車が混在していました。
昔の車の燃料供給装置にはキャブレターというものがあり、これは本当にザックリ言えば「霧吹き」のこと。キャブレター車では、ガソリンを霧状に噴射して空気と混ぜて混合気を作り、それが燃焼室に送り込まれる仕組みになっています。対して現代の車は、コンピューター制御のインジェクションです。
なぜこのような説明を最初にするかというと、『My Winter Car』でプレイヤーが乗る車はキャブレターのMT車だから。極寒の冬なのに!

ゲーム開始時、自室のベッドから起き上がったプレイヤーは早々に外出し、愛車に乗り込もうとします。しかし、やはり寒すぎるため、すぐさま満足に車を運転することはできません。
まずは凍結したフロントガラスを手で引っ掻いて霜を落としていきます。これをやらないと視界が見通せないだけでなく、ワイパーが動きません。

その後、運転席に乗ってキーを差し、エンジンをかけます。自宅の場合は外部電源と接続しているため少し粘ればエンジンが動きますが、外出先の場合はそうもいかないはず。
そこで、この車には「チョーク」というものがついています。
チョークの機能を知ろう!

キャブレターがガソリンを噴射して空気と混ぜ合わせる仕組みであることは、先述した通り。しかし、冬場になると通常の割合の混合気では、なかなかエンジンがかかりません。
外部電源のない状態で粘っていると、セルモーターがバッテリーの電力を消耗し続け、いずれバッテリーが上がってしまいます。そこで、一時的に空気の割合を減らして、混合気の中のガソリンの割合を多くする機能が必要に。それが「チョーク弁」と「チョークスイッチ」です。
以下、筆者の所有するスズキ・SV400Sでチョークを使った始動をやってみましょう。この現実さながらの動きを、実際に本作でも行なうことになります。

筆者のSVは98年式。この時代のバイクはキャブ車が主流でした。SVの場合は、左手側のハンドルにチョークレバーがあります。

これを目いっぱい引いて、セルモータースイッチを押します。

SVのアイドリング回転数の適正値は、1,400回転±100。冬場の始動では、それが1,000回転にも届きません。
こういう時はチョークを使い、ノースロットルで回転数をおおよそ4,000回転近くにしてやります。チョークレバーを戻すと、回転数がSVの規定にピッタリ合っているという手順です。
やっぱりMT車はややこしい……
『My Winter Car』では、そんなエンジンがなかなかかからない時はチョークを使いながらキーを回す……という、旧車好きにはたまらない操作を楽しむことができます。
その後は送風機を回して暖房をつけ、フロントガラス内部の曇りを取り除いていきます。こうしてようやく発車準備が整うわけですが、前述のようにこの車はATではなくMT車。車を動かす操作も、当然MT車のように複雑です。

キーボード操作であれば、サイドブレーキを戻してXキーに割り当てられているクラッチを踏み、GキーとBキーでシフトの上げ下げをしていきます。Gキーがシフトアップ、Bキーがシフトダウンです。
ギアがニュートラルに入っている場合に自宅の駐車場から出る際は、とりあえずBキーを押してRシフト(バックギア)に入れて後進しましょう。これから目指したい方向に車の先を向けたら、Gキーで1速にして前進し、速度がついたらやはりGキーで2速、3速……という具合です。
文字で書けば非常にややこしいけれど、本当にこれぐらい本作の操作は複雑! 車を動かすだけでも一苦労です。

重要なのは、速度に応じた迅速なシフトチェンジ。たとえば低速で坂を上る場合は、2速まで落としていかないとなかなか進みません。ただ、これをキーボードでやると指が疲れる……!
凍結した公道で5速は必要ない!
さて、上述の手順でエンジンを動かし、近くの町まで車を転がしましょう。そのためには地図が必要不可欠。筆者は前作未プレイなので、この町がどういう構造なのか全く知りません。
多くのゲームでは、Mキーを押すとマップが開きますが……。なんと、Mキーに割り当てられているのは中指を立てて相手を挑発するモーションでした。マジで中指を立てているため、その画像は出せません!

地図はいつでも開けるものではなく、自宅の壁に貼られています。これを覚えて地元を移動しろ、ということですね。
中央に大きな湖があり、その周囲に家屋や施設が建っている町なので、湖がどの方角にあるかを把握した上で道沿いを走れば、迷子にならず必ず一周できます。初プレイの際は、まず町の車道を一周してみることをオススメします(いや、その前に前作をやったほうが良いか……)。
多くのプレイヤーは、仮想的な地図を求めています。しかし、それを敢えて排除して不便さを作ることにより、舞台となっている時代(1999年)により没入することができるわけです。
町にはいろいろな店やパブがあり、愛車を改造するために自動車工場も存在。適当に車を走らせたら、衣料品らしきお店に突き当たりました。お金があればここでショッピングできるみたいです。

気をつけたいのが、公道では極力3速くらいで進むということ。3速というとMT車ではハイギアの入口なのですが、何しろ雪が降り積もっています。本作、スリップの挙動もちゃんと再現されているので、カーブの時は要注意です。
凍結した路面を走る際は、しっかり速度を落とした上でギアも3速もしくは2速にし、ゆっくりと確実にカーブを曲がるようにしましょう。多分、AT車限定免許しか持っていないドライバーだと、そのあたりで難儀するはずです。
そのような理由で、本作では公道を大人しく走行している限り、5速はほとんど使いません。とにかく安全運転第一ですね!

またそんな『My Winter Car』の開発者は、「プレイヤーが何を求めているのか」をよく把握している模様です。
というのも、プレイする前に自分の免許証を作る場面があるのですが、これは単に名前を入力するだけではありません。“顔写真をファイルに取り込むことでゲーム内の免許証に反映できる”機能が最初から設けられています。
このあたり、多くのゲームはMod頼りだったりするんですが、なかなかどうして本格的な、きめ細やかな設計が施されています。
それでもキャブ車は楽しい!

こんな具合に、冬場のキャブMT車はなかなかどうして手がかかるのですが、同時に「楽しい!」という素直な感情が胸から湧き出します。
キャブ車は現代のコンピューター連動インジェクション車とは違い、メンテナンスが楽ではありません。筆者の場合、たまに「レッドバロン」に行ってキャブレターの整備をしてもらいます(そのついでにオイル交換)。これをサボると、エンジンの丈夫さで有名なSVとて不調に見舞われることがあります。
けれど、それも含めてキャブ車は楽しい! そんな面倒だけれど愛着の湧いてくる車を我が物にできる『My Winter Car』は、Steamにて1,700円(税込)で配信中です。
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)













