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地下鉄犬アクション『Russian Subway Dogs』「カートゥーンの世界で繰り広げられる小さなシミュレータ」【注目インディーミニ問答】

気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Spooky Squid Games開発、PC/Mac向けに8月3日リリースされた地下鉄犬アクション『Russian Subway Dogs』開発者へのミニインタビューをお届けします。

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地下鉄犬アクション『Russian Subway Dogs』「カートゥーンの世界で繰り広げられる小さなシミュレータ」【注目インディーミニ問答】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Spooky Squid Games開発、PC/Mac向けに8月3日リリースされた地下鉄犬アクション『Russian Subway Dogs』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、実際のニュースからインスパイアされた地下鉄犬となり、乗客から食べ物を奪うアクションゲーム。ライバルの地下鉄犬や危険な地下鉄熊、スコアを競うエンドレスモード、緻密なピクセルアートなどが特色です。記事執筆時点では日本語未対応です。

『Russian Subway Dogs』は1,520円で配信中





――まずは自己紹介をお願いします。

Miguel Sternberg氏(以下Sternberg氏):Miguel Sternbergです。Spooky Squid Gamesを経営しており、『They Bleed Pixels』ではアーティストとゲームデザイナーを、『Russian Subway Dogs』ではゲームデザイナー、プログラマー、そしてアーティストの一人を務めています。Spooky Squidを始める以前は、フリーランスのピクセルアーティストをしており、ゲームだけでなく、映画や本の仕事もしていました。

――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?

Sternberg氏:本作はジャムゲーム(一週間の開発期間で完成させるゲーム)として6年前にスタートしました。『They Bleed Pixels』をリリースする少し前になります。当時から評判がよく、ロシアのYouTuberたちにも遊んでいただきました。友達からは、より洗練させて発売したらどうかと提案され、しばらくは個人的なサイドプロジェクトとして数年が経過しました。2、3ヶ月に一回は少し作業をし、新たな要素を追加したり、改良を行いました。実は、私が日本を旅行していた時にも、この作業を多く行っていたのです。場所はたいてい東京・池袋や大阪・アメ村の喫茶店やホステルでした。

今からおよそ2年前、私たちが取り組んでいた大きなプロジェクトをキャンセルすることとなり、プログラマーであるAndrij Pilkiwは去って行きました。そのため、私は突然アーティストからプログラマーに転身しなくてはいけなかったのです!そのため、私が細々と続けていた小さなプロジェクトを、Spooky Squidの新たなプロジェクトにすることとなったのです。私はキャンセルされたプロジェクトでセカンドアーティストとして働いていたAlina Schkinを連れてきて、この二年間一緒にフルタイムで『Russian Subway Dogs』の開発に取り組んできました。この間に、本作は小さくシンプルなアーケードゲームから、オリジナルの良さを残しながらも、よりリッチで複雑な作品へと変わっていったのです。

本作のデザインには多くの時間をかけることができたので、このようなじっくり「弱火」な開発から恩恵を受けていると思います。

――本作の特徴を教えてください。

Sternberg氏:2つあると思います。本作のテーマとゲームシステムです。

本作は、私が読んだ「モスクワの地下鉄に住んでいる野良犬」の新聞記事からインスパイアされました。犬たちは昼間ダウンタウンに行き、最も食料を盗むのに適した駅へと移動します。そのあとは寝るのに安全な場所を見つけるため、郊外へと移動するのです。私はこの賢く移動し食べ物を手に入れる犬たちというアイデアに魅了されましたし、何よりモスクワの地下鉄駅はどれも素晴らしい建築物です!それらはまるで宮殿、寺院、博物館のようだと言えるでしょう。私たちのお気に入りの駅を背景として本作の中で再現していますので、地下鉄を舞台としたゲームとは思えないほど、バラエティ豊かなビジュアルを堪能することができますよ。

本作のゲームシステムは、本作をユニークなものとしています。古典的なアーケードゲームではゲーム内容の説明が限定的なものとなっており、何からダメージを受け、何で回復するのかといったことがわかりません。これらは通常互いに干渉せず、プレイヤーを攻撃する敵は、ほかの敵からの攻撃を受けることはありません。

本作ではすべてのものが互いに干渉し合います。例えば、プレイヤーは爆発を利用して料理をし、食べることで体力を増やしたりポイントを得られます。しかし時間をかけすぎると、燃え尽きてしまいます。クマといった野生動物の敵は画面上のあらゆるものを攻撃しますので、これをおびき寄せることでプードルといった厄介な動物を追い払うことができます。パワーアップアイテムはプレイヤーだけでなく、食べることができる他の動物にも効果があります。ですので、もしプードルやハトが、火を吐くことのできる能力を得られるホットソースを食べてしまうと、彼らも火を吐くことができるようになるのです!この火を吐く能力は料理をしたり、雪を溶かしたり、ダメージを与えることができます。本作はすべて、カートゥーンの世界で繰り広げられる小さなシミュレータなのです!

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Sternberg氏:私は『Alley Cat』と呼ばれる昔のIBMのゲームをプレイして育ちました。このゲームでプレイヤーは野良猫となり、窓から跳び込んだり、ものを倒したり、ドッグフードを犬から盗んだりします。犬たちの記事を読んだ時に、ゲームにできると思ったのはこのゲームをプレイしていたおかげでしょう。

スコアのシステムは『Tony Hawk's Pro Skater』のものから大きく影響を受けています。この作品で採用されているコンボのシステムは、プレイヤーに様々なプレイを自然とさせるもので、本当に感銘を受けました。

シミュレーション的なシステム部分は、昔たくさん遊んだLooking Glass Studiosのゲームから影響を受けています。これらのゲームが日本で発売されたかはわからないのですが…『Ultima Underworld』、『Thief: The Dark Project』などです。これらは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が実現した複雑な相互干渉システムの元となるような実験的作品です。これらのような野心的な作品がクリエイティブな問題解決を実現していますが、これがより小さく地味なジャンルにおいてどう活かすことができるかということにとても興味があります。

――本作の日本語対応予定はありますか?

Sternberg氏:あります!まずは英語でリリースしましたので、これからローカライズを行っていきます。日本語はその中でも最優先言語の一つです。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Sternberg氏:『They Bleed Pixels』では何年間ものサポート、ありがとうございました!TwitterやPixivで日本の方のファンアートを見るたび、嬉しくなります。海外マンガフェスタや東京ゲームショウでファンの皆さんに会えるのもとても素晴らしいことです。『Russian Subway Dogs』を気に入っていただけると嬉しいです!

――ありがとうございました。


《SEKI》
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