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“BlizzCon 2017"にて『オーバーウォッチ』開発者インタビュー!新マップや新キャラクターについて訊いた

今回は、現地時間の11月4、5日に行われた「BlizzCon 2017」会場にて、『オーバーウォッチ』のデザイナーScott Mercer氏(以下、Scott氏)に合同インタビューを実施。新マップ「BLIZZARD WORLD」や新ヒーロー「モイラ」について話を伺いました。

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今回は、現地時間の11月4、5日に行われた「BlizzCon 2017」会場にて、『オーバーウォッチ』のデザイナーScott Mercer氏(以下、Scott氏)に合同インタビューを実施。新マップ「BLIZZARD WORLD」や新ヒーロー「モイラ」について話を伺いました。



――新マップ「BLIZZARD WORLD」について教えてください。

Scott氏:アサルトとエスコートのハイブリッドマップです。アサルトは遊園地の入口から入り『Warcraft』、『StarCraft』のエリアがあり、最終的なゴールポイントは『Diablo』のエリアで、雰囲気を反映した不気味なものとなっています。『オーバーウォッチ』の開発スタッフもBlizzardのほかのゲームをプレイしているので、そうした素晴らしいゲームを本作に持ってくることができてうれしいです。

テーマパーク自体もとても好きなので、デザインするのは楽しかったです。ギフトショップがあったり、背景にローラーコースターが走っていたり、ゲーム内で風船を撃つと空に上ったりといったテーマパークらしい演出を盛り込んでいますよ。


――Blizzardの世界をマップにするというアイディアは、以前からあったのでしょうか?

Scott氏:冗談というレベルではだいぶ前から話は出ていましたが、『オーバーウォッチ』は新規IPなのでまずはどういう世界観であるべきなのかを明確にしなければならず、他のIPを入れるタイミングがありませんでした。毎回マップを新しく作るたびに開発チームのなかでブレインストーミングをして、今回ついに「BLIZZARD WORLD」が出てきて、いまならいけるとなり実現しました。「BlizzCon」の会場ではプレイアブル出展がされており、正式実装は2018年を予定しています。

――新しいヒーロー「モイラ」について、どのようなプレイスタイルを目指していますか?

Scott氏:モイラには汎用性の高さがあります。メインのアビリティ「バイオティック・グラスプ」は射程が短く、付近にいる複数の仲間を回復できます。サブ攻撃は、射程が長く敵にダメージを与えられます。モイラ最大の特徴は、回復で消費するバイオティックエネルギーを溜めるために敵を攻撃するという点です。サポートをメインに使ってるプレイヤーにはゼニヤッタが人気なのですが、回復してチームをサポートするだけでなく自身が敵を倒せるという楽しみがあり、モイラもそのような特徴を持っています。


また、球体を飛ばす「バイオティック・オーブ」というアビリティは、壁や天井に当たるとバウンドし、これを使えば遠くにいる味方を回復したり敵にダメージを与えられます。回復かダメージかは、プレイヤー自身がアビリティを撃つ際に選択できます。

テレポートのようなアビリティである「フェード」は、サポートヒーローの多くが機動力に欠ける中で、モイラは自身がピンチに陥ったときは離脱したり、回復を必要としている仲間の近くに移動したりも可能です。アルティメットの「コアレッセンス」は巨大なレーザー砲で、射線上にいる敵にダメージ、味方を回復できます。

――ゼニヤッタとの使い分けはどのようにされるイメージでしょうか?

Scott氏:DPSはゼニヤッタのほうが圧倒的に高く、チャージショットで出せる威力や範囲が上です。また、ゼニヤッタは不和のオーブをひとつ付けることで仲間全員が恩恵を受けられるという強みもあります。サポートヒーローにとって機動力のなさは共通の要素であったので、それに対する回答のひとつしてモイラにはフェードというアビリティを追加しました。フェード発動中は他のアビリティの使用はできないので攻撃手段はありません。また、フェードの発動・再出現時にはボイスと効果音があるので、慣れてくれば見えていなくても大体どこにいるかはわかるかと思います。

――バイオティックエネルギーの管理やフェードの使い方など、難度が高そうな印象がありますがいかがでしょうか?

Scott氏:他のサポートヒーローと比べれば難易度としては高いです。星の数も1ではありません。個人的な感覚でいうと、倒されやすく狙われやすく難しいゼニアッタと、ルシオやマーシーの間ぐらいだと思います。各アビリティは一度使うとどういう働きをするか一目瞭然ですが奥深くデザインされています。たとえば、バイオティック・オーブの場合、一直線の通路で使用すると、オーブが行き帰りの2度回復するので、ビリヤードのように角度を考えて使用すると効率的に回復・攻撃ができますよ。


――モイラのバックグラウンドやキャラクターの特徴について教えてください。

Scott氏:リーパーの体に何が起こったのかは謎でしたが、リーパーのシャドウステップとモイラのフェードが似ており、使われているテクノロジーが同じものもあります。ただ、2人の関係については今後展開していきたいと思っています。彼女のキャラクターについては、生命の神秘を解き明かしたいというゴールがあり、他の研究者だったら躊躇するようなこともためらわずに行える人間ですね。

――ラインハルトのショートムービーについて、なぜラインハルトが選ばれたのでしょうか?

Scott氏:ラインハルトは開発チームにとても人気のあるヒーローで、何より数あるヒーローのなかでも一番個性的です。「EICHENWALDE」のマップを公開した時点で隠されたテーマがあり、彼の過去を紐とく機会があったのでアニメーションに取り入れました。


――『オーバーウォッチ』のワールドカップ決勝がありますが、注目されている国やチームはありますか?

Scott氏:去年がはじめてのワールドカップでしたが、前回はお祭り要素が強く競技性は薄いものでした。今回は、その経験を経て各国の選手がたくさんの時間練習されており、とても楽しみにしています。優勝候補の筆頭は韓国ですが、イギリスやスウェーデンもとてもいいチームなので期待しています。予選の日本対オーストラリアでは、シンデレラストーリーのようで爽快でしたね。日本のe-Sportsにとってもいい刺激になったと思います。

――チームカラーやUIなど、新しいe-Sportsの機能の開発について教えてください。

Scott氏:イベントなどをやる度に、コメンテーターの方々には『オーバーウォッチ』を観る体験を高めるための改善点などの意見を聞いています。今回新たに導入したのは、俯瞰でマップ全体を見て、フィールドでアビリティを使えば誰が使ったのかがログに出ることです。全体が見られるため、コメンテーターの人たちも展開が予想しやすくなりました。また、元々『オーバーウォッチ』は赤・青で攻撃・防衛のチームを分かれていますが、ラウンドが変わると交代してしまうので分かりにくかった。そこで、ホームユニフォーム・アウェイユニフォームという固定のものを作ったのでわかりやすくなったと思います。

――シングルプレイキャンペーンなど、今後新モードが実装される可能性はありますか?

Scott氏:現時点でお伝えできることはありませんが、これまでもエリミネーションやデスマッチなど実験的なモードはいくつか試しているので、今後も新しいモードが出てくるのは確実です。キャンペーンモードに関しては、ヒーローたちの物語を見たいという声はたくさんいただいているのですが、いまは取り入れる予定はありません。

――ありがとうございました。

《Cameron Gilbert》
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