『デビル メイ クライ 5』ネロは「お父さんに似てきている」―プロデューサーインタビュー!3人目のプレイアブルキャラのヒントは意外なところに…?【E3 2018】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『デビル メイ クライ 5』ネロは「お父さんに似てきている」―プロデューサーインタビュー!3人目のプレイアブルキャラのヒントは意外なところに…?【E3 2018】

マイクロソフトのプレスカンファレンスで電撃発表されたシリーズ最新作『デビル メイ クライ 5』。発表の興奮冷めやらぬなか、本作のプロデューサー2人にインタビューしてきました。

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『デビル メイ クライ  5』ネロは「お父さんに似てきている」―プロデューサーインタビュー!3人目のプレイアブルキャラのヒントは意外なところに…?【E3 2018】
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マイクロソフトが「E3 2018」開催に合わせて日本時間6月11日に行ったプレスカンファレンス。同カンファレンスでは、待望のシリーズ最新作『デビル メイ クライ 5』がカプコンより発表されました。国内でも大きな話題となった本作ですが、『デビル メイ クライ 4』が発売されたのはなんと2008年。正式な続編としては10年ぶりとなります。

今回、Game*Sparkは、盛り上がりを見せるE3 2018会場にて本作のプロデューサーである岡部眞輝氏およびマシュー・ウォーカー氏両名へインタビューを敢行。開発の経緯や、RE ENGINEについてなど、気になる質問をぶつけてきたので、その様子をお届けします。




――本作は正式なナンバリングタイトルとしては10年ぶりですが、今回新作が発売されるまでの経緯を教えてください。

岡部眞輝氏(以下、岡部):『デビル メイ クライ』はいつ出るんだ、と声をかけていただくことが多くて、フランチャイズとしてはNinja Theoryさんの『DmC Devil May Cry』(2013年発売の外伝的作品)がありましたが、そのあとに伊津野(※伊津野英昭氏)が作った『デビル メイ クライ』がやりたいという声も多かったんです。ずっと計画は進んでいたんですが、やっと晴れて、発表に至りました。伊津野自身も、『5』を作るんだったら、ああしたい、こうしたいっていうのが、頭の中にあったと思うので、それがようやく実現しました。それから今言えるのは、シンプルに「ファンの皆さんに喜んで貰うために開発しました!」ということですね。

――構想10年とか?

岡部:構想だけでいったらそうですね。

――本作は、『デビル メイ クライ 4』の直接的な続編ということですが、具体的にゲーム内世界では前作から何年が経過しているんでしょうか。

マシュー・ウォーカー氏(以下、ウォーカー):それは……はっきり言えないですね。カプコンとして言ってるのは、"数年"ですよね。開発側でも具体的に何年が経っているかは考えてはいるんですけど、それはバラしたくないです(笑)

岡部:これは他のシリーズでも同様なんですが、あまり厳密に年表などを決めてしまうと、色々と柔軟性がなくなってしまうという部分があります。ある程度、余裕を持たせた方がいいなっていうのはありますね。


ウォーカー:ただ言えるのは、ダンテとネロを見れば、たしかに『4』のときから歳取ってるな、と感じてもらえるとは思うので、それくらいは時間が経ってる、という感じで認識していただければ。

岡部:もちろん、どこかのタイミングでバチっと言ってしまうかもしれないですけど(笑)

――具体的に本作の開発が稼働しはじめたのはいつごろでしょうか。また、カプコンの社内で開発しているという認識で大丈夫でしょうか

岡部:はい、その通りです。社内の開発チームで作っています。期間は3年くらいでしょうか。チームができあがってから、人数も変わってきていて、いまでもマックスでがんばってくれています。伊津野のチームが作っているのが『5』になります。

――完成度でいうとどのくらいでしょうか

岡部:開発の進捗でいうとほぼ最終段階に近いですね、細かな調整期間には入っています。

――本作は『バイオハザード7 レジデント イービル』で採用された「RE ENGINE」で制作されていますが、このエンジンのメリットや変わった点などは。

岡部:このエンジンは現世代機のためのエンジンではあるので、最初に『バイオハザード7』と並行して開発され、開発過程で叩いていき、改良していったものがそのまま『バイオハザード RE:2』や『デビル メイ クライ 5』などに使用されています。このエンジンの特徴としては、フォトリアルの実現というのがありますし、最高技術のレンダリングができるツールなので、『デビル メイ クライ 5』ではフォトリアルを目指そうという部分もあります。


