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Game*Sparkレビュー:『Nintendo Switch Sports Resort』―充実の一人プレイと、なぜか謙虚すぎる上質なオープンワールド

プロモーション的にもシステム的にも、もっとこのフィールドを推してほしい

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Game*Sparkレビュー:『Nintendo Switch Sports Resort』―充実の一人プレイと、なぜか謙虚すぎる上質なオープンワールド
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Wiiの時代、任天堂は「アイランド構想」という試みを行っていました。一つの舞台をキャラクターのように作り込み、さまざまなタイトルに登場させる。その舞台となったのが「ウーフーアイランド」です。シンボリックなデンガ・ナマンガ火山がそびえ立つリゾート地であるこの島が、最初にこの名前で登場したのは『Wii Sports Resort』でした。

『Wii Sports』シリーズの久々の復活となったニンテンドースイッチ向けソフト『Nintendo Switch Sports』の続編となるニンテンドースイッチ2専用ソフト『Nintendo Switch Sports Resort』は、その名前から連想されるとおり、久々にこのウーフーアイランドが舞台となっています。

これまでで最も作り込まれた新たなウーフーアイランドで、さまざまなスポーツを楽しみながら、陸・海・空を駆けめぐる。新たな『Sports』シリーズ最新作のレビューをお届けします。

ミニマルで密度の高いオープンワールド

本作の目玉要素は、『Wii Sports Resort』と同様に、舞台がまるごと一つの島になっていること。本作に収録されている「テニス」、「ボウリング」、「アーチェリー」、「ボクシング」、「バレーボール」、「ピンポン」、「バスケットボール」、「ゴルフ」、「ゆび相撲」、「プロペラ飛行機」、「スケートボード」、「マリンバイク」の全12種類のスポーツは、すべて舞台となる「ウーフーアイランド」の中の設備で行われています。

単にそういう設定というだけでなく、その島の上空を実際に「遊覧飛行」という形で自由に探索できたのも『Wii Sports Resort』の楽しい要素でした。

『Nintendo Switch Sports Resort』では、この「遊覧飛行」は「島の名所めぐり」という名前に変わっています。島の各地に点在する「スポッコフォト」と呼ばれるスポットに、制限時間内になるべく多く触れるのが目的のモードです。

島の名所めぐりでは、『Wii Sports Resort』にもあった「プロペラ飛行機」だけでなく、「スケートボード」と「マリンバイク」も遊べるようになりました。つまるところ、今回のウーフーアイランドは陸、海、空のすべてで自由な探索が可能になっているということです。

そのため本作は、プロペラ飛行機で俯瞰してみた時だけでなく、スケートボードやマリンバイクという等身大の人間の視点からでも遜色のないように、細やかなディテールで島のビジュアルが作り込まれています。

中でも、シリーズ初登場の種目であるスケートボードは、ニンテンドースイッチ2のマウス操作が生かされた遊びになっています。Joy-Con 2をマウス持ちしながら、手前にスライドするとボードを蹴り、Joy-Con 2を傾けると旋回、持ち上げるとジャンプと、操作は非常に直感的です。

全体として心地よいサウンドデザインになっている本作のなかでも、スケートボードが走る「カラカラカラ」という音は、しっかりと握りしめたJoy-Con 2からのHD振動と相まって特に気持ちよく、スイスイと島を駆ける体験に癒しを与えてくれます。

「島の名所めぐり」で集めることになるスポット自体もプロペラ飛行機で約100個、スケートボードで約80個、マリンバイクで約60個とかなりの数です。スポッコフォト以外にも、島の中には、地域別に置かれた風船を割ってまわる「白風船割り」、難度の高い場所や隠された場所に置かれたハイビスカスを入手する「ハイビスカス探し」など、「ミッション」と呼ばれるチャレンジが各地に点在しています。

スポッコフォトは、『Wii Sports Resort』の「iマーク」と同様に、それぞれのスポットに対するテキストでの解説がついており、島での人々の生活を感じられます。同じスポットであってもプロペラ飛行機、スケートボード、マリンバイク、さらに「昼」、「夕」、「夜」の時間帯で別々のテキストが用意されており、その場所に対する小ネタが披露されることもあります。

