京都 みやこめっせで幕を開けた、国内インディーゲームイベント「BitSummit 2015 Return of the Indies」。開会式後のスポンサーセッションで、Valveが日本のインディーゲームデベロッパーに向けて、Steamのプレゼンテーションを実施。同社が日本のゲームイベントに参加するのは大変めずらしく、たくさんの来場者が話に聞き入っていました。
まずはビジネスデベロップメント担当のRicky Uy氏より、『Half-Life 2』や『Counter-Strike』からはじまる、Steamの10年以上にわたる歴史と道のりが説明。現在のアクティブユーザー数は1億2,500万人、同時接続は1,000万人を記録。登録タイトル数は5,700にもおよび、その56%がインディーデベロッパーの手がけた作品だというのは驚きです。
次に、Steamストアの各種機能にはじまり、「ワークショップ」「自動アップデード」「Steamタグ」といった特徴が日本語の資料で順番に解説されました。BitSummitに参加するデベロッパーならおそらくSteamを知らない人はいないでしょうが、「早期アクセス」や「Steam Greenlight」は、自分の作ったゲームをリリースしていく上で知っておくべき重要な存在。
Uy氏は、「Steamはゲーマーのためのもの」であると述べ、ユーザーの使いやすいように最適化され、高いカスタマイズ性を持ったストアとコミュニティー、そして認証を必要としないでゲームをアップデートできるなどデベロッパーの利便性を同時に強調していました。
Valveでビジネスデベロップメントとリリースマネージャーを担当するAugusta Butlin氏からは、Steamの日本向けの取り組みやデータが示されました。Steamでは2014年8月より日本円決済に対応しており、コンビニ決済、WebMoney、ペイジーといった複数の支払い方法が追加。それにより収益が86%も増加し、日本のSteamユーザーからの購入額は、世界上位10カ国に入るのだとか。
SteamのUIを日本語にローカライズしているのはもちろん、SteamWorksやSteam Greenlightといった独特のシステムのドキュメンテーションも丁寧に日本語化、日本語によるカスタマーサポートにも対応したそう。
Valveの統計によると、Steamの人気上位100タイトルのうち日本産タイトルが10%を占め、高い人気と売上をほこっているとのことです。日本のデベロッパーにはうれしい情報ではないでしょうか。
Augusta氏は、Steamが今後進んでいく展開や設計として、リビングで家庭用機のようにPCゲームを遊ぶための「Big Picture Mode」や「Steamマシン」「Steam Link」の概要もプレゼン。初のハードウェアパートナーであるHTCと共同開発しているVRデバイスの取り組みにも触れ、デベロッパーのサポート体制や、「付き添いシステム」をはじめ消費者の利用を想定した具体的な機能面の紹介を行いました。
Valveはプレゼンの最後、「Steamの再定義」を提言しました。Steamという言葉が意味するものはひとつではなく、それを決めるのはデベロッパーあるいはゲーマーであり、一緒にSteamの形を作っていこうというメッセージです。
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