
韓国のパブリッシャーWEBZENは、オープンワールドARPG『DragonSword : Awakening』を手掛けるHound13に対して訴訟を起こすとともに、差し止め命令を申請したことを発表しました。
買い切り型としてSteam展開を試みるオープンワールドARPG
『DragonSword : Awakening』(以下、Steam版)は、Hound13がSteamリリースに向けて開発中の買い切り型オープンワールドARPG。PC/モバイル向けの基本プレイ無料作品『DragonSword』(以下、基本プレイ無料版)をHound13による自社パブリッシングで再展開する作品と見られています。
基本プレイ無料版は、Hound13が開発しWEBZENがパブリッシングを担当する作品として、2026年1月に韓国でリリースされました。しかし、2026年2月にHound13がWEBZENに対してパブリッシング契約の解除を通告しました。
Hound13は、WEBZEN側から「ゲーム開発を継続できなくなる可能性がある」との懸念をもとに契約金が支払われていないことが理由であると説明。資金繰りが苦しくなってしまった最大の原因は、WEBZEN側のプロモーションやマーケティングが不十分であり、本作の売上実績が期待に到達しなかったことだと主張していました。

この通告を受けたWEBZENの判断により、基本プレイ無料版では課金機能の停止・全額返金が行われ、ゲームサービスは現状を維持するという先行き不透明な状態となっています(払い戻しに関する公式ニュース)。
一方のHound13はSteam版を新たに発表し、ストアページを公開。自社パブリッシングによる買い切り作品として2026年7月の発売を目指し、キャラクタートレイラーの公開なども進められていました。
基本プレイ無料版パブリッシャーから待ったがかかる
今回、そこに待ったをかけたのが基本プレイ無料版のパブリッシャーを務めるWEBZENです。WEBZENは、Hound13が展開するSteam版は事前合意なしに進められているものだと説明。Hound13に対して基本プレイ無料版のサービス正常化を求めてきたものの、Steam版リリースの準備を進めるという主旨の返答のみを得られたとしています。
そして、Steam版は適法なパブリッシング権が存在しない状態で進められているものであり、国内外のユーザーに対してさらなる混乱を招きかねないと主張。WEBZENがパブリッシング権を保有していることを明確にするための訴訟を起こすとともに、Hound13の自社パブリッシングの差し止めを求める仮処分を申請したということです。
これまでのWEBZEN側の主張
なお、これまでにもWEBZENはHound13の主張に対する反論を公開してきました。2026年2月の文章によると、Hound13側からのリリース延期要求を作品クオリティを優先するために受け入れてきたとのこと。その結果、開発の長期化に伴ってHound13の資金繰りが悪化し、開発人員の維持すら困難な状態に陥ってしまったのだといいます。

資金繰りの悪化を受け、契約上ではリリース後に支払うことになっていた最低保証金を一部先払いするなどの支援を実施。そして、リリース後の売上は予想を下回っていたものの、今後少なくとも1年間は安定して運営できるような追加投資を提案したといいます。しかし、その協議中にHound13側から一方的なパブリッシング契約の解除通告が行われたとのことです。
その後2026年3月に、WEBZENは新たな文章を公開しました。Hound13によるパブリッシング契約の解除通告は、法的にも社内の手続き的にも不備が存在し、無効なものであると主張。そして、2026年2月27日付で最低保証金の残金全額をHound13に支払ったため、WEBZENとHound13間のパブリッシング契約は依然として有効であるとの見解を示していました。


『DragonSword : Awakening』のSteamストアページでは現在も2026年7月リリース予定と記載。また、Hound13側からの公式声明は公開されていません。














