2026年3月6日(金)に発売予定のBungieが手掛けるPvPvE脱出シューター『Marathon』。現在はリリース直前の負荷テストを目的としたサーバースラムテストが開催されています。
本稿ではゲームの基本的な流れを解説しつつ、筆者は数少ないアルファ版をプレイした身なので当時とどのように変化したか、そしてMarathonプロデューサーと一緒にプレイした上での開発秘話などをお届けします。
Marathonの基本的な流れ

『Marathon』の舞台は2893年の惑星タウ・セティIV。目的に応じたそれぞれのゾーンで25分の制限時間内にAIの敵や他プレイヤーと戦いながら、各勢力のコントラクトをこなしつつ戦利品を確保して脱出ポイントを目指します。 プレイヤーは最大3人のチームを組むか、ソロでも出撃できます。
脱出シューターにクラス制を導入
Bungieは『Destiny』シリーズでクラス制を採用していますが、本作では“ランナーシェル”という人工ボディをクラスとしており、プレイヤーは肉体を捨て“ランナー”として各ランナーシェルに意識を宿すという設定。 ランナーシェルにはそれぞれ固有のスキルとパッシブがあります。

デストロイヤー:防御バリケード、スラスター、ミサイルシステム
バンダル:高速なスライディング、移動、二段ジャンプ、強力なノックバックキャノン
リコン:エコーパルス、トラッカードローン、ホログラムによる追跡
アサシン:スモークと透明化
トリアージ:回復ドローン、蘇生と攻撃、戦闘力強化
ROOK:ソロ専用シェル。持ち込む装備を選べずコントラクトを進行できない。自己回復とAI敵を欺ける
以上がサーバースラムテストで選べるランナーシェルです。 この他に、製品版では偵察とアイテム回収ができるドローンにグラップリングが使えるシーフも追加されます。
自分に合った企業を探そう

『Marathon』には“ファクション”という組織や企業が存在しており、プレイヤーは任意のファクションに所属してコントラクトをこなし、ファクションのランクを上げていくのが目的です。 各ファクションにはスキルのアップグレードツリーがあり、ファクションごとに方向性が定められています。
ここで日本版限定の珍事が発生します。 チュートリアルを完了するとプレイヤーはあるファクションに強制で加入するのですが、その名前が『サイバーアクメ』です。 英語では「電子の頂点」と訳せる名前ですが、日本では一部の層に「アクメ」が原典の旧ギリシャ語の意味合いで伝わっておりサイバーアクメという名前が話題になっています。
名前のインパクトが強いサイバーアクメですが、脱出シューターをプレイするうえで最も重要な「保管庫の拡張」というアップグレードが用意されているほど、超重要な役割を担っています。
プレイできるマップは2つ、製品版では4つ

今回のサーバースラムテストでプレイできるゾーンは“外周”と“ダイア・マーシュ”の2つがプレイできます。各ゾーンに設置されているアイテムはマッチごとにランダムで転換されます。外周はチュートリアルマップとしての役割を兼ねており、初心者専用マッチングもできるので、『Marathon』の仕組みに慣れるには最適の場所です。

ダイア・マーシュは外周よりもサイズが大きくなり、探索箇所も増えてAI敵も多くなっています。 その分、外周よりも良い装備やアイテムが手に入りやすくなっています。
製品版ではより難易度の高い“アウトポスト”と、エンドゲームコンテンツゾーンの“UESCマラソン号:低温アーカイブ”が追加されます。

Bungieは『Destiny』時代から謎解き要素をゲーム内に仕込むことを得意としていますが、『Marathon』でも変わりません。 報酬が手に入るかわりに何が起きるか分からないランダムイベントや、AI敵を倒し続けることで強力な敵が出現するかわりに美味しい報酬がもらえるイベントが発生する可能性もあります。 契約の目的地にボスキャラが湧いたせいで難易度が跳ね上がるなんてハプニングもあります。

各ゾーンには脱出地点があります。起動してから一定時間後にサークルが出現しカウントダウンが始まります。カウント終了時にサークル内にいれば帰還できます。この時に他プレイヤーも同じサークル内にいれば一緒に帰還できます。

『Marathon』は敵に倒されてもダウン状態になり、トドメを刺されなければ味方に蘇生してもらえます。脱出時に奇襲されてダウンしてもサークル内にいれば脱出できるのは嬉しい点です。一度使用された帰還場所は利用不可になり、新しい帰還地点がランダムで出現します。 最後の最後まで粘ると最終脱出地点が出てきますが、これで帰還できなければ失敗扱いになります。
Bungieらしいさすがのガンファイトに満足

