Game*Sparkレビュー:『Forza Horizon 6』カジュアルな実車系レースゲームの現行最高傑作 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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Game*Sparkレビュー:『Forza Horizon 6』カジュアルな実車系レースゲームの現行最高傑作

ロボットとレースもできるシリーズ最高傑作

連載・特集 Game*Sparkレビュー
Game*Sparkレビュー:『Forza Horizon 6』カジュアルな実車系レースゲームの現行最高傑作
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5月19日の発売から約1週間が経過した『Forza Horizon 6』。今回は日本が舞台ということもあり、SNSでの動画投稿やストリーマーによる配信など、シリーズの中でも出色の盛り上がりを見せているように感じられます。筆者も数十時間プレイし、主要なレースイベントは大方こなしたところです。しかし、収集要素などはまだ完了しておらず、今後も随時シーズンイベントが追加されるため、やり込む余地はまだまだ残っていると感じています。

まず最初に結論から述べてしまいますが、本作は非常に優れた「自動車ゲーム」です。(筆者がプレイしているのは『4』以降となりますが)もともと評価が高くよくできている『Forza Horizon』シリーズの中でも、本作はボリュームやマップの広さが過去最大級。それに加えて「よく見知った場所が舞台である」という目新しさも加わり、これまでで一番楽しい『Forza Horizon』に仕上がっていると感じました。

自動車を題材としたゲーム初心者にも問題なくおすすめでき、様々なプレイヤーが楽しめる間口の広い一作だと言えるでしょう。ここからのレビューではやや不満点にも触れていきますが、それらはあくまで「重箱の隅をつつく」程度のものであり、基本的には非常に満足度の高い一作です。

本作のストーリーはおまけ程度であり、「ネタバレ」というようなものもほとんど存在しないか、とは思うのですが、この記事では後半のレースイベントの内容などにも触れるため、もし気になさるかたがおられたら、一通り遊んでから本レビューを読んでいただけたら、と思います。

生き生きと高い説得力で描写される「日本」

本作の最大の魅力は、何と言っても舞台となる「日本」とその描写です。マップは舌を巻くほどの作り込みであり、日本在住者から見ても違和感がほとんどありません。この精密な日本描写を、海外のデベロッパーが実現させたことということにはただただ驚かされます。 本作のマップは現実の日本より大幅に縮小/デフォルメされており(例えば、東京をモデルとした「東京シティ」のすぐ北に金閣寺があるような構造になっています)、レース向けに道幅や交通量の調整といった「改変」も施されているはずです。しかし、実際にゲーム内で走ってみると、そうしたデフォルメに対して不自然さを覚えることはほぼありませんでした。

都市部が精巧に作り込まれているのは当然として、郊外や田舎に至るまでしっかりと「日本っぽさ」を感じられる点は、本作の本当に素晴らしい部分です。建物が少なく自然豊かな景色で国ごとの違いを表現するのは非常に難しいはずです。しかし、本作は空気感や植生、民家やブロック塀などの描写が見事であり、マップのどこを走っていても「確かに日本だ」と実感できるようになっています。日本に住むプレイヤーにとって、本作を遊ぶのはマジカルな体験であり、他のゲームにはない特別な面白さがあると感じます。

読者の中には海外にお住まいで翻訳でこの記事を読まれている方、あるいは日本語話者だが海外在住であり日本に訪れたことがない/日本にいたころの記憶が遠いものになっているというような方もいらっしゃるかもしれませんが、本作をプレイした後に実際に日本を訪れれば、「あの景色の再現度は本物だったんだな」と驚かれること請け合いです。もし自分が将来海外に在住することになったとしても、本作を遊びなおせばちょっとホームシックが解消されるかもな、とも思いました。本作の日本は、それほどの再現度になっています。

筆者が特に気に入ったのが、「田舎道を走る高速道路の高架下」の描写です。筆者の地元である千葉や、かつて住んだ茨城にはさにこうした風景があり、強い既視感を覚えました。 日本の風景は地域ごとの特色が薄く、特に国道沿いなどは均一的な景色になりがちだとよく指摘されます。しかし本作では、その均一性すらもうまく作用しているように思えます。自分が訪れたことのないエリアがモデルであっても奇妙な既視感を覚え、どこか懐かしさを感じられるのが、非常に面白い体験でした。

