ゲーム系プラモって実際どう?『ACfa』コトブキヤ「ホワイト・グリント&V.O.Bセット」レビュー【特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ゲーム系プラモって実際どう?『ACfa』コトブキヤ「ホワイト・グリント&V.O.Bセット」レビュー【特集】

アクションフィギュアやスタチューなど様々な形で世に出されているゲーマー向け立体物。そこで今回の特集は、あまりプラモデルに馴染みの無いユーザー向けに、組み立て難易度や可動範囲などに注目し、プラモデルをレビューします。

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ゲーム系プラモって実際どう?『ACfa』コトブキヤ「ホワイト・グリント&V.O.Bセット」レビュー【特集】
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アクションフィギュアやスタチューなど様々な形で世に現れているゲーマー向け立体物。ゲーム系プラモデルは、『アーマード・コア』や『メタルギアソリッド』などの他にも、『エースコンバット』のコラボモデルなど多数存在します。

しかしながら場合によっては、組み立てや塗装が必要なことからグッズとして手を出しにくく、難易度もパーツ数だけではわかりません。そこでこの特集は、あまりプラモデルに馴染みの無いユーザー向けに、組み立て難易度や可動範囲などに注目し、プラモデルをレビューします。


今回取り上げるプラモデルは、『アーマード・コア フォーアンサー』(以下、『ACfa』)のオープニングに登場するネクスト「ホワイト・グリント」を立体化した、コトブキヤの「ラインアーク ホワイトグリント&V.O.Bセット ムービーカラーVer.」です。


2009年に発売された「ホワイト・グリント」に改修を施し、「V.O.B(ヴァンガード・オーバードブースト)」を同梱したプラモデルで、パーツ数が600以上になる大型のものです。これを選んだのは、もちろん2017年末におけるフロム・ソフトウェア宣伝担当の小倉康敬氏による『アーマード・コア』新作への意欲からと、比較的最近再販されたことで入手しやすく、『ACfa』オープニングに登場する知名度の高い人気ACというのもあります。なおコトブキヤは、『アーマード・コア』のプラモデルシリーズ「ヴァリアブル.インフィニティ」を展開しています。

■慎重さや力が要求されるも組み立てはシンプル





パッケージはかなり大きくXbox 360版『ACfa』のケースとくらべて見るとその巨大さに加え、箱を明けると内部にかなりの量のパーツが入っているのがわかります。パーツは、大まかに分けて中央の仕切りから左側が「ホワイト・グリント」で、右側が「V.O.B」です。内容物はプラモデル本体と組み立て説明書だけでなく、カタログ兼パッケージアートブックの「ARMORED CORE VISUAL ART WORKS」が入っており、フロム・ソフトウェアのデザインセクションの佐竹大輔氏によるコラムが掲載されています。


B5サイズの組み立て説明書は全26ページで構成され、内8ページが「ホワイト・グリント」の、内4ページが「V.O.B」の組み立て手順です(他のページには、「ホワイト・グリント」のゲーム内構成パーツ解説や内容物一覧、アサルトアーマー展開状態組み立てなどが記載されている)。

ホワイト・グリントのランナー数は多く全部で25枚ある

プラモデル作成のうち難易度を大きく決めるのが組み立て説明書の解説です。進行は、両腕から両脚、頭、大きな胴体と股、両手武器、肩武器という順番となっています。制作中に気になった点とすれば、2010年に発売された多少古いキットであることから、組み立て部位に説明や注意点の記載が少なく、どこを組み立てているのかが分かりにくいことです(なお、2017年に発売された同コトブキヤ製の「フレームアームズ・ガール バーゼラルド LIMITED COLOR HJ EDITION」の組説では部位説明が存在し、プラモデルとして組み立て易くなっている)。

プラにパールが含まれているので、近くで見るとギラギラとしている

組み立て自体は、スナップフィット(接着剤なしで組み立てられる)+色プラ(初めからプラスチックに色が付いている)で成り立っていることからほぼ接着剤不要で進められますが、パーツの外れやすさや、万一破損した場合の修復などを考慮すると瞬間接着剤などを用意したほうが効果的です。またランナー(パーツにプラスチックを流入させるための枠)からパーツを分離するにはプラスチック向けのニッパーを使うと良いでしょう。

