
60秒で死んでしまう脱出ゲーム、思わず「そんなのできるの?」と言ってしまいたくなるチャレンジングなコンセプトの作品が、京都で開催された日本最大級のインディーゲームイベントBitSummit PUNCHにありました。
その名も『60病』。英題の「The 60-Second Syndrome」から読み取れるように、主人公は“60秒で死に至る”状態にあるようです。
そんな斬新なゲームプレイはどのように実現されているのか。この記事では、会場で「スポンサー賞」と「ポピュラーセレクション賞」をダブル受賞し大きな注目を集めた『60病』デモのプレイレポートと共に、開発スタジオマトリックスへのミニインタビューをお届けします。
死んで覚える脱出ゲーム。リセットされる世界で「知識」だけが武器になる

四方を壁に囲まれた部屋でデモが開始します。ここがこのデモにおける唯一のロケーションであり、プレイヤーが脱出すべき目的の場所でもあります。
何もわからないまま辺りを見回すと、なにやら意味深に4色に分けられた鍵がかかっています。この鍵を開けるために4桁の数字を探すことが、デモのクリア条件のようです。

上の画像を見るとわかりやすいのですが、画面上には常に60秒のカウントダウンが表示され、刻々と迫る死の時間を表しています。減り続ける数字を前に、否が応でも焦りが生じてしまいます。

改めて部屋の中を見渡してみると、さまざまなオブジェクトが意味深に配置されていることに気がつきます。家や道路を描いた4枚の絵の下にはそれぞれスイッチが備えられています。
机を調べてみると「電話」「引き出し」「ノート」と、情報の隠されていそうな気配がプンプンする選択肢が表示されます。
様々な選択肢が提示され、取れる行動の多さにワクワクしてしまいますが、時間はたったの60秒しかありません。頭を強制的にブーストされるような新感覚に襲われます。

詳細は控えますが「ある場所」で手に入れた鍵を引き出しに使うと数字が書かれた写真を見つけられました。これで4桁の数字のうちの1つを知ることに成功。

そう思ったのも束の間、約束の60秒が経過し呆気なく死んでしまいました。しかし、プレイヤーは全く同じ部屋で、スタート時と同じ状態で目を覚まし、新たなループが始まります。
最初に戻った、ということは手に入れた鍵も失われています。しかし、脱出するための「数字を知った」ことは記録されています。何度も死にながら、一歩ずつ情報を集めていくことこそが、本作の肝のようです。

ゲームオーバーを繰り返しながら少しずつ情報を集めていくゲームプレイには、常に時間に追われているという状況も相まって、小さな達成感を積み上げていくジワジワとした快感がありました。

続けて謎を解いていく中で「意味深なヒント」や「周囲の物を手に取って使用する」といった脱出ゲーム特有のモチーフを3Dで上手く表現したゲームプレイが展開されました。
また「1回のループのうちに、どれか1つしか読めないヒント」といった、ループする世界ならではの利点を活かした要素にも、今作特有のこだわりを感じることができました。

4桁の数字を全て集め、ドアを開いたその先には……。その結末は現在公開されているデモをプレイして確かめていただきたいところです。
続いては今作の開発マトリックスさんへのミニインタビューをお届けします。
「世にも奇妙な物語」と『P.T.』が出会ってできた『60病』
――開発スタジオのマトリックスはどのくらいの規模ですか?リッチな表現を実現しているように見えます。
マトリックス:5人で開発している小規模なチームです。Unreal Engineを採用して開発を行っています。
――1プレイ60秒という尖ったコンセプトにはどのような意図があるのでしょうか。
マトリックス:1分という短い時間で死んでしまう、という極限状態にプレイヤーを閉じ込めた時に、人はどのように動くのか?といった疑問がそのままこのコンセプトになりました。
また「世にも奇妙な物語」のような舞台設定をゲームで作りたいという思いを実現させる、という狙いもありました。
――影響を受けたゲーム作品はありますか?
マトリックス:小島監督の『P.T.』です。クローズドな(閉ざされた)場所でさまざまなことが展開される、という点は影響を受けていると思います。
――最後に読者に向けて伝えたいことはありますか?
マトリックス:今作にはさまざまな謎が隠されています。なぜ主人公は60秒のループを繰り返すのか、どうして閉じ込められているのか、羊の男は何者なのか、徐々に明らかになる謎を解き明かすため、ぜひ『60病』の世界に飛び込んでいただきたいです!
以上、1プレイ60秒の脱出ゲーム『60病』のプレイレポートと開発スタジオインタビューをお届けしました。短いデモの中で流れるようにルールを把握し、時間に追われる中で謎を解いていく展開には、脱出ゲームの楽しさを凝縮したような体験が詰まっていました。
『60病』は現在、Steamにて無料体験版が配信中です。











