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日米キャスト共演で贈る、和風アクション・ファンタジー「47RONIN」【コントローラーを置く時間】

GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介する企画「コントローラーを置く時間」。今回は、見事に失敗作の烙印を押されたトンデモ映画「47RONIN」をご紹介。

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ハードコアゲーマーのためのゲームメディアGame*Sparkでは、日々、様々なゲーム情報をご紹介しています。しかし、少し目線をずらしてみると、世の中にはゲーム以外にもご紹介したい作品が多数存在します。

そこで本連載では、GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介していきます。今回ご紹介するのは、日米の豪華キャストが総力を結集した映画「47RONIN(原題:47 Ronin)」(2013)です。

いまだからこそ観たい大コケ映画


古来の日本を描く戦国アクション・アドベンチャー『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』がリリースされました。フロム・ソフトウェアとActivisionがタッグで贈る本作は、海外メディアのレビュースコアで軒並み高得点をマーク。フロム作品特有の硬派すぎるゲーム性には一段と磨きがかかり、「フロム史上最高難易度」という評価が相次ぐほど。また今年は『SEKIRO~』を筆頭に、『仁王2』『Ghost of Tsushima』といった和風アクションの注目タイトルが発売を控えています。

日米の豪華キャストが結集した映画「47RONIN」は、こうした和風アクションのビデオゲームがブームの兆しを見せるいまこそ、あらためて評価すべき作品ではないでしょうか。1億7500万ドルという莫大な費用を投資した本作は、当時、世界各国で封切りされるやいなや早くも大コケというトホホな有様に。日本の有名な俳優たちがキャスティングされているにもかかわらず、映画は国内でもイマイチの走り出しをキープし、映画史上に残る大赤字作と酷評されました……。

本作は、日本の古典として有名な“忠臣蔵”にインスパイアを受けた作品で、全編にわたって和風アクションが展開します。そこに魔物や妖術、天狗といった和的なファンタジーを加味し、壮大なスケールで放つ“新しい忠臣蔵”を描いているのです。

映画は興収、評価ともに惨敗の結果を招きましたが、ケレン味に富んだヴィジュアル面は実にビデオゲーム的であり、かつ日本文化とファンタジーの融合は非常に前衛的なものでした。われわれビデオゲーマーの視点から俯瞰すると、天狗や妖怪というファンタジックな要素と、時代劇のミックスは『天誅』シリーズを彷彿させます。

また映画の背景に映る美術セットや装飾品は“中国的”だと当時批判されたようですが、そもそも忠臣蔵をベースとし、おとぎ話の要素を付け加えた“時代劇ファンタジー”である本作に、過度なリアリティを求めてはいけないのです。

かなわぬ恋にゆれる仇討ちの物語


世界的スター、キアヌ・リーブスが演じるカイは、浅野(田中泯)を城主とする豊かな領地・赤穂に暮らす異邦人。森の中でぐったりと倒れるカイを発見し、救い出した浅野は、周囲の反対を押し切り、素性不明のカイを赤穂に住まわせたのです。そんな浅野の娘ミカ(柴咲コウ)はカイの唯一の友人であり、互いにかなわぬ恋に身を灼く相手でした。浅野家に対して感謝の念を抱くカイは、いつかこの恩義に報いるため、自らの命をもってしても浅野と娘ミカに尽くすとこころから誓うのです。

しかし、ある事件によって切腹の命を受けた浅野は、娘ミカを残してこの世を去ることとなるのです。浅野が死ななければならなかったワケは、長門の国の君主である吉良(浅野忠信)と、不気味な妖術を使うミヅキ(菊地凛子)の策略によるものだったのです。本来の忠臣蔵では吉良に対する不平不満が募り、自ら斬りかかった浅野でしたが、本作では吉良とその側室である妖女ミヅキらの“陰謀”というオリジナル解釈を付与し、よりサスペンスめいたストーリーを展開させています。

赤穂の筆頭家老である大石(真田広之)は、無念にも死した浅野の仇を討つべく、長門の国への討ち入りを決意するのです。最初は大石とカイとの間に、根の深い確執が生じていました。しかし、主君の仇討ちという高邁な志を一致させたとき、ふたりの溝は徐々に埋まっていきます。そして、吉良にさらわれたミカ姫を救うべく、カイは殉愛に突き動かされ、47人目の浪士として討ち入りに参画するのです。

異邦人として差別に苦しんだカイでしたが、次第に本当の“サムライ”として周囲から認められていきます。わたしたち日本人が忘れかけている“武士道”の精神を、この映画は異邦人カイというキャラクターを通じて再び思い出させてくれるのです。スカッとする勧善懲悪のストーリーに、ファンタジーとラブロマンスを含めた本作は、まさに新時代の忠臣蔵と銘打っていいでしょう。そして映画は、実に“日本らしい”結末を用意しています。



現在、映画「47RONIN」はAmaonプライムで視聴可能。種々のジャンルを内包した時代劇ファンタジーである本作には、日本文化に対するリスペクトと稀に見る挑戦心が鼓動しています。
《Hayato Otsuki》

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