
ファミリーコンピュータからゲームボーイカラーまで、シリーズ13作品を収録した『がんばれゴエモン大集合!』(以下、『大集合』)。懐かしい作品を現行機で遊べるだけでなく、巻き戻しやクイックセーブ、ターボ、連射など、往年のゲームにもう一度向き合うための機能も充実しています。
本稿では、各収録作品を簡単に紹介しながら、本コレクションならではの遊びやすさをお伝えします。
◆40年の歴史から13作品が大集合!初移植タイトルも4作品
シリーズ40周年を記念し、1986年に発売された『がんばれゴエモン!からくり道中』から、2000年発売の『がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!』までを収録した『大集合!』。
収録範囲はファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、ゲームボーイ、ゲームボーイカラーの4ハードにまたがり、見下ろし型アクション、横スクロールアクション、RPG、アクションパズルと、同じシリーズとは思えないほど多彩な作品が並びます。
過去に遊んだ一本との再会はもちろん、名前だけ知っていた作品や、発売当時は触れる機会のなかった作品へ手を伸ばしやすいことも、コレクション作品ならではの魅力です。
なかでも『がんばれゴエモン きらきら道中 僕がダンサーになった理由』『それ行け♥エビス丸 からくり迷路 消えたゴエモンの謎!!』『がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!』の4作品は今回が初移植。シリーズをある程度追ってきた人にとっても、貴重なラインナップと言えるでしょう。
それでは、収録作品を順に見ていきます。
◆ファミコンから始まった、ゴエモンとエビス丸の珍道中
『がんばれゴエモン!からくり道中』(1986年/ファミリーコンピュータ)


記念すべきファミリーコンピュータ版シリーズ第1作。キセルと小判を武器に、町や城を駆け回って通行手形を集め、各地を旅していく見下ろし型アクションです。
後年の作品と比べれば構成はシンプルですが、操作は軽快で3Dダンジョンパートもあり、複数ジャンルを一体に仕上げるシリーズらしいテイストはすでに健在。まず原点を知りたい人に触れてほしい一本です。
『がんばれゴエモン2』(1989年/ファミリーコンピュータ)


ゴエモンの相棒・エビス丸が登場し、2人同時プレイにも対応した続編です。日本各地を巡る基本的なスタイルを受け継ぎながら、協力プレイによって道中の賑やかさが大きく増しました。
一人で着実に進むのもよし、二人で画面いっぱいに暴れ回るのもよし。シリーズを象徴する「珍道中」の形が、よりはっきり見えてきます。一般的な横スクロールアクションパートも登場するようになり、後年多くなったスタイルの原型が垣間見えます。
『がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル』(1990年/ファミリーコンピュータ)


盗まれた黄金キセルを取り戻すため、ゴエモンたちが旅に出るコマンド選択式RPG。アクションシリーズのキャラクターや世界観を使いながら、町で情報を集め、仲間とともに戦う長編の冒険が展開します。
アクションが苦手でもゴエモンの世界をじっくり味わえる一方、昔ながらのRPGらしく移動や戦闘には相応の時間が必要です。『大集合』のターボ機能と特に相性のよい作品でしょう。
『がんばれゴエモン外伝2 天下の財宝』(1992年/ファミリーコンピュータ)


『外伝』路線をさらに押し広げたRPGのファミコン第2作。個性的な仲間との冒険や、各地を巡って財宝を追うスケールの大きな旅が楽しめます。
スーパーファミコンでの展開後ということもあり、ゴエモンのビジュアルが90年代以降のデザインになっています。
◆スーパーファミコンで広がった、からくりアクションの世界
『がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻』(1991年/スーパーファミコン)


町を探索する見下ろし型パートと、仕掛け満載の横スクロールステージを組み合わせたスーパーファミコン第1作。旅先で買い物やミニゲームを楽しむ寄り道の面白さと、本格的なアクションが一つになっています。
グラフィックや音楽も大きく華やかになり、ゴエモンたちの旅を「観光」するような楽しさが強く感じられる作品です。
『がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス』(1993年/スーパーファミコン)


