このパネルセッションに登壇したのは、WizcorpのGuillaume Hansali氏とInflexion Point CapitalのKevin Lim氏。そしてサイバーエージェントが運営するクラウドファンディング「Makuake」代表の中山亮太郎氏と、Skyland Ventures代表パートナー木下慶彦に加え、ゲームビジネスの司法面におけるスペシャリストRaymond Psonak弁護士の5名です。
インディーゲーム開発そのものではなく、開発・リリース面におけるサポートを担う投資家達は、「インディーゲームに投資する際の判断基準」について語ります。彼らにとって開発者への投資は「結婚と同じようなもの」であるのだとか。また、投資家は決してゲーム開発の専門家ではなく、あくまでも資金面でのサポートを軸としている為、開発経験ではなくデベロッパーとしての姿勢やキャッシュフロー、KPI(重要業績評価指標)を参考に判断する場合もあるようです。もちろん「ゲームそのもの」を見て検討するケースもあるとのことです。
彼らが語るところによれば、日本国内における「ソーシャルゲーム」の展開は、新興デベロッパーには特にハードルが高いものであるとのこと。『パズル&ドラゴンズ』や『白猫プロジェクト』と言った大規模ソーシャルゲームのような成功を収めるには億単位の資本が必要となり、デベロッパー/投資家においてもそのスタートアップは難しい模様です。ミラクルポジティブ開発の『Airship Q』や、Skyland Venturesが資金を提供したトランスリミット開発『BrainWars』など、ゲームが持つ要素の「目新しさ」は、始動の為の重要なポイントであると語られていました。
投資家の視点として、「投資のかたち」についても言及。プロトタイプの提示やマイルストーンの確認も怠らず、段階的な資金提供を心掛けながら、慎重なサポートが必要になるとも伝えられていました。投資家から資金を受け取った開発者についても、その時点である種の「ビジネスマン」のような存在になるとのこと。契約相手に対して責任を持って仕事するという姿勢も求められると、彼らは語りました。
国内・海外のインディーゲームデベロッパーが傍聴したこのパネルセッション。実際にリリースされたゲームを購入して楽しむユーザー目線では、一見とっつきにくい内容に感じられるかもしれません。しかし、現代のクラウドファンディング文化やインディーゲーム開発支援において、重要なファクターと成り得る濃厚な内容となっていました。
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