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これぞ本物! 実物の戦車を使った迫力の機甲アクション「フューリー」【コントローラーを置く時間】

GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介する企画「コントローラーを置く時間」。今回は、ブラピ率いる戦車部隊を描いた「フューリー」をご紹介。

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「フューリー」 (c) Norman Licensing, LLC 2014
  • 「フューリー」 (c) Norman Licensing, LLC 2014
  • 「フューリー」 (c) Norman Licensing, LLC 2014

ハードコアゲーマーのためのゲームメディアGame*Sparkでは、日々、様々なゲーム情報をご紹介しています。しかし、少し目線をずらしてみると、世の中にはゲーム以外にもご紹介したい作品が多数存在します。

そこで本連載では、GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介していきます。今回ご紹介するのは、ブラピ率いる戦車乗りの生き様を描いた「フューリー(原題:Fury)」(2014)です。

男たちのキズナを描いた極限のスペクタクル


年齢を重ねるごとにますます輝きを帯びているのがブラピことブラッド・ピット。大人の男性としての魅力をさらに加速させるブラピが主演、製作を兼任したのが第二次世界大戦の戦争ドラマ映画「フューリー」です。「イングロリアス・バスターズ」(2009)ではナチスせん滅を掲げる特殊部隊、バスターズを率いる型破りな軍人を演じ、「マリアンヌ」(2016)ではナチスの要人の暗殺を担う、秘密工作員に扮するなど、ナチスに挑むキャラクターをたびたび演じてきたブラピ。そんなブラピが今作では筋金入りのコワモテ戦車兵に扮し、再びナチスと対峙します。

第二次世界大戦末期の西部戦線を舞台に、ひとりの新兵の成長と仲間のキズナを描いた今作。主人公のウォーダディー(ブラッド・ピット)は歴戦のベテラン兵で、シャーマン中戦車の冷徹なリーダーでした。同じ戦車を駆るほかのクルーには砲手のバイブル、装填手のクーンアス、操縦手のゴルドの3名がいます。しかし副操縦手は先の交戦により死亡。後任者として補充されたのは軍事訓練をほとんど受けていない一兵卒のノーマンでした。少年のあどけなさが残るノーマンは、ウォーダディー率いる歴戦の部隊とともにヨーロッパの危険な前線へと突き進んでいくのです。

いきなりの過酷な戦いに身を投じたノーマンは、シャーマン中戦車の個性的なクルーとの交流と、地元の少女とのひと時の安らぎを経て、次第に一人前の兵士として成長していきます。しかしここにきて、彼らに最大の危機が訪れます。それは彼らの強固なチームワークさえ粉砕する到底不可能な任務だったのです。本作は、ノーマンとウォーダディーの関係性にスポットを当て、戦争のおぞましさをリアリスティックに表出した見ごたえ充分な作品です。

戦争の現実をまざまざと映す、エモーショナルな物語


「フューリー」 (c) Norman Licensing, LLC 2014
「フューリー」 (c) Norman Licensing, LLC 2014

歴史考証の観点から言うと、この映画はほとんどフィクションといっても過言ではないでしょう。この映画の背景として提示されているのは、第二次世界大戦が大詰めにさしかかった1945年4月という僅かな情報くらいです。主人公らが所属している第二機甲師団というのは当時存在しましたが、実際に「西部戦線のどの場所での任務なのか?」というのは、映画内ではハッキリと明言されません。とはいえ、作中ではヒトラーユーゲントの子どもたちを登場させたり、ナチス占領下の小さな町では粛清された市民の亡骸を捉えたりと、行く先々で目撃する戦争の実態をまざまざと描写しています。

こうした現実を受け入れられず、戦いを避けようとするノーマン。「撃たなければ撃たれる世界」を思い知らせるために、ウォーダディーはノーマンに対して捕虜のドイツ兵の射殺を強要します。ウォーダディーはこの腐りきった世界での生き残り方を、新兵のノーマンに教え込もうとするのです。一見、冷酷そうに見えるウォーダディーですが、彼自身もノーマンと同じように戦争には辟易しているのでしょうか。ウォーダディーは戦争によって歪められた感情の奥に、本当の温かさを隠した人間味あるキャラクターでした。

本物の戦車、本物の迫力、本物の死闘!



重厚感あふれる機甲戦シーンは本作の最大の見どころでしょう。この映画に登場する連合軍側の戦車は、通称シャーマンと呼ばれるM4中戦車。『Call of Duty』『Battlefield』などに登場するゲーマーにはおなじみの戦車ですね。主人公らが搭乗するのは“Fury=憤怒”と名づけられたA3E8型シャーマン戦車で、砲身には白ペンキで“Fury”と書かれています。これはウォーダディーのナチスに対する憎悪からくるものでしょうか。戦車という名の鉄の塊は、次第に怒りの権化のように見えてくるでしょう。

対してナチス・ドイツ軍側の戦車は、この当時最強と恐れられたVI号戦車(ティーガーI)。こちらもゲーマーのみなさんにはすっかりおなじみとなったビークルですよね。基本的にVI号戦車はシャーマンよりもデカいし強いし装甲だって厚くて「勝てるわけがない!」と叫びたくなるほど。実際に、映画中盤ではウォーダディー率いる4輌のシャーマン中戦車と、たった1輌のVI号戦車が激突。これだけの車輌差をもってしても最強の座を譲らないのがVI号戦車のスゴいところ。

まさに『World of Tanks』さながらの機甲戦を展開し、生きるか死ぬかの極限状態を臨場感たっぷりに描いています。おまけに本作に登場するVI号戦車は、英国の戦争博物館より貸し出された実物だというから驚き! 映画の端々にはこうした実物に見劣りしない細かなプロップが配置されていて、ゲーマーとしては非常に満足度の高い作品となっています。もちろん戦車内部のディテールに関しても手抜かりなく、車輌内の狭くて居心地の悪い感じがうまく表現されています。圧倒的なスペクタクルと、エポックメイキングな戦車描写を見事に融合させた、戦争映画史に残る秀作です!



映画「フューリー」はNetflixU-NextAmazonプライムで視聴可能。そのほかのサイトでは有料にて視聴できます。
《Hayato Otsuki》
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