ステージクリア型のアクションを軸に、テンポよく各地を巡る人気作。巨大からくりメカ「ゴエモンインパクト」が登場し、通常ステージとはまったく異なるスケールの戦いを楽しめます。
ゴエモンインパクトの登場に伴い、世界観やシステムが今後続くシリーズの基礎になるものへと完成しています。町ステージで攻撃を行うと赤くなった役人が追いかけてくるのですが、本作だけは逃走時に愉快なBGMに切り替わり、まさに大騒ぎといった雰囲気が楽しいです。協力プレイ時に、いたずら的に攻撃をして逃げ回った思い出が蘇ります……。
『がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め』(1994年/スーパーファミコン)


時代をまたぐ物語と、探索要素の強いダンジョンが特徴のアクションアドベンチャー。ゴエモン、エビス丸、サスケ、ヤエを切り替え、それぞれの能力を使って仕掛けを解いていきます。シリーズ屈指の人気を誇るヒロイン、ヤエが本作からプレイアブルキャラクターとなっているのです。
一直線にゴールを目指すだけではなく、道具や能力を得て行動範囲を広げていく面白さがあり、じっくり腰を据えて遊べる一作です。
『がんばれゴエモン きらきら道中 僕がダンサーになった理由』(1995年/スーパーファミコン)


ゴエモンたちが宇宙へ飛び出し、個別の惑星を攻略していくスーパーファミコン後期の作品です。キャラクターごとに特色のあるステージが用意され、シリーズらしい多彩なアクションを次々と楽しめます。まさにスーパーファミコン世代のゴエモンの集大成と言える、金字塔的作品です。
複数人で遊べるミニゲームも本作を語るうえで外せません。バーチャルコンソール等でもこれまで移植がなく今回が初移植となるため、当時遊んでいた人にとっては待望の復刻、未経験者にはシリーズ屈指の賑やかさへ触れる機会になりそうです。
『それ行け♥エビス丸 からくり迷路 消えたゴエモンの謎!!』(1996年/スーパーファミコン)


エビス丸を主役に据えたアクションパズル。迷路に用意された仕掛けを見極めながら、消えたゴエモンの行方を追っていきます。
本編のアクション作品とは遊びのリズムが大きく異なり、収録ラインナップの幅を実感できる一本です。こちらも今回が初移植となります。昔ながらのCG的ルックにも注目です。
◆小さな画面に詰め込まれた、ゲームボーイのゴエモンたち
『がんばれゴエモン さらわれたエビス丸』(1991年/ゲームボーイ)


さらわれたエビス丸を追い、ゴエモンが日本各地を駆け巡る携帯機向けアクション。ファミコン作品に近い見下ろし型の画面で、キセルや小判を使って敵を倒しながら日本全国を旅します。
携帯機の限られた画面でも、町、店、サブゲームなどシリーズらしい要素がコンパクトにまとめられています。画面に対してキャラクターが大きい分、スピーディに感じるプレイ感も魅力です。
『がんばれゴエモン 黒船党の謎』(1997年/ゲームボーイ)


ゴエモン、エビス丸、サスケを使い分けて進む、ステージクリア型のアクションです。携帯機らしい簡潔な構成ながら、単純なジャンプ一つでも高難度な場面も多く、歯応えは十分です。
本作については、以前行った上野亮作プロデューサーへのミニインタビューでも印象的な話を伺いました。開発中にスタッフ全員で「黒船党チャレンジ」を行ったものの、誰一人クリアできなかったという衝撃の事件。上野氏自身も、本コレクションの連射サポートを使って初めてクリアできたとのこと。

実際、筆者も連射サポート無しでは該当箇所をクリアできませんでした……。まずはそのまま挑戦し、難しいと感じたらサポート機能を解禁するという遊び方もよいでしょう。幸いにも『大集合』では巻き戻し機能があるので、敗北後に巻き戻しを使って再挑戦することが可能です。
『がんばれゴエモン 天狗党の逆襲』(1999年/ゲームボーイ)


