今回のE3 2014では、Oculus RiftやProject MorpheusといったVRを体験できるHMDが揃って展示されています。盛り上がりを見せるVRブームですが、さらにポーランドから新たなデバイスが登場しました。
Cmoar Personal Viewerと呼ばれるこのマシンは、今年のE3で開発機が初披露。今月にはKickstarterによるクラウドファンディングも開始する予定で、2015年の1月にはプロトタイプが出荷されるようです。今回はその開発機のハンズオンが体験できたので報告したいと思います。
Oculus RiftやProject Morpheusと比較すると、本機の一番の特徴は、スマートフォンを利用したワイヤレスで使用可能なHMDという点です。その方法はというと、極めて原始的かつ直感的。HMDの拡大鏡の奥にスマートフォンを貼り付けるように取り付け、そのディスプレイをそのまま利用するという発想です。
さらに出力の方法やレンズを交換することで様々なタイプの映像を楽しむことができます。会場では2D Chinema Screen、3D Chinema Screen、Virtual Reality、Augumented Realityの4つのタイプを試すことができました。
2D Chinema Screenと3D Chinema Screenはそれぞれ2Dと3Dの映像を楽しむモード。動画出力と拡大鏡のレンズのタイプを変えることで、2Dと3Dを切り替えることが可能であり、これまた非常に単純な仕組みになっています。さらにVirtual Realityでは、スマートフォンのモーションセンサーを利用してヘッドトラッキングを実現。3D用の動画出力とレンズを取り付けることで、Oculus Riftと同様の3Dの映像を楽しむことができましたAugumented Realityはスマートフォンのカメラを利用することで現実の世界を利用した映像が楽しめます。
全体としてはスマートフォンの映像、センサー、カメラを利用して、「ありあわせのものでVR機を作るとこうなる」といった印象を受けました。確かに映像のクオリティとしては一定水準を満たしているようでしたが、Oculus RiftやProject Morpheusといった本格的なVR機の登場の中で本機はどんな意義があるのでしょうか?Cmoar社のAgnieszka Szostak氏に率直にうかがった、上述の4つのモードをすべて実装できること、さらに他のVR機よりも安価に生産できこと、そして頻繁なアップデートが可能なことが本機のメリットとして返ってきました。
確かにディスプレイを内蔵していない分、普通のHMDより安価に生産できますが、ユーザー側が別途でスマートフォンを用意する必要があります。しかしながら、頻繁なアップデートという点は、確かにメリットと受け取れました。というのは、取り付けるスマートフォンによって解像度などが変化するため、結果として通常のVR機よりも速いサイクルのアップデートも可能となるのです。CmoarではAndroidやiOS向けのソフトウェアも開発し、本機を新しいスマートフォンに対応していくようです。
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