ウォーカー:技術的な話をすると、本作ではカプコンにとって初めて「PBR(フィジカルベースレンダリング)」を行ったタイトルなので、それはRE ENGINEのおかげです。それを活かしてグレードアップして、ブレンドシェイプなども追加できるようにしたいです。

岡部:そうですね、今回技術的には、ブレンドシェイプがありまして、PV見ていただいたらわかると思うんですが、顔の表現がすごく良くなっています。エンジン上でリアルタイムで動いているんですよ。普通だったら、もう少し顔が人形ぽくなってしまうところが、ナチュラルな人の表情になります。例えば、ニッて笑ったときの顔のシワのでき方で、細かい演技も伝わる出来になってるので、どこみても良いなって感じていただければ嬉しいです。

――そういったリアルな表現というのは作りやすかったりもするんですか。

岡部:作りやすい、と言ってしまうと、開発のみんながそんな簡単じゃないよ、って叱られると思いますけど(笑)でも、作りやすくするためにやってはいます。当然、開発するうえでの苦労は山のようにありますけど、それを実現するためのエンジンです。

ウォーカー:また表情について説明したいんですが、今回は完全に新しいフェイシャルリグを使ったんです。ブレンドシェイプも活かしながら、開発チームもできるだけリアルな表情を出したいと思って新しい技術を使いましたけど、その分新しい技術をどうやって使うのか学習しなきゃいけなかったです。開発チームとしても苦労はしましたけど、すごいがんばってくれましたね。

岡部:顔の表情が豊かに表現できているのと、顔のシワが出てくるだけでも演技の感じ方が変わってきます。もちろんリアルだけではなくて、キャラクターの個性もそうですし、『デビル メイ クライ』シリーズは実際の世界というよりかはファンタジー寄りの世界観ですが、"リアルの中の『デビル メイ クライ』"というのが表現できればと。


――『デビル メイ クライ』シリーズの最大の魅力というとやはりアクションの部分だと思いますが、10年ぶりの社内チームによる続編としてアクション面でこだわっているところがあれば

岡部:これは僕から話すよりかは、伊津野から話してもらったほうがいいと思います。ただ、僕から言えるのは、伊津野が目指す作品像をを実現できるスタッフが集まっています。それからクラシックスタイルの『デビル メイ クライ』を引き継いだ現世代機の最高峰を目指していますが、それについても実現できています、ということですね。

ウォーカー:伊津野さんがいつもこだわっていたのは、グラフィックをできるだけリアルにしたいということです。ただその分、ビジュアルがリアルすぎて、アクションが現実的じゃないことがあります。伊津野さんは、このことを"アクションの不気味の谷"と呼んでいます。

岡部:フォトリアルなCGを作った時などに、リアルさが増すことで逆に顔が気持ち悪い、不自然というところが“不気味の谷”と言われたりもしていますが、映像周りのクオリティが高くなって"不気味の谷"を克服しても、今度はアクション面でそれが発生してしまったんです。それからアクションの不気味の谷という言葉が開発チームで作られたんです。これを出さないようにしようと。

ウォーカー:すごい工夫して頑張りました。

岡部:見た目がリアルなのに、動きがコマ送りだと不自然になるので、ちょっとした動きでもリアルにしないといけない。でもリアルな動きにすると、予備動作が付随します。銃を持って、撃つモーションをしっかり作ればナチュラルになるんですけど、そうすると今度はキーレスポンスが悪くなる。いかにクリアして、それを両立させるか、というのを課題にしています。


――『デビル メイ クライ』シリーズはスラッシュアクションの元祖だと思います。この10年でアクションゲームは『ソウル』シリーズや『ゴッド・オブ・ウォー』などベースの遅い方向性のタイトルが多くなりましたが、なにか影響は受けていますか。

