周回するほどボスが“嫌がる”平成アニメ風なデッキ構築系ヴァンサバライク『Hell Maiden(ヘル・メイデン)』プレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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周回するほどボスが“嫌がる”平成アニメ風なデッキ構築系ヴァンサバライク『Hell Maiden(ヘル・メイデン)』プレイレポ

2026年7月16日より、アーリーアクセスが開始した『Hell Maiden(ヘル・メイデン)』を早速プレイしてみました。周回するほどボス敵がダンテを嫌がります。

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周回するほどボスが“嫌がる”平成アニメ風なデッキ構築系ヴァンサバライク『Hell Maiden(ヘル・メイデン)』プレイレポ
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2026年7月16日より、『ポケットミラー~黄金の夢』、『Little Goody Two Shoes』の開発で知られるAstralShiftが、最新作『Hell Maiden(ヘル・メイデン)』の早期アクセスを開始しています

本作は、世界的な古典のひとつとしても知られる、ダンテ・アリギエーリの詩編「神曲」を原作としたアクションゲームです。これまでレトロアニメテイストのホラーアドベンチャーを作り続けてきたAstralShiftにとって、全く異なるゲームジャンルへの新たな挑戦でもあります。

今回は、早期アクセス中の『ヘル・メイデン』をさっそく遊んでみたので、プレイレポートをお届けしていきます。なお、開発インタビューも公開中ですので、気になった方はぜひ合わせてご覧ください。

周回するたびに物語が見えてくる。古典「神曲」の“その後”を解釈する切り口

まず、『ヘル・メイデン』の物語はダンテ・アリギエーリの詩編「神曲」を原作としてしていますが、主人公のダンテが記憶を失っていることから“原作を知らないと楽しめない”ということはなさそうです。

ただ、本作は登場人物の会話から断片的な情報を拾い集めてプレイヤーが整理していく構造でもあります。

ヒロインの一人ウェルギリウスの口から基本知識が語られるとはいえ、世界観の前提は下調べしておいた方が間違いなく楽しめるでしょう。少なくとも「神曲」という作品自体、著者のダンテ自身が作品の主人公として登場し、「地獄」→「煉獄」→「天国」と、3つの世界を旅するお話であることは抑えておきたいところです。

そんな本作の物語は、全3篇にわたって展開された古典「神曲」の後日談となっています

苦しい旅の末、目的地である天国へと至ったはずのダンテがなぜか記憶を失い、死者が集う地「フォルム」に流れ着くところからスタートしていきます。そこでは、かつて行動を共にしていたウェルギリウスとの再会を果たすものの、記憶喪失がゆえに人が変わってしまったと言われるダンテ。

困惑するダンテの前に、何か秘密を知っていると思われるベアトリーチェが霊体として姿を見せます。ダンテに多くは告げず、ただ「パラディーソ(天国)まで会いに来てほしい」とだけ言い残してしまいます。

自身の身にいったい何が起きたのか。そして今までフォルムに居たはずの詩人や芸術家、哲学者たちはどこへ姿を消したのか。パラディーソを目指すダンテと、仲間たちを見つけたいウェルギリウスは、今一度地獄の第1園「辺獄(リンボ)」から旅を再開するのでした。

『ヘル・メイデン』は、JRPG作品やAstralShiftの過去作のように、物語進行そのものを主体とした作風ではありません。開発インタビューでも触れられていた通り、あくまでゲームプレイに寄せたバランスであり、断片化した情報を繋ぎ合わせていく構造にもこうした意図があるかと思われます。

例えるなら、結末に向かって物語の幹がしっかり据わるのがJRPG作品やAstralShiftの過去作。一方で、パズルのピースを嵌めていくように周回プレイを通じて物語が見えてくるのが『ヘル・メイデン』といったところでしょう。

現在早期アクセス中のタイミングでは、「辺獄」「色欲」と、2つのステージが用意されています。ゲームは、制限時間内までステージを生き残り、最後に出現するボスキャラを倒せば、物語が進行していくわかりやすい流れでした。

同じステージを繰り返し挑戦すると、ボスキャラとの異なる会話パターンが楽しめるうえ,さらにダンテたちの拠点となるフォルムにおいても、キャラクター同士の会話イベントが多数発生します。プレイヤーはこうした会話イベント全般を通して、キャラクター同士の関係性を知り、物語を紐解いていくのです。もちろん、早期セスという段階なので、まだまだわからないことばかり。

プレイ中の所感としては、まず物語本編を深く楽しむというより、記憶喪失のダンテを取り囲む個性豊かなキャラクターたちとの会話劇、そしてそこから見えてくる相関関係にスポットを当てていく見せ方が、早期アクセス期間でのナラティヴな醍醐味と言えそうでした。ボスキャラも挑戦すればするほど魅力的に感じてくるのが面白い体験です。

「選ぶ」だけでは終わらないビルド構築。武器との組み合わせを練り直すデッキ構築が持ち味に

2026年現在、インディーゲーム市場には数え切れないほどのローグライク/ローグライト作品が存在します。『Vampire Survivors』のようなサバイバルアクションジャンルとの掛け合わせも、今やありふれたものであり、『ヘル・メイデン』のジャンルだけを見たら、目新しさに欠けるのは事実とするところでしょう。

しかし、ゲームプレイを続けていくなかで、本作のもっとも核と言えるメカニクスは「デッキ構築」部分だと実感できました。サバイバルアクションと近い比重で、デッキ構築の体験が強いのです。

