バンギャにロリータ、メイドに怪異?!2000年代東京のサブカルチャーを巡るオカルトADV 『イタチの家渡り』試遊レポ&インタビュー【BitSummit PUNCH】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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バンギャにロリータ、メイドに怪異?!2000年代東京のサブカルチャーを巡るオカルトADV 『イタチの家渡り』試遊レポ&インタビュー【BitSummit PUNCH】

東京ゼロ年代サブカルとオカルト要素はもちろんですが、個人的にはイタチと田貫のバディ展開にも期待!

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バンギャにロリータ、メイドに怪異?!2000年代東京のサブカルチャーを巡るオカルトADV 『イタチの家渡り』試遊レポ&インタビュー【BitSummit PUNCH】
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2026年5月22日(金)から24日(日)にかけて、京都のみやこメッセにて日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit PUNCH」が開催されました。

本記事では、個性が光るたくさんの出展タイトルの中から、イタチの家渡りの試遊レポートとインタビューをお届けします。

ゼロ年代・東京。イタチとタヌキ、2人の視点を切り替えて"事故物件を解放”せよ!

国内のインディーゲームシーンを支える人気パブリッシャーのroom6。そんな同社の本拠地である京都で開催されたBitSummit PUNCHにて、"あの頃のサブカルチャー”×オカルトADV『イタチの家渡り』の試遊版が展示されました。

2025年9月に発表された本作。同月に開催されたTGSで、ゲーム中に登場する四畳半を再現したフォトスポットが話題となったのも記憶に新しいですね。

主人公は、帰る家を失った大学生・イタチ。「衣食住付き、履歴書不要。簡単な作業をするだけで、1週間後に10万円!」という好条件につられて、心理的瑕疵物件(いわゆる事故物件)に住むアルバイトに身を投じる所から、物語は始まります。

イタチを雇った不動産会社の社員・田貫(タヌキ)との同居という奇妙な条件のもと、イタチはどこか不穏な雰囲気の漂う四畳半に住み始めるのですが――

実は、この四畳半には亡くなった前住人が遺した「産土(うぶすな)」という怪異が棲みついていました。田貫たち不動産会社の目的は、イタチを囮にその産土を顕在させて故郷へと還し、物件を解放することだったのです。

本作は気になるところを調べて情報やアイテムを入手していく調査パートと、故人の名前や出身地、死因を突き止め、「産土結び」という儀式で怪異をあるべき故郷に還す除霊パートがあります。

それぞれ異なる役割を持っているイタチと田貫。怪異を視ることはできないがコミュ力おばけのイタチと、人見知りだが怪異を視ることができる田貫。そんな対照的だからこそ相性抜群の2人を切り替えながら、産土に挑みます。

印象的だったのは、任意のタイミングで操作キャラクターの切り替えができること。「この時、イタチは何を思っていたのか」「あのシーンで、田貫は何を見ていたのか」など、双方の視点から一つの事件を解決していく過程が楽しめます。

調査パートで得られる情報や描かれる景色には、フィーチャーフォンやBBS、当時の音楽雑誌など、“2000年代”を感じさせる要素が随所に散りばめられています。覚えのある人なら思わず浸ってしまうような要素が盛りだくさんで、単に“2000年代風”のデザインを取り入れているだけではなく、当時のサブカルチャーが持っていた空気そのものを追体験できる作品だと感じました。

また、怪異を祓っていくというオカルト要素も本作の大きな魅力です。ホラーやオカルトを題材にした作品は数多く存在しますが、“2000年代のサブカルチャー”という明確なテーマと結び付くことで、本作ならではの独特な空気感が生まれていました

当時を知る世代にはあの頃の感覚を呼び起こさせ、一方で当時を知らない世代をも惹き付ける――そんな魅力を持っているのは、制作者の“ゼロ年代カルチャー”への強い愛情とこだわりが、作品全体に丁寧に反映されているからこそだと感じました。

現時点ですでに強い個性を放っている本作が、完成版でどのように展開していくのか――試遊版で体験できたバンド界隈のお話はもちろん、この後に続く原宿ロリータや秋葉原のメイドさんのお話も、今から楽しみです!

国内外で注目される、“ゼロ年代サブカル”へのこだわりが顕在する世界

ここからは、room6に所属する制作チームへのインタビューをお届けします。

――自己紹介と、本作にどのように携わっているのか教えてください。

Achamoth氏:ディレクターのAchamoth(アカモート)です。『イタチの家渡り』では企画・シナリオ・キャラクターデザインなどを担当しています。ロック音楽にまつわるファッションやコミュニティといった若者文化が好きで、個人活動ではイギリスやアメリカのユースカルチャーを題材に作品を作ってきました。今回ついに、room6で自分自身が青春を過ごしたゼロ年代の東京を描けることに、感慨を覚えています。

Massa氏:エンジニアを担当しているMassa(マッサ)です。『イタチの家渡り』では、主にUIの実装やカメラワークなど、ゲームのビジュアルに関わる部分を担当しています。Achamothさんのディレクションのもとで、実際の演出や画面表現へ落とし込んでいく役割です。

――本作は見所だらけの予感がしますが、その中でも特に注目してほしいポイントはありますか?