細かいパーツは多いが、小さすぎるパーツは少ない

パーツをニッパーで1つ1つ切り出していく

組説2ページで腕パーツと脚の一部が完成する

細かいパーツを合わせて脚を組み立てる

プラモデルの醍醐味は細かい部分を組み立てながら理解できることにある

コアパーツ、オーバードブーストのギミックが少し複雑

各パーツを組み合わせてホワイト・グリントの完成。背の高さや横幅はDVDのパッケージほどある。

組み立てには両腕で2時間、両脚で2時間、頭と胴体、そして股で3時間。さらに武装も入れるとプラス2時間ほどの全体で約10時間かかりました。また「V.O.B」の組み立ては、同じパーツが多いことから組み立て易く約3時間で終わりました。組み立て自体は、組説通りに進めれば何も問題はありませんが、肩武装接続部のポリパーツなどがギチギチに硬く壊れそうになるぐらい力を込めないと接続できない事に加え、頭のパーツがポロポロと外れやすいなど一部パーツに難しさが目立ちました。

「V.O.B」は円形パーツをひたすらに組み上げる。また組み立てている途中で「V.O.B」の構造もわかる。

「V.O.B」完成。ホワイト・グリントだけでなく他のACプラモにも接続可能


■素組みでもカッコいい「ホワイト・グリント」のプロポーション


素組み(塗装などを行わずに組み立てた状態、モデラーによって指す範囲が異なる)で完成した「ホワイト・グリント」を眺めると、ゲーム中に登場するイメージを余すところなく再現しているのがわかります。しかしながら、本バージョンのパーツは、プラがパール仕上げで成り立っているため(単品版では普通の白色だった)、『ACfa』オープニングの白塗料が薄汚れ、所々剥がれた姿とは遠いイメージです。どちらかと言えばゲーム本編の姿に近く、光沢の強さが印象を付けます。

アサルトアーマー展開状態もパーツ差し替えで再現可能



可動範囲も申し分なく、アクションを重視したポーズや、このセットに付属しているアクションベースを用いてオープニングのV.O.Bを取り付けた状態での展示も可能です。V.O.B搭載状態のホワイト・グリントは、長さと大きさ、そして精巧さから一種の大型ロケットの用に見えるのがコレクター心をくすぐるでしょう。またスケールが1/72であるため、同スケールのプラモデルを隣に並べて大きさを楽しむ事も出来ます。

V.O.B接続形態はとにかく巨大で重く、置き場所を確保するスペースが必要。
素組みでも大量のディテールが視覚を刺激する

ホワイト・グリントのみを通常形態にすることも可能だ。また、専用のアクションベースも付属する

今回はデカールを貼り付けませんでしたが、スミ入れと一緒に行うことで、溝や他の部位が強調されるためより一層の高級感が発揮されるのではないでしょうか。

1/72スケールであるため、同スケールのプラモデルと共演させることもできる。
左は筆者が組み立てたハセガワの1/72スケールの「EA-18G グラウラー」

素晴らしいプロポーションと再現度、そしてV.O.Bと合体させることによって巨大になることから大きな満足度を得られるプラモデルです。しかし、一つ難点を挙げるとすれば、細かいパーツが簡単に取れてしまうことです。また、さきほども少し触れましたが、「ムービーカラーVer.」と商品名に記載されているものの、実際にはゲーム内のイメージに近く、オープニングのつや消しホワイトのような質感ではないという部分です。多少難しさはあるものの、塗装や接着が必要なわけではなく、説明書をよく読み、一つ一つ組み立てれば完成するプラモデルなので、慎重さを忘れなければ、普段プラモデルに触れたことがないユーザーでも作れるのではないでしょうか。

今回塗装は行わなかったが、つや消しホワイトで白部分を塗ったあとにウェザリング(汚し表現)のチッピング(塗料が欠けた表現)を施せばオープニングのイメージに近くなるかもしれない

「ラインアーク ホワイトグリント&V.O.Bセット ムービーカラーVer.」はコトブキヤから9,800円(税抜)で発売中です。
《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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