サバイバルアクションはレベルアップで生じたパーク選びの積み重ねによって、プレイヤースキルとの相乗効果的カタルシスを作り出します。パーク同士が噛み合った結果、押し寄せる敵の大群を物ともしない境地に至るわけで、その無双感と成長過程(ビルド要素)が面白さに繋がっていると筆者は考えています。

本作はこうしたビルド要素に対して、プレイヤーが後から介入できる編集の自由度がありました

獲得したパーク(※ ゲーム内では「スペル」)の配置を並び替え、武器の性能を自由に変化させられるのです。これによって、プレイヤーが自然とデッキ構築を熟考する時間が生まれているように感じます。それでいて決して複雑ではないのも大きな特徴でしょう。1度のランで装備できる武器は最大4つ、武器にエンチャントするパークは1つにつき最大3つまでの制約が課せられていました。

パークはそれぞれ3段階までランクアップ可能。同一のパーク同士が合体することで、1段階ランクアップしていきます。言ってしまえばパークの編集とは、効果的なランクアップを続けるためにデッキ内を整理していくことでもあるのです

「武器Cの中で合体させてから、武器Aのパークをランクアップしよう」「武器Bのパークを武器Dに移植しちゃえ」「武器Aが埋まっちゃったけどイマイチなのでパークを1つ消そうか」

ランをただ生き残るだけではなく、自分のプレイスタイルらしいビルドに調整していく流れこそが、本作の「サバイバルアクション」としての強みであり面白さでしょう。

同ジャンルの他作品と比較すれば、弾幕攻撃の圧倒的インフレーション感はやや控え目に感じるかもしれません。それでも爽快感は申し分ないですし、何よりアニメーションカット付きの必殺技演出は華があります。

筆者としては、デッキ構築の過程を気軽に楽しむバランス感を考慮すれば、処理落ち上等のインフレから一歩身を引いた現状の手触りくらいがわかりやすく遊びやすいかなと感じます。しかしながら、この辺りの感覚は、そもそもサバイバルアクションゲームにどれだけの爽快感を求めているかで、個人差がありそうです。

着実に上昇していくゲームの難易度。それでも攻略の糸口はしっかり用意されている

本稿執筆にあたって第2園「色欲」はクリア済みですが、辺獄から色欲にかけての、難易度上昇幅は大きいと感じています。特にザコ敵として登場するサキュバスの誘導攻撃が厄介でしょう。避け方をひと工夫しなければ、ダンテのHPが削られていく一方です。

とはいえ、フォルムでのキャラ育成に加えて、一度でも誘導攻撃の避け方を掴んでしまえばクリアは見えてきます。デッキ構築の楽しさがわかりやすい第1ステージと比較しても、アクションゲームらしいプレイヤースキルの工夫が求められる第2ステージでした。

また、本作ではボスの体力を削り切った後、最後にボスが繰り出す“悪あがき”から生き延びなくてはクリアになりません。持てる能力をフル動員した怒涛の弾幕攻撃に耐え抜く必要があって、アクションゲームが苦手な人にはキツく感じることもありそうです

これは打開策がない全くないわけではなく、詩魂武器「カルぺ・ディエム」の必殺技「世紀祭頌歌」や、詩魂武器「愛の書」の必殺技「変神の繭」など、使用中にダンテの無敵時間が発生する必殺技を使って最後の弾幕攻撃を耐え抜くという方法もあります。その代わり、必殺技を最後までストックすることになるので、ボスバトル中は終始武器主体での削り合いになることでしょう。

『ヘル・メイデン』は難易度選択こそありませんが、現状理不尽と感じるほどのゲームバランスではありません。恒久的な成長要素も備わっていますし、ランの中で再開したウェルギリウスの仲間との出会いが、攻略の糸口になる場合もあります。遊び続けていれば、少なくとも早期アクセスで遊べる辺獄、色欲は十分に突破できます。

■ダンテの新しい旅路は始まったばかり。これから広がる古典の世界に期待大!

『ヘル・メイデン』はいわゆる“ヴァンサバライク”なアクションゲームでこそありますが、「神曲」の世界観とその後の新たな物語を少しずつ知っていく構造が、自然と周回プレイする動機付けになっています。

ボス敵も挑戦する度に「またかよ」みたいな反応を見せてくれますし、こうしたショートエピソードを回収する楽しみ方がありました。ダンテ憎しで襲い掛かるボスキャラたちは、何度ボコられても懲りないしつこさがありますが(むしろダンテたちの方がしつこい)、たとえ相容れぬ関係性だったとしてもどこか憎めない距離感。

物語の完結に至るまで、彼女たちの再登場があるのかないのかは定かではありませんが、SNS上ではファンアートもチラホラと拡散されており、ステージボスだけの存在として留めてしまうのも少々勿体無い気がしています。

ボリュームについて言えば、現時点では早期アクセスのため、人によっては物足りなさを感じてしまうかもしれません。逆説的には、忙しいゲーマーでも時間に都合をつけて、手早くエキサイトし切れるタイミングだと言えます。

なお、2026年内には第3園「貪食」が実装予定となっており、新たな詩人や武器、スペル、ボス敵が登場します。ダンテたちの旅路はまだ始まったばかりですが、AstralShiftの新しいチャレンジに期待を寄せつつ、今後のアップデートを見守りたい限りです。

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ライター:そりす,編集:みお

ライター/ そりす

東京都福生市生まれのゲームライター。そしてお酒と革靴が好物でソロキャンプが趣味のミニマリスト気質おじさん。サ終ゲームのヒロインをAIで復活させてニヤニヤしたり、国語辞典を持ち歩いて山中フラフラしたりしています。ULキャンプに傾倒しているためSNSは大体キャンプの話題が多め。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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