気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Over The Moonが開発、PC/Mac/Linux向け(海外ではニンテンドースイッチ/PS4/Xbox Oneも)に2月13日に発売されたSFアドベンチャー『The Fall Part 2: Unbound』開発者へのミニインタビューをお届けします。
2014年に発売された『The Fall』の続編となる本作。プレイヤーは自由の身となったAIとなり、「ユーザー」からのネットワークを使った攻撃をかいくぐりながら、生き延びなければなりません。道中でプレイヤーは3体のロボットと出会い、協力を得ることになります。ゲーム内ではパズルやアクションが要求される面があるものの、アクションが苦手な人向けのイージーモードも搭載されています。ゲーム全体のボリュームは前作の3倍以上とのこと。
『The Fall Part 2: Unbound』は1,730円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いいたします。
John Warner氏(以下Warner氏):こんにちは!私はJohn Warnerと言い、小さな開発スタジオであるOver The Moonでクリエイティブ・ディレクターを担当しています。物心がついた頃からずっとゲームが好きで、同時に心理学にも同じぐらい前から興味を持っていました。Over The Moonの目標は、これらを組み合わせ、興味深いアイデアをゲームを通して人々に伝えることです。
――いつどのようにして開発が始まったのでしょうか?
Warner氏:前作の『The Fall』は、面白いキャラクターと環境を作ろうという小さな気まぐれなアートプロジェクトとして始まりました。これがフォトショップを使用した絵となり、ゲームのプロトタイプへと変化していきました。そしてKickstarterキャンペーンがスタートするなど、その進捗はとてもゆっくりでした。Kickstarterキャンペーンでは3部作になると約束していましたので、ゲームが広く受け入れられていることもあり、予定通り開発を続けています。
――本作の特徴を教えてください。
Warner氏:2つあると思います。1つ目は探索要素です。多くのゲームにおいて、探索パートでプレイヤーは物を調べたり、ログを読んだりすることで、そのゲームの世界とストーリーを理解することになります。しかしながら、これらのゲームのほとんどでは、探索というものはゲームの進行にそれほど重要ではありません。そのため意味のない要素のように感じてしまうこともあるかと思います。本作は探索好きのために作られたゲームですので、プレイヤーは何をしなくてはいけないのか、どこに行かなくてはいけないのかを理解するために、この世界について自ら調べ、学ばなくてはいけないのです
2つ目は、深みのあるストーリーになります。私たちの開発スタジオとしての目標は、ストーリーとゲームプレイの融合を実現することです。本作における苦難は、ある特定のテーマを中心としていますので、プレイヤーはストーリーとどのように関わってくるのか考える必要があります。
――影響を受けた作品などはありますか?
Warner氏:もちろんです!私たちの主な目標は『スーパーメトロイド』におけるエイリアンの世界を探索するような気持ちを提供することです。ただ、それに深みとインタラクティブ性を加え、『Monkey Island(注:海外で発売されたアドベンチャーゲームシリーズ)』のようなアドベンチャーにおけるパズルを組み合わせました。最後に、本作に合うアートスタイルが必要だったので、『Limbo』からインスパイアされたスタイルを採用しました。
ストーリー面では、数え切れないほどのものから影響を受けています。SFのあらゆるアイデアが、年月をかけて多くの作家たちから生まれてきました。どれか特定の一つから影響を受けたということはありませんが、全く何もない状態から本作を作り出したといえば嘘になります。私たちは今まで観てきた全ての映画、プレイしてきた全てのゲームによってできていると言えるのではないでしょうか。
――最後に、日本の読者にメッセージをお願いいたします。
Warner氏:日本という素晴らしい国の人たちとこうやってコミュニケーションを取る機会をいただき、とても嬉しいです。まだ日本には行ったことがないのですが、日本語の授業を取っていたということもあり、ずっと行ってみたいと思っています。しかし今も覚えているのは「ニホンゴヲ ハナセマセン」だけです。まだ『The Fall』は日本語にローカライズされていないのですが、実現に向けて真剣に取り掛かりたいとは思っています。3作目が完成しシリーズが完結した際に、しっかりとした翻訳で3部作スペシャルエディションとして日本でリリースできるかもしれません。
――ありがとうございました。
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