マップそのものが魅力的であるため、本作ではただ目的もなくマップを走行しているだけでも、十分に面白く遊ぶことができます。そうやって遊んでいても、収集要素が解放されたり、経験値が貯まって自然とゲームが進行していく、というのも本シリーズの素晴らしい点です。また、フォトモードがとにかく楽しく、お気に入りの音楽を聴きながらドライブし、時折フォトモードでの撮影を楽しむ……というのが、筆者にとって本作のメインのプレイスタイルになっていきそうです。本作は、そうしたカジュアルな遊び方を満喫するのに非常に適した作品ですね。

レースイベントやストーリーイベントなどのゲーム部について

本作では多種多様な遊び方が許容されているため、個人的には「レースゲーム」というより、「自動車ゲーム」と呼ぶのがふさわしいのではないかと考えています。とはいえ、もちろん「レース」も本作の大きく重要な要素であることには間違いないです。レースを含む様々なイベントをこなすことでリストバンドのレベルが上がっていき、それによって新しいイベントが開放される……というのが、本作の一応の「ゲーム進行」となっています。

リストバンドのレベルが上がる際にプレイできる「ショーケースイベント」や「Horizonラッシュ」は、どちらも演出が非常に派手で面白い仕上がりになっています。なかでも巨大ロボット「Chaser Zero」と並走するイベント「メカ・マイ・デイ」は、本作をプレイした誰もが語りたくなるイベントだと思います。目の前や横をロボットが走り続けるためかなり気が散りますが、こうした遊び心がふんだんに盛り込まれたレースはプレイしていて非常に楽しく、嬉しい要素と言えるでしょう。

「Horizonラッシュ」はコース自体の難度が高い場合があり、筆者の腕前ではやや苦戦するステージもなかにはありました。というか、多少壁に擦ってもタイム的に問題ないコースがある一方で、最高評価のタイムを達成するためにはかなり精密なドライビングが要求されるシビアなコースも混在しており、難易度の調整がやや荒いのではないかとちょっと感じます(リワインド機能があるため、根気さえあれば誰でもいつかは達成できるとは思いますが)。

道が狭く入り組んだ日本を舞台としていることもあってか、レースコース全体の難易度は、これまでの『Forza Horizon』シリーズと比較して平均的に高い印象があります。誰でも遊べる間口の広さが魅力の楽しいゲームではあるのですが、レースを最高評価で進めていこうとした場合、レースゲームが本当に苦手なプレイヤーは、やや苦労することになるかと思います。

また、難度の話で言えば、設定でDrivatar(AI)のレベルを上げた際、理不尽な強さになってしまう問題がプレイヤーから指摘されています(筆者個人としても、イベントによっては難易度「標準」ですら勝つのは不可能なのではと思える瞬間がありました)。ただし、この点に関しては、今後のアップデートで修正が入ることがすでに明言されています。

シリーズの伝統として、ゲーム後半にはマップをほぼ一周する、1プレイに30分近く要する巨大コースも登場します。1回のミスですべてが台無しになるため、自信のないプレイヤーはあらかじめリワインド機能をオンにして挑むことを強くおすすめします。 後半はこうした長距離レースが連続するため、プレイしていて「次もまた長距離か……」とやや負担に感じる場面もありました。しかし、これは筆者がレビュー執筆のために駆け足でプレイしていた影響も大きいでしょう。皆さんは、ご自身のペースに合わせて、時間に余裕のあるタイミングで挑戦することをおすすめします。

レース以外にもマップ上の各所に設置され、通過したときの最高速を競う「スピードトラップ」やジャンプ台からのジャンプ距離を競う「危険標識」など、マップ上にはイベントが目白押しです。このあたりは本作特有というよりはシリーズ伝統の要素ですね。後半、リストバンドのレベルを上げるためにはこのようなイベントもつぶさにこなす必要があるため、ちょっと面倒に感じられることもありましたが、イベントが多いということはゲームのボリュームにもつながっているため、大まかには楽しい要素と言ってしまって良いと思います。また、フレンドのスコアが表示され競えるようになっているのは(これもシリーズ伝統ではありますが)楽しい仕様だと思います。