岡部:逆に言うと、『デビル メイ クライ』はそういったゲームに関わっている方たちに影響を与えた作品じゃないかと思っています。どの作品もそれぞれの特色を生かした進化をしていますが、僕らは元祖として引き継いだものを出していき、これらをキープして一番上を目指すと。「後輩たちには負けられない」という精神で頑張っています。

ウォーカー:『デビル メイ クライ』はスタイリッシュアクションじゃないですか。同じアクションジャンルでも『モンスターハンター』とは違って、サクッと攻撃したり回避したりできないと「デビル メイ クライ」の操作感としては微妙かなと。

岡部:それから、特に今回は音楽と合わせてアクションをしていくと、より音楽も盛り上がっていく仕組みになっています。単純なBGMではないんです。スタイリッシュアクションをしキメていくと、AメロがBメロになり、スタイリッシュランクが上がっていくと、コーラスとかも聞けるようになると。そういった遊びの仕方によってバックグラウンドがより盛り上がっていくというか、相乗効果がありますね。

――アクションに関しては『デビル メイ クライ』らしく、ということですね。

岡部:そうですね、その一言に尽きると思います。

――BGMにあわせて動くのではなく、かっこよくアクションしていくとBGMがかっこよくなっていくということなんですね。

岡部:そういう仕組みになっています。ネロの戦闘曲に関しては、Spotifyなどで配信しているのと、ミュージックビデオも作りました。ぜひ、新しい情報が出るまでの間に聴き続けてほしいですね。

ウォーカー:ミュージックビデオが見つかるのすごく早かったんですよね。

岡部:そうそう、最初ミュージックビデオは非公開にしてて、公式サイトのHTMLの中にYouTubeのURLを入れてたんですね。で、それを見つけてもらったら飛べますよ、という感じにしてたんですが、公開して1日目に見つかったので、次の日すぐ公開しました(笑)

――本作ではネロが『4』に引き続いてメインキャラクターとなりますが、前作をプレイした身からすると、ビジュアルの変化に驚きました。こういった部分のねらいというのはなんでしょうか。

岡部:当然、時間が経って新しいものを作っていく、というスタンスもありますし、RE ENGINEの特性を活かしたリアルな表現がしたいというのもあります。伊津野は「リアルを目指しましょう」とも言っていましたしね。その中で、どういったキャラクターにするか、という流れで自然にここに着地しました。キャラクターデザインは『4』に続いて吉川達哉さんにお願いしているんですが、どんどんネロはお父さんに似てきているんじゃないかなと思います。そういった意味でもシリーズの系譜を受け継ぎつつ、今の世代に合ったものになっているんじゃないかなと考えています。もちろんシリーズファンの方たちの中では、色々な意見があると思うんですが。私たちとしては、色んな方に『デビル メイ クライ 5』を見てもらいたいと思っています。リアルでかっこいいキャラクターがスタイリッシュなアクションをしていくさまについては、ファンの方に加えて、シリーズ作を知らない若い方たちにもや、「カッコ良い」と感じていただけるようなものを目指しています。

――キャラクターデザインで言うと、本作が発表されたマイクロソフトのカンファレンスでは最初、これ洋ゲーなのかなと思いました。これはリアルを目指した結果こうなったのか、それとも洋ゲーっぽさを目指してこうなったのでしょうか。

岡部:まず、洋ゲーを目指そうとしたわけではないですね。伊津野も言っているんですが、彼もシリーズに関わって長くて、『DmC Devil May Cry』ではNinja Theoryさんとも一緒に働いていました。当然、お互いに影響を受けあっているとは思うので、そういったところから出てきてはいるかもしれません。なので、自然とそうなった、という感じです。

――ちなみにトレイラーの最後にいたのは、ダンテでいいんですか。

岡部:あれはダンテです。あれでダンテじゃなかったら相当ややこしいですよね(笑)


――プレイアブルとして登場するかは不明でしょうか。

岡部:一応、キーアートに写っている3人はプレイヤーキャラクター(ダンテ、ネロ、正体不明のキャラ)です。


――3人目のキャラについては……?