そのうえで、スポッコフォトの中には時間帯で配置が変わっているものもあるなど、完全コンプリートを目指すなら、島の名所めぐりはかなりのやりこみ量です。

比較的小さなフィールドであるウーフーアイランドの中にこれらが高密度に詰め込まれており、それらのスポット同士もしっかりとコインなどで導線が敷かれているため、単純にオープンワールドにおける探索の体験としてとても充実しています。

一方で、こうして細部まで作り込まれたオープンワールドを堪能するほどに、このフィールドがあくまで「島の名所めぐり」という独立したモードの中でしか楽しめないことにもったいなさを感じてしまいます。

島の名所めぐりでは、さまざまなスポーツの開催地になっている場所にも訪れることができます。森の中で行われているバレーボール、浜辺の大型施設で行われているボクシングなど、島全体がスポーツを楽しめるリゾート地として生きているのです。

しかし、せっかく実際に島の中にスポーツの施設が点在していても、その作り込みはあくまで島の名所めぐりにおける小ネタでしかありません。

オープンワールドそれ自体をゲームの主役にして、各スポーツを実際に施設に赴いてできるようにしたり、フィールドそれ自体をオンラインのロビーとして扱ったりといったことができるほどに作り込まれたフィールドであるにも関わらず、そういったリゾート地でのロールプレイができるようなワクワクする要素はなぜか排除されています。

もちろん、そうしていないからこそ、メインメニューからすぐに各スポーツやメニューにアクセスできる『Wii Sports』シリーズらしいテンポの良さが実現できている部分もあります。しかし、それはオープンワールドを主体にしたとしても両立可能な部分であり、いずれにしても、これだけのフィールドがあくまで1モードのためにしかないというのは悪い意味で贅沢すぎるように思えます。

充実した一人プレイが楽しめるサイクルとコンテンツ

『Sports』シリーズは、WiiリモコンやJoy-Con 2に内蔵されたジャイロセンサーや加速度センサーを活用した体感操作が特徴です。それぞれのスポーツを模した操作が楽しめるだけでなく、しっかりと対戦としての駆け引きも担保されています。

本作に収録されている12種類のスポーツの中では、上述した「スケートボード」と、「ゆび相撲」の2種類がシリーズ初登場となる種目です。ゆび相撲をスポーツと呼んでしまっていいのかというツッコミはさておき、その駆け引き自体にはかなり熱いものがあります。

ゆび相撲は、相手の指を一定時間押さえれば勝利というシンプルなルールです。そのうえで、「指を一定時間倒していると指が大きくなる」、「大きい指で小さい指を押さえるとノックアウトしやすい」というシステムが用意されており、指を大きくするために押さえられるリスクを取るか、指が小さいままというリスクを取って相手の指をいつでも押さえにいけるようにするかという駆け引きが生まれています。なにより、Joy-Con 2を傾けてボタンを押すだけの簡単な操作なので、誰とでもパーティゲーム的に楽しめるのが嬉しい部分です。

『Nintendo Switch Sports』(2022)

前作『Nintendo Switch Sports』の最大の弱点は、一人プレイ要素の大幅な不足でした。コンテンツとサイクルの多くはオンライン対戦で楽しむことを前提としており、その分ランクマッチ周りのシステムに力が入っています。

前作で誕生した、Miiに代わる新たなアバターキャラクターである「スポーツメイツ」についても、その豊富な着せ替えの入手手段は基本的にオンライン対戦のみ。自慢のアバターでオンライン対戦に潜って、また新たな衣装を入手するサイクルになっていました。

本作は、上述した「島の名所めぐり」における探索要素にくわえて、強力なCPUとの戦いに挑む「島ランキング」が追加されるなど、一人プレイでも楽しめる要素が充実しています。

「島ランキング」は、対戦をメインとする9種目のスポーツで、次第に強くなっていくCPUとの戦いに臨む要素です。20位からスタートし、一つ上の順位のCPUを倒しながらランクアップしていくことで、最後に1位の島チャンピオンに挑むことができます。

意外なのは、島チャンピオンのそれぞれが個性あるキャラクターとして描かれていること。ランクアップの過程で、そのスポーツのコツを教えてくれるなど、いろいろと喋ってくれます。

登場する時のポーズも全員異なるものが用意されているなど、キャラごとの個性付けがしっかりと用意されているのは嬉しい部分。二人一組の島チャンピオンはキャラ同士の掛け合いもあるのでカップリングも捗るかも……?

