NetEase GamesとStarry Studioが手がける、怪異に満ちた世界を舞台としたオープンワールドサバイバルゲーム『Once Human』。2024年のPC版リリース後、モバイルへ展開し、2026年8月にはPS5/XBOX Series X|S版も登場。現在はPC、モバイル、コンソールをまたいだクロスプレイ/クロスプログレッションに対応しています。
そして10月には、サービス開始以来最大規模となる海洋大型アップデート「Isles of Abyss(オーシャン編 大型アップデート:禁断の島)」が控えています。舞台は島々だけでなく、海上、そして深海へ。しかも今回の海は、単なる新マップではないとのこと。
Game*Sparkでは『Once Human』オペレーション責任者のDerek Qiu氏にインタビューを実施。本作が掲げる「モンスター中心」の設計思想、海そのものを“生きた存在”として作る狙い、コンソール版で重視したこと、そして長期運営の先に目指す『Once Human』の姿について伺いました。
海そのものをモンスターに――最大規模の海洋アップデート「禁断の島」

インタビューに先立ち、Derek氏から10月配信予定の「Isles of Abyss」について説明を受けました。
これまで『Once Human』では、脚の生えたバスやスーツケースを思わせる異形など、身近なものを歪めたモンスターが登場してきました。しかし今回の海洋アップデートでは、その考え方をさらに押し広げ、「海そのもの」を巨大なひとつの生命体として捉えているといいます。
海では天候や周囲の環境そのものがプレイヤーを脅かし、幽霊船や奇妙な灯台なども登場。島を探索して資源を集め、それを使って船を建造・強化し、再び海へ出るという新たなサバイバルループが用意されています。
船のカスタマイズにも明確なトレードオフがあります。武器や装甲を増やせば戦闘では有利になる一方、重量が増して速度が落ちれば、突然の嵐から逃げ切れないかもしれません。Derek氏は「完璧な船があるわけではない」と説明し、その環境に適応するための選択そのものをゲームプレイにしたいと語っていました。
「日常の中の異質さ」が『Once Human』らしさ
――現在の『Once Human』を、どのようなゲームだと考えていますか。他のサバイバルゲームとは異なる、本作ならではの特徴について教えてください。
Derek Qiu氏(以下、Derek):『Once Human』で特に重要なのは、私たちが「モンスター中心(Monster-driven)」と呼んでいる設計思想です。
探索、戦闘、クラフトといったサバイバルゲームを構成するさまざまな要素が、モンスターによってつながっています。モンスターは単なる敵ではなく、集めることで拠点での作業を手伝わせたり、一緒に戦わせたり、その力を利用して特殊な環境を生き延びたりすることもできます。
また、モンスターをデザインするときには「Strange Within the Familiar(日常の中の異質さ)」という考え方も大切にしています。
たとえば脚の生えたバスや、スーツケースを思わせる異形など、プレイヤーが日常で知っているものをベースにしながら、それを奇妙な存在へ変化させています。「身近なものなのに、何かがおかしい」という感覚が、『Once Human』の世界を形作る大きな特徴です。