岡部:いい質問ですねー。ここでミュージックビデオの話につながるんですけど、そのビデオ内にヒントのヒント、みたいなものを入れています。ミュージックビデオを何回も注意深く見ると、彼か彼女かわからないですけど、なにかのヒントが埋め込まれています。とはいえ、今は主人公がネロであるっていうところを推したいので、もうちょっと先に情報はお出ししたいです。

――ネロの右腕はどのようなものなんでしょうか。

岡部:あれはデビルブレイカーと呼ばれています。PVのなかでも出てきたように、ネロは腕を奪われちゃうんですけど、そのあとに新たな腕としてデビルブレイカーを使うようになります。これを作ったのは、もう一人の女性キャラクター、ニコです。PVの中で何種類か見せていて、ロケットパンチみたいなものや、電撃を放つもの、敵を振り回すものなど、色んなバリエーションが今後も登場してくるので、遊びの幅を広げつつ、『4』のネロの操作感を引き継いて進化したものとして義手を出しました。

ウォーカー:gamescom(ドイツで毎年開催されるゲームイベント)ではプレイアブルを出すつもりなので、もっとデビルブレイカーについて説明しようと思います。皆さんにトレイラーをじっくり見ていただいて、具体的にゲームプレイにどういった影響を与えるのか考えていただけると嬉しいです。



岡部:開発メンバーのプレイ動画も出していきたいので、今後も楽しみにしてもらいたいです。

――商品的なお話になりますが、トレイラーでは血がドバっと出ていてビックリしました。CEROはどのようになるでしょうか。

岡部:これからの調整となります。これまでのシリーズ作はCERO:Cだったのですが、この作品もCERO:Zになる事はないんじゃないかと考えています。

――ネロのお父さんに関連したお話をさきほどほんの少しだけされていましたが、ファンの間でも人気が高いバージルに関するお話は伺ってもいいでしょうか。

岡部:そこはですね……ほとんど何も言えないですね。質問からはズレるのですが『5』でのネロを見て「『4』から歳取ってきたけど、お父さんに似てきたね」というユーザーコメントがあったので、わかってくれて嬉しかったですね。僕らとしても当然、シリーズのキャラクターやその繋がりは大切に扱っていきたいと考えています。

――最後に一言ずつお願いいたします。

岡部:シリーズとしては10年ぶりで皆さんを待たせに待たせた続編『デビル メイ クライ 5』になります。開発チームもまだまだ頑張っている最中ではありますが、発売まで皆さんの期待を裏切らないようにします。ご期待ください。

ウォーカー:私は、子どものころから日本のゲームが大好きで、カプコンに入りたいと思ってたんです。それで日本語を勉強し、大学でプログラミングを専攻していつかカプコンに入れたらいいなあ、くらいに思っていたんですけど、最終的にマイクロソフトのカンファレンスで、伝説的なクリエイターの伊津野さんと我々のプロジェクトを発表できるなんて……。だって伊津野さんは『CAPCOM VS. SNK』でしょ、『ストリートファイターZERO』でしょ、『私立ジャスティス学園』でしょ……もちろん『デビル メイ クライ』も。こんな伝説的なクリエイターと密に働いて、一緒にE3のステージに立って発表させていただいたって本当に感動してます。さらにいうと、喜んでいるファンの方々の反応を見ても感動しました。こうした機会をいただけてファンとカプコンには感謝したいです。

――いつごろからカプコンにいらっしゃるんですか。

ウォーカー:2010年からですね。ずっと岡部さんと一緒にやっています。

岡部:そうですね、僕らは『バイオハザード』フランチャイズで一緒で、『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』とか、『バイオハザード リベレーションズ2』をやっていたので幸運だなと思います。『デビル メイ クライ』初期のころは私は別のゲーム会社で働いていたんですけど、カプコンで『バイオハザード』と『デビルメイクライ』の両タイトルに関われたのは夢のようです。




『デビルメイクライ5』はPS4/Xbox One/PC(Steam)を対象に、2019年春発売予定です。

『デビル メイ クライ 5』最新トレイラー
『デビル メイ クライ 5』公式サイト
《秋夏》
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