島チャンピオンに挑むまでの過程で出てくるCPUも、単に立ち回りの幅や反応速度が強くなっていくだけではありません。たとえば、ピンポンでひたすら「カット」のショットを撃ってくる敵など、立ち回りに個性のあるCPUも出てくるため、時には柔軟な対処が求められます。

島チャンピオン自体もちゃんと強力で、そのスポーツの立ち回りをしっかりと理解していなければ勝つことはできません。そのうえで、島チャンピオンを倒した後にもさらなる強敵「レジェンド」に挑めるなど、しっかりと歯ごたえのあるコンテンツになっていました。

島チャンピオンでの戦いや、上述した島の名所めぐりなど、シングルプレイでのさまざまな遊びを進めていると、「スポッコポイント」という通貨が手に入ります。本作ではこれを使ってスポーツメイツたちの衣装が交換できるようになっており、遊びから報酬までのサイクルがオフラインだけで完結するようになりました。

一方で、これらのスポーツメイツの衣装には前作に登場したものも多く、入手可能な衣装もユーザーごとにランダムなため、人によっては新しい衣装が手に入りにくいかもしれません。とはいえ、前作の時点で魅力的な衣装は多いため、本作からはじめた人にとっては豊富な衣装を楽しめるという部分もあります。

また、手に入る衣装プールは週と月で切り替わるようになっていますが、その週と月の衣装をコンプリートしてしまうとスポッコポイントの使い道がなくなってしまい、溜まる一方になってしまいます。

そうなると、週と月が更新されたタイミングでは溜まったポイントをコンプリートまで消費するだけになってしまい、報酬のサイクルが綺麗に回っているとは言えない状況になります。

衣装と同様に、収録されているスポーツについても前作や過去作にあったものが多く、新規のスポーツは少なめ。新要素は上述したオープンワールド部分が大半を占めており、前作をやり込んでいたプレイヤーほど新鮮味に欠ける部分も目立ちます。

前作と同様に、もし本作にもアップデートでのスポーツ追加があるのであれば、新たな対戦用のスポーツにくわえて、オープンワールドのフィールドをより活用できる「ジョギング」や、「サイクリング」、「カヌー」などのレジャースポーツが追加されると本作の魅力がより際立つのではないでしょうか。


『Nintendo Switch Sports Resort』の最大の目玉は、『Wii Sports Resort』の「遊覧飛行」の大幅進化といえる「島の名所めぐり」です。プロペラ飛行機で飛ぶ空だけでなく、スケートボードで駆ける陸、マリンバイクで進む海と、3つのレイヤーで、より進化したディテールのウーフーアイランドを隅々まで探索できます。

オンラインプレイ一辺倒だった前作『Nintendo Switch Sports』とくらべてシングルプレイもより充実。上述の島の名所めぐりにくわえて、「島ランキング」モードによって一人でも存分に各スポーツをやり込めるようになりました。

一方で、新規スポーツや衣装などの少なさのために、前作をやり込んでいたプレイヤーほど新鮮味に欠ける体験になってしまっている部分もあります。作り込まれたオープンワールドもあくまで1モードの扱いに留まっているために、ゲーム全体としては前作プラスアルファな内容に終始している印象。最新作としてユーザーに新しい体験を届けるならば、もう一歩踏み込んでもよかったのではないかと思えます。

Game*Spark レビュー 『Nintendo Switch Sports Resort』 ニンテンドースイッチ2 2026年10月22日

ミニマル高密度なオープンワールドが楽しい、一人でも存分に遊べる『Sports』最新作

GOOD

  • ミニマルかつ高密度に作り込まれたオープンワールド
  • 島の各所にある「スポッコフォト」のテキストが楽しい
  • 一人プレイでも十二分に楽しめるようになったサイクル
  • 島チャンピオンみんな可愛すぎ

BAD

  • せっかくの良質なフィールドの活躍の場が少ない
  • 新規スポーツ、システム、衣装などが少なく、最新作としての新鮮味は薄い


Nintendo Switch Sports Resort|オンラインコード版
¥5,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《ライター:お茶缶,編集:みお》

ライター/ミンナニ ナイショダヨ お茶缶

任天堂タイトル中心に、けど色々手を出すゲーム好きな人。ベストゲームは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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