筆者がアルファ版の頃から『Marathon』の優れている点と評価しているのは「銃撃の楽しさ」です。 『Halo』や『Destiny』でも魅力的だった点が引き継がれています。 どの銃もリコイルが優しく、攻撃が命中したときの気持ちよさは特筆すべきものがあります。デザインは奇抜なゲームですが、ガンプレイはとっつきやすい素直さを持っています。

銃にはレアリティがありますが、銃本体はどの武器も最低レアリティの白からスタートします。 そこに付けるアタッチメントのレアリティの平均値がその銃のレアリティとして表示されます。 中には非常に強力な性能をもつ最高レアリティのアタッチメントもあるので、ハクスラ要素による中毒性とロストしたときの喪失感によるバランスが、ゲームプレイに興奮と緊張をもたらしてくれます。
同時に、アイテムをロストしてしまってもスポンサードキットという無料ロードアウトで気軽に再出撃もできるので、脱出シューターとしては命も軽いです。また、保管庫がすぐに一杯になってしまうのでアイテムをロストしても在庫処理ができたと逆転の発想もできてしまいます。
PvP要素で特に気に入った点と気になった点

個人的にアルファよりハッキリと気に入った点が、ヒット判定の正確さとラグの少なさです。様々なPvPゲームをプレイしていますが、筆者はアメリカ在住なので日本のフレンドとプレイすると大抵ラグに苦しめられます。 特に顕著なのが壁の裏に隠れているのに攻撃が当たる事。
ところが『Marathon』ではこのような事態は全く発生しません。全ての攻撃がちゃんと命中/被弾します。 ラグで負けたときのような不満は一切なく、負けるべくして負けたと納得できます。 サーバーの信頼性は地味ですがPvPでは非常に重要な点です。
ヒット判定に文句は一切ありませんが今回のサーバースラムテストで少し気になったのが、アルファの頃よりもプレイヤーを倒すまでのTTK(タイム・トゥ・キル)が短くなった点。 アルファではTTKが長すぎると思いましたが、現在の環境では短くなりすぎて、奇襲を受けると立ち回りで逆転する暇もなく倒されてしまうことが度々発生します。

装備格差も非常に大きく、ますます立ち回りでカバーできる猶予がなくなっています。 Bungieには現在この点について多くの意見が集まっているようで、将来のアップデートで何かしらの変化があるかもしれません。
アルファの頃からの不安はそのまま

アルファ版の頃から懸念していた点は独特すぎるUI。筆者はアルファ版の時点では「UXを完全に置き去りにしたUI」と評しましたが、ベータを経たサーバースラムテストでも少し改善されたものの、まだまだデザインが先行しすぎているUIとなっています。 UIは現在も多くのフィードバックが寄せられているので改善に期待できそうです。
UIで特に気になるのがラン中画面右上に表示されるコントラクト画面。なぜかここに2人分のコントラクトしか表示されず、全員分を確認するにはマップを開いてさらに階層を潜る必要があります。 『Marathon』はマップを開いている間は棒立ちなので非常に危険です。 どうして全員分表示しなかったのか、Bungieの深い考えに筆者の想像は及びません。
あとロード画面の非表示をくれ!
Bungie内部でも対立したコントラクトの仕組み

コントラクトについてもう一つ気になっていた点が、一度に一つしか受諾できないこと。 筆者は脱出シューターの任務やクエストは一度に複数持ち、一回の出撃でどれだけ効率よくこなせるかを楽しんでいました。 ところが『Marathon』ではそれができません。
この点についてプロデューサーに伺ってみたところ、Bungie内部でも複数受諾派と一つ派で意見が分かれていたようで、最終的に「一つのコントラクトに集中してほしい」、「終盤のコントラクトはとても複雑」という観点から現状の仕様になりました。 そのかわり他プレイヤーのコントラクトが完了したら自分にもポイントが入る仕様も導入したとのことです。
製品版に向けて貴重なデータが取れたサーバースラムテスト
3月6日の発売までまもなくですが、サーバースラムテストでは多くのフィードバックが寄せられました。 「外周でのPvPが少ない」という意見には、一回のマッチで参加できる人数を増やして接敵率を上げています。実際、筆者の体感では以前よりも外周での遭遇率が上がりました。
現状ではソロ用マッチか3人用マッチしかありませんが、デュオ用マッチを望む声も開発チームに届けたとBungieは報告しています。 TTKや弾薬と回復アイテムの消費量、UIへのフィードバックなど貴重なデータが届いたことから、今回のサーバースラムテストは有意義な物となったことでしょう。
サーバースラムテストは日本時間3月3日午前3時まで開催されています。 製品版は有料ですがサーバースラムテストは無料ですので、まだプレイしたことがない方は一度プレイしてみるのはいかがでしょうか。











