Game*Sparkのライターが話題作を語る「良いところ・悪いところ」。本企画では、世間で注目を集めるゲームについて、複数のライターがそれぞれの視点から「ここが良かった」「ここは気になった」というポイントを率直に語ります。ひとりのレビューでは見えにくい、多角的な評価や意見の違いをお読みいただけます。
今回取り上げるのは、正式版アップデートによって新たなスタートを切った『パルワールド』です。新たなバイオームや多数の新種パル、システム改善など大型アップデートを経て、早期アクセス版からどのように進化したのか。正式版を遊んだライター陣が、それぞれの視点から本作の魅力と気になったポイントを語ります。
正式版で“遊び切れるゲーム”に。育成の快適化も嬉しい一方、武器更新には惜しさも(KADEN)
正式版で特に良かったのは、ストーリーがきちんと最後まで拡張され、クリアまでの導線が明確になったことです。オープンワールドに放り出されて「自由に遊んでください」と言われるだけでは遊びづらい人も多いでしょうから、ひとつの目標に向かって進める構成になったのは大きな改善だと感じました。

新登場のパルが新エリアだけでなく、既存マップにも多数追加された点も好印象です。早期アクセス開始時、桜島アップデート、天落アップデートと繰り返し序盤を遊んできた身としては、同じ場所でも新たな発見が生まれ、マンネリ感が和らいでいました。
・パッシブスキルの付けやすさ
パッシブスキルを付けやすくなったことも嬉しい変化です。以前は配合牧場で望みの特性が付くまで延々と数を増やす必要がありましたが、現在は手術台や使い切りのインプラントによって、有用な特性を手軽に付与できます。一方で、最高クラスの特性は従来どおり配合などで狙う必要があり、「唯一無二のパルを作る楽しさ」と「手早く実用的なパルを完成させる快適さ」のいいとこ取りな感じがして好きです。

気になったのは、プレイヤーが使う武器の更新がほぼ強制されてしまう点です。せっかく魅力的なモデルやモーションを備えた武器があっても、後半に登場する装備とのダメージ差が大きく、お気に入りを使い続けることが難しくなっています。限界突破のような強化システムがあれば、好きな武器のまま終盤まで戦えるのに、と惜しく感じました。
世界の密度がさらに向上!初心者にも勧めやすい正式版(文章書く彦)
自分は早期アクセスの初期に本作をちょくちょく遊んでいたのですが、その時点ですでにかなり出来上がっていて、完成度が高い印象でした。今回の1.0リリースでコンテンツも大幅に増えたということで、また最初からソロでプレイしています。
まず、序盤から今まで見かけなかった新しいパルをたくさん発見できるところが嬉しいです。また「古代の遺跡」や「観測塔」といった新要素のおかげで、探索のモチベーションがさらに湧くようになっていて、世界の密度もぐっと上がっている感じがします。もともとコンテンツ量が少なくはなかった本作の「強化版」としてかなり満足できる出来なんじゃないでしょうか。

まだ終盤までは到達していませんが、オープンワールドサバイバルクラフトの中では難易度が落ち着いていて、パルもかわいくチルいトーンなので同ジャンルの初心者向けの作品だとも感じます。『ARK』や『Rust』みたいな序盤からギリギリの緊張感の高い体験を求めるハードコアなゲーマーには少し物足りないかもしれませんが、そこは難易度設定もできますし、間口の広い作品だと思います。マルチプレイ時に「一緒に攻略する」というより「各々好きなことをする」空気になりがちなところは好みが分かれるかもしれませんが、総合して非常に楽しめるゲームとなっています。
パルのおかげで作業は爆速!いま遊ぶべき最高のサバイバルクラフト(各務都心)
サバイバルクラフトとしてサクサク楽しめ、常に何かやることがある本作。パルが手伝ってくれるおかげでとにかく爆速で作業が進み、自分は拠点の増築に勤しんだり、冒険に出かけたりすることができます。ただ木を切るだけの時間とはおさらば! びっくりするほど遊びやすく、細かい点にまで気を配っている点が素晴らしい。拠点内のすべてのストレージを参照して物を作ることができる点は、すべてのサバイバルクラフトが今すぐ真似してほしいところですね。

バトルも面白く、技相性や位置取りなどを考えながら戦わなければいけません。この手のクリーチャーコレクターで、3D戦闘をしっかりと楽しめる作品はなかなか珍しいのではないでしょうか。 可愛らしいパルを処分したり、くっつけたりするといった露悪的なブラックユーモアは人を選ぶかも知れません(直接的な映像表現はありませんが)。 とはいえ、今遊ぶべき最高のサバイバルクラフトとして、末永く王座に君臨すること間違い無しの一本でした。
1から遊び直す価値あり!(Okano)
「いろいろ変わっているから1からプレイしたほうがいい」と聞いて、新たな世界で冒険を開始しました。テキストベースの物語が追加され、これまで虚無だったボス戦もある程度の意味を持って挑めるようになりました。随所で新しいパルを見かけることができるほか、特に序盤のパルの配置は工夫されており、農業や採掘、伐採など拠点でさまざまなことをしやすいデザインに。

テクノロジーポイントで解放できるアイテムが増えていたり、マップの随所に敵勢力の秘密基地のようなものがあったり、ダンジョンの数が増えていたりと、世界の密度は明らかに高くなっているように感じます。

ただ残念なのが、要所で細かなオブジェクトの配置や諸島が追加されているものの、基本的な地形が変わっていないため、拠点を建てる場所は旧世界と同じになりがち。建築の自由度(特に土台を建てられる条件)も変わっていないように見えるので、拠点作りを大きな楽しみとしている私としてはちょっと物足りない。とはいえ、新たなエリアやインゴット、施設が追加されているため、終盤になると拠点からの景色性能もパワーアップしそうな予感はするので、物語を進めつつ楽しみます。
やること満載の冒険生活、拠点の拡張性にはもうひと工夫欲しい(タケダだいゆう)
最大の魅力は、とにかく遊びの選択肢が多く、やることが尽きない点です。パルの捕獲や育成、マップ探索、ボスとの戦闘、多彩なアイテムのクラフト、拠点の拡張と自動化など、ゲームを進めてレベルが上がるほど、新たな目的が生まれてくるのは非常に良かったですね。

気になったのは、設置した「パルボックス」を中心に形成される拠点エリアの狭さ。ゲーム後半になると大型施設が増え、パルたちも巨大で強そうな姿へ変わっていくため、どうしても拠点内が窮屈になってしまいます。また、手狭になった拠点を移転しようにも、設備の解体や資材の運搬にはかなりの手間が必要です。パルたちによる作業の自動化など、拠点作りが重要な作品だからこそ、パルボックスのアップグレードに伴って拠点範囲が広がる仕様や、引っ越しを支援する機能が欲しいと感じました。
『パルワールド』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Mac(Mac App Store)/PS5/XBOX Series X|S・XBOX One向けに配信中。Game Passにも対応しています。












