『World of Tanks』イタレリ「VI号戦車 ティーガー1型」レビュー、ゲーム系プラモって実際どう?【特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『World of Tanks』イタレリ「VI号戦車 ティーガー1型」レビュー、ゲーム系プラモって実際どう?【特集】

そこでこの特集は、あまりプラモデルに馴染みの無いユーザー向けに、組み立て難易度や可動範囲などに注目し、プラモデルをレビューします。今回は、「イタレリ プラッツ 1/35 WORLD OF TANKS ドイツ 重戦車VI号戦車 ティーガー1型」をレビューします。

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ゲーム系プラモって実際どう?
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アクションフィギュアやスタチューなど様々な形で世に出されているゲーマー向け立体物。ゲーム系プラモデルは、『アーマード・コア』や『メタルギア ソリッド』などの立体物の他にも、『エースコンバット』のコラボモデルなど多数存在します。

しかしながら場合によっては、組み立てや塗装が必要なことからグッズとして手を出しにくく、難易度もパーツ数だけではわかりません。そこでこの特集は、あまりプラモデルに馴染みの無いユーザー向けに、組み立て難易度や可動範囲などに注目し、プラモデルをレビューします。


今回レビューするのは、「イタレリ プラッツ 1/35 WORLD OF TANKS ドイツ 重戦車VI号戦車 ティーガー1型」です。このコラボキット自体は、海外で2015年に発売されたモデルを国内向けにプラッツがローカライズしたもので、『WoT』戦車ガイドと組説が日本語化されています。

元々のキットは、イタレリが1994年に発売した1/35 「Tiger I Ausf. E/H1」をベースに、コラボモデルとして『WoT』(2016年版)の戦車ガイドなどを追加したものです。またアジアサーバー向けのボーナスコードも付属しており、全プレイヤー向けのプレミアム車両の独Tier 4重戦車PzKpfw.B2 740(f)を入手出来るものと、招待コードとして米Tier2軽戦車 T2 Lightとプレミアムアカウント7日間分、そして1000ゴールドが付属しています(※これらのコードの有効期限は2019年12月31日までです)。



なお日本の模型界において「戦艦大和」と「零戦」、そして「VI号戦車 ティーガー」はジャンルごとに大きな人気を博したことから“御三家”とも呼ばれています。

■海外プラモデルの難しさ―組み立てから塗装を考える


前述の通り本キットは、1994年に発売されたプラモデルがベースとなっているため20年以上も前の、それなりに古いプラモデルです。また完成するティーガーIは後期生産型となりますが、余剰パーツにツィメリットコーティングが施された砲塔・車体パーツや初期型のパーツが一部同梱されているため、組み説や考証をある程度無視すれば様々なバリエーションを作ることが出来ます。




組み立て説明書は英語やドイツ語、イタリア語、そして日本語も併記されているマルチランゲージですが、組み立て時の順番がかなり簡素で、工程内の取り付け順も少しわかりにくいのが難しいところ。またランナー数は、6枚と少ないですが、よく観察してみると一枚のランナーにパーツを多量に詰め込んでいるため、パーツの配置順も法則性を見出しにくく、必要なパーツを探し当てるのに時間を費やしてしまう構成です(これはイタレリ製品に見られる傾向で、タミヤがローカライズしている他のキットでも見ることができる)。




他にも、古いキットゆえの問題として、所々パーツの歪みやバリがあるため、それらを直しながら組み立てなければなりません(取付時にパーツの歪みから隙間なく取り付けられない事があるため)。

キットの難しさを確認したところで、組み立てに入りましょう。組み立て説明書では、車体下部→転輪→履帯→車体上部→車外アクセサリー→砲塔という順番で組み立てが指示されています。ここでは、車外に取り付けるパーツを意識しながら塗装を考慮し、転輪を取り付けないまま砲塔までを組み立てて、全体を塗装し、別で塗装した転輪と履帯、そして車外アクセサリーを取り付けるという順番で進めました。

まずは、車体を組み立てます。ここの工程では、全体の塗装時を考慮して「何のパーツが指定色と違うのか?」を意識しながらパーツを取り付けました。また、イタレリ製ティーガーの特徴の1つとして、車体後方にあるエンジンルームが再現されています。