各種イベントに加え、マスコットやボーナス看板の破壊、隠された車を探すなど、本作は探索要素も目白押しです。日本が舞台ということもあって道が入り組んでおり、山間部などでは高低差によって一筋縄ではたどり着けない場所も存在します。そのため、探索は楽しい反面、少々手間に感じる部分も目立つというのが個人的な感想です。とはいえ、面倒であれば無理にこなす必要のない要素ではあるため、「重箱の隅をつつく」程度の些細な問題点だと言えるでしょう。 『Forza Horizon』シリーズをプレイするたびに感じるのですが、こうした細かな探索要素に触れていると、プレイステーションの古典的なレースゲーム『チョロQ』シリーズの「チョロQタウン」をすごい思い出します。 本シリーズでは過去に「LEGO」や「Hot Wheels」とコラボした拡張DLCが配信されてきたため、、「チョロQ」や「トミカ」といったコンテンツとのコラボが実現したら面白いのではないかと、個人的には勝手に期待しています。


本作はオンライン要素も非常に充実しています。純粋なレースだけでなく、プレイヤー同士で協力して共通の目標を達成するイベントや、「かくれんぼ」のようなユニークなルールのゲームモードなど、多彩な遊びが目白押しです。筆者自身はまだオンラインモードをそこまで深く遊び込めてはいませんが、マップ上の目標をすべて達成した後でも、長く遊び続けられるのは嬉しいポイントです。ただでさえ大ボリュームの本作ですが、オンライン要素までやり込むとなれば、そのプレイ時間はきっと膨大なものになるでしょうね。

また、自身で作成した車のデザインをプレイヤー間で共有できる、シリーズでおなじみの機能も当然搭載されています。著作権的に少々不安になるようなデザインが多数アップロードされているのも、ある意味でシリーズ恒例の光景ですね。 さらに今作では、車のデザインに加えて「ガレージ」や「私有地」といった空間もカスタマイズして共有可能になっているため、こうしたクリエイト要素が好きなプレイヤーにとってはたまらない作品です。

シーズンごとに新たなイベントが追加されるうえ、自動車やクラクション、プレイヤーのアバター衣装など、コレクション要素も膨大です。そのため、「すべてを遊び尽くし、全アイテムを収集したい!」というようなコンプリート欲の強いプレイヤーにとってはかなり大変で、時にはフラストレーションが溜まるような仕様も存在します。しかし、マイペースに遊ぶ分には楽しい作品であることは間違いありません。

総評

本作は様々な楽しみ方を許容するボリューム満点の一作であり、特に日本在住のプレイヤーにとっては格別な楽しさが味わえる作品です。自動車ゲームが好きな方はもちろんのこと、オープンワールドの探索を好むカジュアルなゲーマーにも広くおすすめできます。

ただ、レースゲームとして本格的にやり込もうとした際には、難易度設定の大味さが目に付く場面もありますし、すべてをやり尽くそうとするには少々「大変」な作品であるのも確かです。多くのプレイヤーが自分に合った楽しみ方を発見できる一方で、すべての要素が完全にフィットしているプレイヤーはそう多くはないと思います。

とはいえ欠点の一つ一つは小さなものですし、個人的にはレースゲームを今まで遊んでこなかった層にこそ手にとってほしい一作となっていると感じます。筆者も今後長く遊ぶでしょうし、DLCやシーズンイベントなど、今後の展開も楽しみです(なにせ現時点では本作の大きな売りである「季節の変化」を一つしか体験できていませんからね!)。マップの広さ、イベントの多用さ、カスタマイズ要素の豊富さなど、「日本在住者である」という面白さを差し引いてもシリーズ最高傑作であると個人的には思います。

Game*Spark レビュー 『Forza Horizon 6』 PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S 2026年5月19日

やや面倒な部分もあるが、基本的には素晴らしいシリーズ最高傑作

GOOD

  • 日本の再現度の高さ
  • 膨大なボリューム
  • カスタマイズなどレース以外で楽しめる幅が広い

BAD

  • やや難易度設定が荒い




ライター:文章書く彦,編集:みお

ライター/「ラジオ善意X」聴いてね 文章書く彦

好きなガンダムは∀ガンダム、好きなマンガはレベルE、好きな映画監督はポール・トーマス・アンダーソン、好きなゲームジャンルはオープンワールドものとローグライク(ローグライト)、好きな昆虫はカマキリ、好きなバンドはFUGAZI、好きな作曲家は浜渦正志、好きな小説家はカート・ヴォネガット・ジュニアと舞城王太郎、好きなラッパーはポチョムキン、好きな焼酎は鳥飼、好きなルフィが言ってない言葉は「何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ!(ドン)」、好きな笑い男が書いてた言葉は「or should I?(だが、ならざるべきか?)」。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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