――今回、海を本格的な舞台に選んだ理由を教えてください。
Derek:実は海については、ゲームを最初に開発していた段階から構想していました。サービス開始時のマップを見てもらえば分かると思いますが、当初から世界の端には海が存在しています。
ただ、そこを本格的なプレイエリアにするには十分な時間をかけて磨き上げる必要がありました。今回ようやく、陸地だけだった“奇妙な世界”を海へ広げられるタイミングが来たと考えています。
これまで一体のモンスターとして表現してきた「異常」を、今回は海全体へと拡張しました。海そのものが巨大な生きた存在になり、環境そのものがプレイヤーへ影響を与えます。私たちの「モンスター中心」という考え方を、さらに次の段階へ進めたものです。
コンソール版は「大きな節目」―4K/60FPSや120FPS、第一人称視点にも対応
――PS5/XBOX Series X|S版も登場しました。コンソール展開には、どのような狙いがありますか。
Derek:コンソール版は『Once Human』にとって非常に大きな節目だと考えています。PC、モバイル、コンソールへと展開することで、プレイヤーのコミュニティをさらに広げることができます。
ただPC版をそのまま移植するのではなく、コンソールで自然に遊べる体験を作ることも重視しました。大画面でモンスターを体験してもらうため、クオリティモードでは4K/60FPS、パフォーマンスモードでは120FPSに対応しています。
また、三人称視点と一人称視点をいつでも切り替えられるようにしました。一人称視点を好むコンソールプレイヤーには、大画面でより没入感の高い体験を楽しんでもらえると思います。
コントローラーについても各プラットフォームに合わせて最適化しています。PlayStationの機能を活用したトリガーフィードバックなども含め、コンソールで自然に操作できることを目指しました。
さらにPvPについては、希望するプレイヤーがコンソール同士の環境を選べる仕組みも用意しています。より公平な条件で戦いたい人にも選択肢を提供したいと考えています。
「完成したゲーム」ではないからこそ、コミュニティの声を聞き続ける
――PC版やモバイル版のリリース後、実際のプレイヤーからさまざまな反応があったと思います。これまで特にうまくいった部分と、今後改善していきたい部分を教えてください。
Derek:うまくできていると思うことのひとつは、コミュニティの声を聞くことです。私たちはプレイヤーから寄せられるフィードバックをとても大切にしています。
たとえばコンソール版ではクローズドβテストとオープンβテストを実施し、そこで多くの意見をいただきました。コントローラーのカスタマイズ機能も、コミュニティからの要望を受けて作ったものです。実装後にも良い反応をもらうことができました。
一方で、改善しなければならないことは常にあります。『Once Human』は基本プレイ無料で、継続的に新しいコンテンツを追加していくゲームです。買い切り型のゲームとは少し性質が異なり、常にすべてが完璧というわけではありません。
だからこそ謙虚であり続け、プレイヤーの声を聞きながら「次に何を改善できるのか」を考え続ける必要があると思っています。

何年続いても「モンスター中心」という思想は失わない
――長期運営によって世界が広がっていく中で、「これだけは『Once Human』から絶対に失いたくない」と考えているものはありますか。
Derek:やはり「モンスター中心」という思想です。
これは今あるコンテンツだけのためのものではなく、今後『Once Human』を作り続けていくうえでも一貫して守っていきたい考え方です。
海洋アップデートもそのひとつで、陸上で表現してきたモンスター中心の世界を海へと広げています。シーズンコンテンツでも、世界のルールそのものを変化させたり、モンスターの力を利用して生存方法を変えたりと、さまざまな形でこの思想を表現しています。
今後どれだけコンテンツが増えても、この哲学は『Once Human』の中心にあり続けます。
目指すのは「プレイヤーと一緒に成長し続ける世界」
――最後に、数年後の『Once Human』を、プレイヤーからどのようなゲームとして語られていてほしいですか。
Derek:プレイヤーから「成長し続ける世界」だと思ってもらえたら嬉しいですね。
私たちは常にプレイヤーの意見を聞き、良い提案についてはゲームへ取り入れていきます。海洋アップデートのような新しい拡張もそうですし、恒久的なサーバーについても、当初は存在していませんでしたが、プレイヤーからの要望を受けて実現しました。
私たちが『Once Human』を運営し続ける限り、プレイヤーからのフィードバックを優先する姿勢は変わりません。
この世界を作っているのは開発チームだけではありません。コミュニティもまた、『Once Human』の方向性を決める重要な一員です。プレイヤーと一緒に作り続けていく世界。それが私たちの目指している『Once Human』です。
『Once Human』は、PC/iOS/Android/PS5/XBOX Series X|S向けに基本プレイ無料で配信中です。