なんと現代の少年を主人公に、ゴエモンたちとの冒険を描くRPG。シリーズのキャラクターを外側から見つめるような設定も含め、ほかの収録作品とは少し変わった立ち位置の一作です。
エンカウント率の高さが辛くても、ターボ機能を使えば快適にプレイできます。
『がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!』(2000年/ゲームボーイカラー)


宇宙から現れた「星空士ダイナマイッツ」にゴエモンたちが立ち向かう、ステージクリア型の横スクロールアクション。ゲームボーイカラー専用作品らしい色鮮やかな画面で、据え置き機作品を思わせる王道のアクションが展開します。
収録作のなかでは最も後年に発売された一本であり、携帯機版シリーズの進化を感じ取れる作品です。こちらも今回が初移植となります。
◆巻き戻し、ターボ、連射。便利機能で“今の時代のゴエモン”に

レトロゲームのコレクションで重要なのは、作品数だけではありません。セーブポイントまで長く遊ぶ必要があったり、同じ難所へ戻るまでに時間がかかったりと、当時は当たり前だった作りを、現在の環境でどう遊びやすくするかも大切です。
『大集合!』には、ゲーム中の状態をすぐ保存・再開できるクイックセーブ/ロードと、直前のプレイをやり直せる巻き戻し機能が用意されています。

巻き戻しは、落下や被弾をなかったことにして先へ進むためだけの機能ではありません。敵の動きや足場のタイミングを確認し、同じ場面へすぐ挑み直す練習機能としても便利です。
一方、クイックセーブは「今日はここまで」と気軽に中断できることが最大の利点。長編RPGはもちろん、あとで同じ場面を再検証したいときにも役立ちます。
さらに、一部タイトルではゲームの進行速度を上げるターボを設定できます。

特に『外伝』2作品のようなRPGでは、移動や戦闘のテンポが大きく変わります。ゲームそのものを作り替えるのではなく、プレイヤーが必要なときだけ速度を上げられるため、会話や初めて見る場面は通常速度、繰り返しの移動や戦闘はターボ、と使い分けられるのも便利です。


操作やアイテム効果が分からなくなった時は、画面の横の操作案内カードや説明書を見てその作品の基本操作やアイテムなどの効果を確認可能。すぐに初体験の作品を楽しめる工夫です。
◆BGMと取扱説明書からも、シリーズの歴史を振り返れる

ゲーム本編以外の収録要素も充実しています。「みゅうじっく」では各作品のBGMを自由に再生できるほか、気に入った曲を登録して自分だけのプレイリストを作成可能です。

「とらのまき」には、当時の取扱説明書を収録。操作方法やルールを確認する実用品であると同時に、イラストまで含めて楽しめる資料集にもなっています。
◆思い出の一本にも、知らなかった一本にも会いに行ける大集合

『がんばれゴエモン大集合!』の魅力は、単に13作品を一本へ詰め込んだことだけではありません。
ファミコンの見下ろし型アクションから、スーパーファミコンの賑やかな協力アクション、RPGやパズル、ゲームボーイカラーの外伝的作品までを並べて遊ぶことで、シリーズが作品ごとに遊び方を変え、できることを増やしていった歴史が見えてきます。
そのうえで、巻き戻し、クイックセーブ、ターボ、連射、操作案内といった機能が、リプレイ性を高めています。シリーズを初めて遊ぶ人にも優しい設計です。
かつて遊んだ作品を懐かしむだけでなく、あの頃は入手できなかった作品を確実にで進めてみる。あるいは、便利機能を使わず昔と同じ難所へ再挑戦してみる――。そんな複数の楽しみ方を受け止めてくれる、まさに「大集合」の名にふさわしいコレクションでした。
『がんばれゴエモン大集合!』はPC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ向けに7月2日発売予定です。
※PC(Steam)はダウンロード専売です。













