日本全国の合衆国大統領の皆さんに朗報です!15年前に発売された伝説のメカアクションゲーム『METAL WOLF CHAOS』のアップグレード移植版である『METAL WOLF CHAOS XD』が、8月6日に発売されるのです!『METAL WOLF CHAOS』はその尖りまくった内容でハードコアなファンを集めた作品でしたが、対応機種は初代Xboxのみだったため、現在ではプレイするのが困難でした。移植版が発売されることでグンとプレイする敷居が下がるため、待っていたプレイヤーの方も多いでしょう。
今回、Game*Sparkはそんな『METAL WOLF CHAOS XD』を先行プレイする機会に恵まれました!筆者は初代Xbox版のプレイ経験がありますが、現世代機で描かれる大統領活劇の試遊ができると聞いたときには、興奮で心の中の星条旗が激しくはためきました。そんなわけで本稿では、フロム・ソフトウェアとDevolver Digitalが発売する『METAL WOLF CHAOS XD』のプレイレポートをお届けします!
先ほども触れたとおり、『METAL WOLF CHAOS』はフロム・ソフトウェア開発のアクションゲームです。プレイヤーは合衆国大統領マイケル・ウィルソンとなってパワードスーツ「メタルウルフ」を身にまとい、クーデターを起こした副大統領一派と戦っていくことになります。控えめに言ってもかなりブッ飛んだ設定ですが、こうしたトンデモ感も本作の大いなる魅力のうちの一つです。
さらにもう一つ、本作には大きな特徴があります。それはテンションの高さです。90年代のハリウッド映画的な気の利いた(?)セリフを発し、ド派手な爆発と共に幕を開ける大統領の登場シーンから、本作が普通のメカアクションゲームではないことがわかります。ソウルシリーズ以降のシリアスなフロム・ソフトウェアの作風を思うと、想像もつかない世界観ですよね。
ギャグの切れ味は鋭く、発売から十年以上が経過しているとは思えないぐらい尖っています。今回はGame*Spark編集部の衆目ある環境でプレイしたのですが、こらえきれず笑ってしまうシーンも沢山ありました。オリジナル版発売当時は「破天荒ギャグ」で済んでいた場面が、現代ではちょっとしたブラックジョークに感じられる……というようなこともあったりなかったりします。
ゲームプレイも、そのハイテンションな物語に違わずド派手。「メタルウルフ」の背面コンテナに収納したいろいろな武器を持ち替えながら、ガンガンぶっ放して敵を倒していきます。とはいえ残弾の管理やブーストゲージ管理があったりと、フロム・ソフトウェアの『アーマード・コア』シリーズ的な硬派さも感じられます(若干ではありますが!)。十年以上前のゲームとは思えないほどプレイフィールは良く、操作に慣れたらすぐさまド派手な戦闘を味わえます。今遊んでも爽快感は抜群です!
4K対応(※PS4 Pro/Xbox One Xではアップスケールでの対応、PCではネイティブでの対応。今回はPS4 Proでプレイ)ということもあって、グラフィックスはかなりキレイになっています。しかしながら、あくまで移植なので「現代のゲームと見違える!」というような程ではなく、あえて原作のテイストが忠実に再現されています。
試遊でプレイできたミッションは限られた範囲のみでしたが、その中で特に気に入ったのはサンフランシスコのチャイナタウンをモチーフにしたステージです。怪しげな看板が街中に張り巡らされていてケレン味たっぷり。グラフィックのHD化と原作準拠のローポリ感の融合が妙な雰囲気を生んでおり、『METAL WOLF CHAOS』の世界に新しい味わいを加えています。
ステージをクリアすると報酬がもらえ、その報酬によって新しい武器を開発して装備する、というちょっとしたやり込み要素も搭載されています。同じステージを何度もクリアすることも可能なので、どうしても進行が難しいときは過去のステージにこもって機体を思う存分強化してから臨む、というようなプレイングも可能なようでした。また、いろんな武器の組み合わせから自分なりの最強装備を見つけ出す、といった楽しみもありそうです。
……と、このように魅力たっぷりの『METAL WOLF CHAOS XD』。ゲームプレイはまったく古びておらず、現代に遊んでも楽しい一作になっていると感じました。繰り返しになりますが、きわどいギャグセンスやブッ飛んだストーリー展開などには時代を超えた面白さがありますし、原作ファンはもちろんのこと、オリジナル版未プレイのプレイヤーもきっと気に入ることでしょう。
また、今までメカアクションゲームに触れてこなかった方が、ジャンルに入門する一本目として選ぶのにもぴったりと言えるでしょう。操作はそれほど複雑ではないのですが、それでいて慣れが必要になるときもある良い塩梅のバランス感。最初のうちはうまく動かせなかった「メタルウルフ」が、いつの間にか自分の手足のように操縦できるようになっている……というメカアクションゲームのキモになっている感覚を、お手軽かつ存分に味わえます。
おなじみのネタまで忠実に移植・再現しただけではなく、オートセーブ機能の追加などで遊びやすさも向上した『METAL WOLF CHAOS XD』。筆者は試遊の間、15年前のゲームだということを忘れて熱中してしまいました。価格も2,916円(税込)とお値打ちですし、原作のファンにも原作未プレイの新規ユーザーにもどちらにもオススメできる移植版に仕上がっていると感じましたよ!『METAL WOLF CHAOS XD』は2019年8月6日にPS4/Xbox One/PC(Steam)で発売予定です。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
連載・特集 アクセスランキング
-
高自由度ファンタジー人生シム『ワールド・ネバーランド2 ~プルト共和国物語~』Steamへの移植なぜ?シリーズの“今後”に迫る【インタビュー】
-
敵の力を身につけながら進むソウルライクなメトロイドヴァニア配信!悪鬼を倒し、自分自身が悪鬼になる―採れたて!本日のSteam注目ゲーム6選【2024年4月10日】
-
PvE専用の『タルコフ』ライク架空現代ベトナムCo-op脱出シューター『Incursion Red River』配信/英雄の魂から能力を得ていくローグライクACT『蒐命のラスティル』発売日発表/Modを使わず『マインクラフト』で『DOOM』を再現【週刊スパラン4/5~】
-
海外レビューひとまとめ『Harold Halibut』―『クレイマン・クレイマン』を連想せずにはいられないが、それは見せかけにすぎない
-
【クラフトサバイバル名鑑】「英雄コナン」が原作の『Conan Exiles』増え続けるコンテンツで魅力を失わない!多彩すぎる遊び方でプレイヤーごとの楽しみが味わえる
-
世界は”発見”の喜びに満ちている―「大航海時代」テーマのオープンワールド航海ADV『Sagres』日本語試遊レポート【BitSummit Let’s Go!!】
-
海外レビューひとまとめ番外編「フォールアウト」実写ドラマ版―最も興味深い人間ドラマが“Vault Dweller”たちの物語だと理解していた
-
「より多くの人が納得して、優れたゲームプレイを楽しめること」を追求する…アクションRPG『Horizon Forbidden West Complete Edition』PC版移植チームが注ぎ込んだ情熱とは?【インタビュー】
-
『L4D』『Sea of Thieves』などを組み合わせたようなPvEが楽しめる最大4人協力シューター『Jump Ship』が期待大!チームで1つの宇宙船に乗り込み惑星や宇宙でのミッションに挑む【今週のインディー3選】
-
『シュタインズ・ゲート』の懐かしすぎるネットスラング10選