Achamoth氏:シナリオで一番楽しんでほしいのは、対照的なイタチと田貫のバディ関係です。性格も能力も真逆な2人が視点を切り替えながら、少しずつ事件の核心に迫っていく――その関係の機微を丁寧に描いています。
そして、ゼロ年代を知っている世代の方にも、当時を知らない世代の方にも、平成サブカルチャーの空気感そのものを楽しんでもらえるよう、随所にこだわりを詰めています。ただテキストを読み進めるだけのADVにならないよう、インタラクティブな仕掛けをどこまで盛り込むか、その難易度をどう調整するか――試遊版での反応を見ながら改善を重ねているところです。イタチと田貫と一緒に、事故物件の謎へ飛び込んでもらえたら嬉しいです。

Massa氏:これからさらに実装を進めていく段階ではあるんですけど、特にカメラワークには力を入れています。本作は2Dイラスト主体のゲームなので、カメラの動かし方で立体感や空気感をどう出すか、その辺りはかなりこだわって作っています。

――試遊版の時点でもかなり作り込まれている印象でした。完成版はどのくらいのボリューム感になりそうでしょうか?

Achamoth氏:テキスト量がかなり多いので、たっぷり遊んでいただける作品になると思っています。探索できる場所も多いですし、“産土結び”のパートでも成功・失敗など、いろいろ試したくなる要素を入れています。

東京のゼロ年代サブカルチャーをぎゅっと詰め込んだ作品になっているので、その空気感をじっくり楽しめるボリューム感になると思います。

――反響についてはいかがでしょうか?

Achamoth氏:最近はレトロブームもありますし、平成カルチャーに興味を持ってくださる方が増えている印象があります。当時を知っている方からは「懐かしい」という反応をいただきますし、バンドブームを覚えている世代の方にもご好評いただいています。

一方で、日本のカルチャーに興味を持っている海外の方々からの反応もすごく良いです。英語、中国語(繁体字・簡体字)対応も予定しているので、ぜひ海外の方にも遊んでいただきたいです。

――リリース時期について、具体的な日程は決まっていますか?

Achamoth氏:現時点では2027年発売予定です。ただ、まずは自分たちが納得できるものをお届けしたいと思っているので、具体的な発売日はまだ未定です。

これもまだ未定ですがリリース前には体験版も公開したいと考えているので、そこでより多くの方に触れていただけたらいいなと思います。

――最後に、ユーザーへメッセージをお願いします。

Achamoth氏:わたし自身がゼロ年代に多感な時期を過ごし、その記憶を本作にぶつけています。バンギャだった頃の高揚も、憧れていたものが壊れていく痛みも、すべて作品の血肉になっています。ひとつの時代をモチーフにするということは、それを生きた誰かの記憶に触れることでもある、と開発の中で気づきました。これはわたしの思い出であり、そしてあなたの思い出でもある作品です。イタチと田貫が巡る平成の若者の物語を通して、皆さん自身の青春を発見してもらえたら嬉しいです。

Massa氏:僕自身は、いわゆるゼロ年代カルチャーど真ん中の世代ではないんですけど、最近はY2Kブームや平成カルチャーの再評価みたいな流れがありますよね。

『イタチの家渡り』には、2000年代当時のサブカルチャーやバンドカルチャーなど、いろいろな熱量が詰め込まれています。当時を知っている方には懐かしく感じてもらえると思いますし、若い世代の方にとっては、新しく知るきっかけにもなるんじゃないかなと思っています。そういう意味でも、ぜひ遊んでいただきたいです。

――ありがとうございました!


『イタチの家渡り』2027年にPC向け(Steam)にて発売予定。

ライター:難波

ライター/ゲームと映画と小説と移動と格闘技と犬が好きな兼業ライター 難波

雪山のペンションで殺人事件に巻き込まれたり、きらめき高校で青春を謳歌したり、時を渡る翼で時代を駆け星の未来を救った経験を経て、現在はしがない会社員。主にRPGとADV、ホラゲーとギャルゲーが好きで、郷愁と可能性に満ちたドット絵のゲームに目がない。すてきなゲームを世に生み出してくれる作り手への感謝とリスペクトを原動力に文章を書いています。棺桶に入れてほしいゲームは『FF15』。

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