
全世界の3億人のレーシングファンの皆さん、車を走らせていますでしょうか。いよいよ夏本番ということで暑さも厳しくなってきましたが、そんな時こそレースゲームで爽快に気分転換したくなりますよね。それに、夏休みや旅行の最中にゲームを遊べるのなら、なお気持ちよく過ごせそうだと筆者は思うわけです。
そんな筆者の願望を叶えてくれるのが、今回紹介するニンテンドースイッチ版『Assoluto Racing』です。
本作はもともとモバイル向けに展開されているレーシングシムで、累計ダウンロード数はなんと3,500万以上、サービスは2026年で10年目となります。そんな記念すべきタイミングで、モバイルレーシングシムとして初めて完全なクロスセーブ・クロスプレイに対応し、ニンテンドースイッチにて移植されることになりました。
というわけで、今回はそんなニンテンドースイッチ版『Assoluto Racing』のプレイレポートをお届けします。そこには、古き良きレーシングゲームの血が流れていました。
実車150台以上、富士もニュルも
まず車好きとして触れないわけにはいかないのが、ライセンスの豪華さです。本作にはポルシェ、トヨタ、BMW、日産など、日本国内外合わせて20以上の自動車ブランドが正式ライセンスで参戦しており、車両は150台以上収録されています。インディースタジオの規模でこのラインナップを揃えたことに、まず敬意を表したいところです。

サーキットも30以上収録されており、その中には富士スピードウェイ、筑波サーキット、そして「緑の地獄」ことニュルブルクリンク北コースまで含まれています。現代のリアル系レーシングゲームでは当たり前にあるコースですが、モバイル向けタイトルで日本のサーキットを実名で走れるゲームは貴重ですし、筑波を愛車で攻められるというだけで筆者のようなサーキット好きにはたまりません。
遊び方は、CPUや他プレイヤーとのオンライン対戦はもちろん、1人で黙々とコースを走り込み、タイムを削ってコースを攻略していくソロプレイも充実しています。むしろ本作の真髄は、この「1人でコースと向き合う時間」にあると感じました。
ブレーキングポイントは自分で見つけろ

本作には、最近のレースゲームでは当たり前になったコースガイダンスが一切ありません。
走行ラインの表示も、「ここでブレーキ」というマーカーもなし。つまり、各コーナーのブレーキングポイントもクリッピングポイントも、全て自分の目と経験で見極める必要があるのです。

初見のコーナーで突っ込みすぎてコースアウトし、次の周は手前から丁寧にブレーキを合わせて、少しずつ限界を探っていく。この試行錯誤はシビアですが、実際のサーキット走行の上達プロセスそのものでもあります。「あのコーナー、もう少し奥まで我慢できるな」と自分の中の攻略が組み上がっていく感覚は、ガイド付きのゲームでは絶対に味わえません。
また操作面で一つ、車好きの皆さんに強くお伝えしたいのがアクセルワークです。本作のアクセル・ブレーキはRボタンでも右スティックでも操作できますが、Rボタンだと入力が“全開か、0か”のオンオフのみ。
細かなアクセル・ブレーキワークをしたいなら、断然右スティック操作がおすすめです。コーナー立ち上がりでじわっとアクセルを開けていく、あの繊細な操作ができるかどうかでタイムも楽しさも大きく変わるので、ぜひ最初から設定してみてください。
ペースノートが表示されるラリー、スピードで競うドリフト

そして、サーキットだけではありません。本作には、非舗装路を走るラリーコースも収録されています。
しかも驚いたのが、コースナビとして本物のラリーと同様に、ペースノートの指示が表示されること。「次は右の中速コーナー、その先すぐ左」といった情報を頼りに、見えない先のコーナーへ車を投げ込んでいく緊張感は、まさにラリーそのものです。
サーキットでは自分の目でコースを覚え、ラリーではノートを信じて走る。この対比がまた面白いのです。

さらに、ドリフトモードも搭載。こちらはどれだけ高速でドリフトを決めたかでポイントが加算され、制限時間内にどれだけ稼げるかを競うルールです。
ただ流すだけでなく“速く流す”ことが求められるので、アクセルコントロールの腕前がモロに出ます。右スティック操作におけるアクセルコントロールの練習台としても最適でしょう。
走行中いつでも愛車を激写。車好きに嬉しいフォトモード
そして車好きとして見逃せないのが、撮影機能です。シングルモードでは、走っている最中いつでもポーズをかけて撮影モードに切り替え、愛車を撮影できます。

コーナーを攻めている瞬間、ラリーコースで砂埃を巻き上げた瞬間、ドリフト中のカウンターを当てた瞬間……。「今だ!」と思ったその一瞬を止めて、好きなアングルからじっくり切り取れるのです。
苦労して手に入れた愛車をドレスアップし、富士やニュルを背景に写真へ収める。走る楽しさとはまた別の“愛車を愛でる楽しさ”がしっかり用意されているのは、車好きのツボを分かっている作りだと感じました。
挫折しそうなら「ドライビングスクール」へ
ここまで読んで、「ガイドなしはハードルが高そう……」と感じた方もご安心を。本作にはドライビングスクールモードが用意されており、ブレーキング、コーナリングといった車の走らせ方の基本を段階的に学べます。

イメージとしては『グランツーリスモ』シリーズのライセンス試験と同様のもので、課題を一つずつクリアしていくうちに、自然とガイドなしでコースを走れる基礎が身に付く内容です。初心者には確かに難しい面のあるゲームですが、逃げ道ではなく登り道がちゃんと用意されているのは好印象でした。
車の入手はクレジット&コイン

車両の入手方法についても触れておきましょう。車は走って稼ぐゲーム内通貨のクレジットか、課金要素であるコインで購入します。モバイル発タイトルらしく、コインではガチャを回すことも可能で、限定車両や高グレードの車、ドレスアップパーツなどが獲得できます。
このあたりはソーシャルゲームの文脈を引き継いだ部分なので、好みは分かれるでしょうが、課金しなければ遊べないという作りではなく、走り込んでクレジットを貯めて狙った車を買う、という王道の楽しみ方が主軸です。むしろ、「次はあの車を買うために走る」というモチベーションになっていくと思います。

ガイドに頼らず、自分の目でブレーキングポイントを見極め、右スティックでミリ単位のアクセルワークを刻む。
『Assoluto Racing』は、便利さと引き換えに最近のレースゲームが手放してしまった「自分の腕で速くなる歓び」を改めて実感させてくれる、古き良きレースゲームの血が流れていると筆者は感じました。スマホでコースを覚えて、スイッチで本格的に走り込むなんてことはクロスセーブ対応の本作でしかできないことなので、いつでもどこでも走りたいレーサーにはオススメの作品です。
『Assoluto Racing』のニンテンドースイッチ版は、定価2,200円(税込)にて配信中。8月14日までは1,680円(税込)でセール中です。













