バッドエンドだらけの残酷な現実たち「ブラック・ミラー」【コントローラーを置く時間】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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バッドエンドだらけの残酷な現実たち「ブラック・ミラー」【コントローラーを置く時間】

バッドエンドが大丈夫な人は必見のドラマ

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ハードコアゲーマーのためのゲームメディアGame*Sparkでは、日々、様々なゲーム情報をご紹介しています。しかし、少し目線をずらしてみると、世の中にはゲーム以外にもご紹介したい作品が多数存在します。そこで本連載では、GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介していきます。

今回ご紹介するのは、チャーリー・ブルッカーが原作・制作を務めるNetflix独占ドラマ「ブラック・ミラー(Black Mirror)」です。

オムニバス形式の現代/近未来系ドラマ


本作は、1話完結型のオムニバス式ドラマで、タイトルごとに設定や主人公が異なります。1話の長さもまちまちで、シーズンごとに全話数も違いますが、そんなことはささいなこと。ほとんどが現実に近い時代で、まだ実現していないテクノロジーが登場するものの、極端なSFではなく、現実に即したものが描かれるので、同ジャンルが苦手な人も問題ないはずです。

例えば、VR、SNSといった一般的に認知されているものから、ミツバチの代わりに受粉を行ってくれるハチ型ロボット、デジタルクローンといったものまで、物語の軸になるテクノロジーは様々。ビデオゲームに関連したエピソードも複数あり、シーズン3「拡張現実ゲーム」では、ショウ・サイトウが率いるゲーム会社が主な舞台となります(余談ながらこのエピソードでは、ほんのすこしだけ『Dead Space』などのゲームパッケージや、実在のゲーム雑誌「Edge」が登場する)。

また、キャスト陣も豪華。「ゲット・アウト」のダニエル・カルーヤや、「ジュラシック・ワールド」のブライス・ダラス・ハワードなどが出演しています。

結末はほぼバッドエンド。現実とはかくも過酷なり


オムニバス形式自体はさほど珍しいものではありませんが、本作がすごいのは、皮肉や風刺に加えて、ほぼすべてのエピソードがバッドエンドで終わるということです。中には胸がもやっとしまくるような、いわゆる胸糞エンドも多く、いや普通のドラマだったらこんな終わり方絶対にしないよな……というエピソードが多いです。

「インスタ映え」に代表されるSNSのいいね至上主義や、ネットを介した誹謗中傷といった現実の問題から、未来の技術によって逆に浮き彫りになる人間の独善性や欲望……。物語を描くエッセンスとして、テクノロジーが登場する本作ですが、「人間」を映す「鏡(ミラー)」のような作品と言ってもいいかもしれません。

もちろん、エピソードごとに監督が違いますし(シーズン4「アークエンジェル」はジョディ・フォスターが監督)、趣向もまったく異なるため、完成度に差はあります。が、どれかお気に入りのエピソードが見つかることは間違いないでしょう。……バッドエンドが大丈夫であればですが。

ちなみに、あまり多くはありませんが、ハッピーエンドで終わるエピソードも存在しています。こちらはこちらでとても良い出来なので、ぜひ楽しみにしてください。

そしてなにより、見る順番を気にしなくていいことも強みの1つ。各エピソードのあらすじを見て、気になったものから見ていくのがオススメです。


本作は、見る人によって好きなエピソードが結構な割合で分かれると思っているのですが、筆者は、シーズン2「ホワイト・クリスマス」、シーズン3「サン・ジュニペロ」「殺意の追跡」、シーズン4「宇宙船カリスター号」が特にお気に入り。「ブラック・ミラー」を視聴された方でお好きな方がいたらぜひ好きなエピソードと理由をコメントにお寄せください。



記事執筆時点で「ブラック・ミラー」は、シーズン4まで(全19話)Netflixにて独占配信中です。
《秋夏》
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