砲塔が収まるスペースにもパーツがある。

エンジンは、組説の指定通り上部をアクリジョンのN8シルバーを、下部をN12つや消しブラックで塗装

ある程度車体の組み立てを進めたところ

エンジンルームの裏蓋は隠れてしまうため、先にオキサイドレッドのサーフェイサー→ジャーマングレーの順番で塗装をした

車体の組立てを進めて、エンジンルームのカバーを取り付けたところ

この部分は、全体の塗装を行う上で一緒に色を塗る事が出来ないため、ハッチ内部とエンジンを先に塗装し、塗料が内部に入らないようにマスキングを施します。この塗装を行うことで全体塗装時に、塗料が内部に入り込まないようにします。

この内部は正直なところ、接着をしてしまったら砲塔を外して裏返すことをしない限り見ることはないので、煩わしさを感じるなら塗装しなくても良い

各パーツを取り付けて車体を完成させたら、次は砲塔の組み立てです。色の指定で砲塔内部は「つや消しホワイト」が指定されていますが、そのまま筆塗りで塗ろうにもプラスチックの成型色が透けてしまいます。そのため今回は「Mr.ベースホワイト1000 スプレー」(白色のサーフェイサーでも代用可能)を塗りました。


なぜなら、砲塔内部は組み立てると見えなくなってしまうことに加え、黒に近い成型色は白色に塗り直すことが難しいからです。ベースホワイトは、隠蔽力(下地を透けさせない濃さ)が強くサーフェイサーのように傷の穴埋め効果は薄いため、細かなディテールを潰さない効果を持っています。また砲身はモナカ割り(お菓子の最中のように、パーツ中央で2つに分かれている。ガンプラの旧キットなどに多い)で構成されているため、合わせ目処理を行いました。


砲塔内部を塗り、組み立てが終わったらいよいよ次は塗装です。この塗装では、ゲーム中に一番よくみることになるジャーマングレーで彩られたティーガー1を表現します。なお、組み立て説明書巻末のカラーガイドには、冬季迷彩1と2、砂漠迷彩、そして夏季迷彩の4色が記載されていましたが、最も一般的なジャーマングレーでのガイドはありませんでした。

塗装では、サーフェイサー(プラスチックの透過を抑えると共に、パーツの傷や隙間を埋め、塗料の食いつきを良くするもの)と下地を兼ね備えたクレオスの「Mr.オキサイドレッドサーフェイサー1000」を使います。この工程は、ドイツ戦車の錆止めには赤錆色のものが使われていたということから、プラモデルにも同じ色の下地を塗ることでリアリティを演出すると共にプラスチックの透けを防止するために行います(プラスチックの透過や光沢は、完成品の質感に大きく影響するため)。

今回使用した塗料群。左奥から「Mr.オキサイドレッドサーフェイサー1000」、「Mr.ベースホワイト1000」、「Mr.カラー スプレー S28 黒鉄色」、「TS-4 ジャーマングレー」、「N18黒鉄色」、「N12つや消しブラック」、「N71ミドルストーン」、「N8シルバー」。写真には写っていないが「Mr.カラー C303 グリーンFS34102」と「N84 マホガニー」、そして「LP-27 ジャーマングレイ」も使用した。

砲塔内部などのマスキングが終わったら、オキサイドレッドを車体と砲塔の両方に塗装します。またこの後に取り付ける転輪と履帯は数が細かく多いため、表面積を一気に塗れるランナー塗装を行いました(ランナー塗装は、文字通りパーツがランナーに付いた状態で塗装すること。細かいパーツなどに効果があるが、切り離した部分は当然のことながら色が付いていないので気になるなら個別に塗る必要がある)。

塗装時に強風に吹かれてプラモが吹き飛ばされ、パーツの一部が破損してしまったが、真鍮線などを用いて修復した

ランナーごと塗装をするのはパーツに塗料を吹き付ける回数や面積を広くする目的もある

次に車体と砲塔はタミヤのジャーマングレーを塗りました。タミヤやクレオス、ガイアノーツなど各社がリリースしているジャーマングレーは、名前は同じでも色の暗さが大きく違っており、タミヤのが最も明るく、クレオスとガイアノーツのものはより暗い色になっています。



ある程度『WoT』でのティーガーに近づけ、塗装効率を上げるためにも色は暗すぎないタミヤの「TS-4 ジャーマングレー」の缶スプレーを選択しました。塗装部分は砲塔と車体、そして転輪です。なおティーガーの後期型の転輪は、ゴム部分がない簡易仕様となっています。また履帯は、「Mr.カラー スプレー S28 黒鉄色」で塗装していますが、凹凸が多いため完全に色を載せきる事が出来ないため、ある程度の塗装の不完全さを無視しています。

次ページ: 分割履帯取り付けと完成写真を披露!
《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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