
『Carmageddon(カーマゲドン)』シリーズの最新作として2月7日にリリースされた『Carmageddon: Rogue Shift』のプレイレポをお伝えします。
『Carmageddon』とは?

『Carmageddon』は1997年に登場した、Stainless Games開発の公道レースゲームです。イカれたドライバー達がトンチキな車で歩行者を巻き込んでのバトルを繰り広げる過激な内容が話題となりましたが、それだけでなく高度な物理演算による迫力のクラッシュ、ギャグのようなパワーアップの数々、どこにでも行ける広大なマップなどの作り込みで今もなおコアなファンから愛されている作品です。
本シリーズは2017年にリリースされたモバイル向けのスピンオフ『Carmageddon: Crashers』を最後にIPがTHQ Nordicに渡りしばらく音沙汰がありませんでしたが、2026年に遂に復活を遂げました。最新作『Carmageddon: Rogue Shift』は『Redout』シリーズで知られる34BigThingsが開発しています。
最新作はローグライト車両バトル!

『Carmageddon: Rogue Shift』はこれまでとはジャンルが異なる“ローグライト車両バトル”となっており、プレイヤーは終焉を迎えた世界でウェイステッドと呼ばれるゾンビのようなクリーチャーに支配された街からの脱出を目指して死のレースに挑みます。マシンガンやロケットランチャーなどで武装した車に乗り込み、様々なパークや武器で強化しながらレースを1つずつクリアしていきます。


ドライブ&サバイブ
一般的なローグライクゲームと同様、敗北すると全てを失い最初からやり直しに。しかし、ゲーム中に獲得できるビートコインによって、新たな車両や恒久的なパワーアップ、ショップに並ぶ武器・パークをアンロックすることができます。


1レースは大体2~3分で終わり、上位3位に入ればクリアとなります。特殊なレースとして、必ず1位を取らないといけない「エリートレース」、限られた時間内にコースを周回して生き延びる「サバイバル」、強力な相手と戦う「ボス戦」が存在。レース以外では武器やパークを購入・強化できるショップ、HPを回復する修理工場、コンテナからランダムな報酬を引き当てる「スカベンジハント」もあり、先のレースを考えて賢くルートを選択しなければなりません。




アクセル全開
アーケードスタイルなのでレース中はほぼアクセル全開で問題なし。急カーブで壁に張り付いて走ったり、サイドバッシュでライバルに体当たりしたりと、非現実的なレースを楽しめます。コース上を彷徨くお邪魔ウェイステッドは轢くとクレジットやブーストが得られますが、中には爆発して大ダメージを与えてくる特殊なタイプがいるので注意が必要です。


激突やスピンで止まってしまった状態からの立て直しのレスポンスが悪いのが難点ですが、ゲーム的に調整が入るのか割と簡単にライバルに追いつけますし、リスポーン機能がノーリスクな上にほぼ順位を落とさずに復帰できるので、危ないと思ったらすぐリスポーンした方が安全です。

車は様々なタイプが用意されており、それぞれ異なる武器やパークを搭載しています。しかしながら武器とパークは道中で交換できるため、車の違いによる劇的なプレイスタイルの変化が無いのはちょっと残念でした。せっかくなら固有のアビリティがあったりすればよかったのに……。

堅実な作り
グラフィックに粗い部分はなく、ディストピアな世界を高いクオリティで表現しています。爆発などのエフェクトも迫力があって非常に気持ちが良いです。ユーザーインターフェースは統一感があり、レスポンスも良く洗練されています。デフォルトで日本語に対応しているのも嬉しいですね(変なところはカウントダウンが漢数字だったり順位が「位一」と逆に表示されることくらい)。

ちなみに現時点でSteam Deckとの互換性は“不明”と記載されているものの、大きな問題もなくプレイすることができました。
もう1レース……
1レースは短時間で終わるため、隙間時間にサクサクと進められる非常にお手軽なゲームです。手軽すぎて「もう1レース……」を繰り返してプレイし続けてしまいます。筆者はとりあえず3周できましたが1周が少々短い気がします(早いと45分以内)。パワーがインフレしてこれから無双できるかと思ったら最後のボス戦に突入し、特に苦も無くクリアになってしまいました。前述したように基本は周回して上位でゴールするだけなで、もっと沢山のボスがいて戦い方の幅が広ければ良かったと思います。

まとめ
『Carmageddon: Rogue Shift』は綺麗にまとまったゲームで、遊べば楽しさを感じられる内容となっています。ただ、コンテンツの量は若干の物足りなさを感じてしまいます。価格が5,000円近いことを考えると手をちょっと出しづらいのではないでしょうか。プレイ約17時間ほどでアンロックが半分以上進んでしまっているので、今後さらなる追加要素が登場することを期待したいですね。
オススメできるともできないとも言い難い本作はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5(海外)/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ2(海外)向けに配信中です。
……ここからは昔からの『Carmageddon』ファンとしての意見……
これは『Carmageddon』なのか?
『Carmageddon: Rogue Shift』はゲーム自体よく出来ていて楽しめるものの、個人的にはこれが『Carmageddon』だとは思って欲しくないですね。どちらかと言えばジェイソン・ステイサム主演映画「デス・レース」のゲーム版と言ったほうがしっくりきます(ルーツを辿ると同じなのですが)。
筆者の考える『Carmageddon』はこうあって欲しいという要素は次の通り。
武器はいらない
『Carmageddon』は車自体が武器。高速でライバルに突っ込むことでカタルシスを得られる。高度な物理演算による破壊表現
ガラスが飛び散り、車体が凹み、時には真っ二つ。衝突する方向や速度によってリアルに変形するのが大きな売りの1つ。爆発してただ消えるだけでは物足りない。自由に移動可能なマップ
コースをはみ出して自由に走れるのも醍醐味。街の中だけでなく、鉱山や飛行場、さらには空母まで、過去作は非常にバラエイティに富んでいた。人間の歩行者
不謹慎極まりないものの、人間の歩行者を跳ね飛ばすのが本シリーズの代名詞。やってはいけないことをやれる、その背徳感が癖になる。個性豊かなドライバーと車
世間のはみ出し者のようなドライバーが、巨大ダンプカーや戦闘機など多種多様な車で参戦するのが魅力。ユニークなアイテム
車体を修理したり、スピードを上げるパワーアップだけでなく、歩行者が踊りだしたり、金床を発射したりするようなユニークなアイテムが、バイオレンスをギャグにする。ゴールするだけじゃない
コースを周回する以外にも、ライバルの車をすべて潰す、マップ上の歩行者を全員轢く、といったクリア方法も存在。前述の個性豊かな車とも相まって、様々な楽しみ方ができる。





未来はあるのか
シリーズに新たな方向性を見出すのはもちろん悪いことではありませんが、『Carmageddon: Rogue Shift』はあまりにも『Carmageddon』要素が薄すぎて悲しくなってしまいました。以前コラボイベントを実施した破壊系レーシングゲーム『Wreckfest』をベースにした方がもっと『Carmageddon』らしいものができたのではないかとも思います。
少々愚痴のようになってしまいましたが、いつの日かより進化した『Carmageddon』が見られることを祈ります。











