『R-TYPE FINAL 2』開発インタビュー!ファンとメーカーが一体となって達成したクラウドファンディングの舞台裏を聞く【ぜんため&TGS2019】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『R-TYPE FINAL 2』開発インタビュー!ファンとメーカーが一体となって達成したクラウドファンディングの舞台裏を聞く【ぜんため&TGS2019】

1週間という短い期間で、クラウドファンディングを通じて8400人が支援し1億円の資金調達に成功した『R-TYPE FINAL 2』。その舞台の裏をインタビュー!

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『R-TYPE FINAL 2』開発インタビュー!ファンとメーカーが一体となって達成したクラウドファンディングの舞台裏を聞く【ぜんため&TGS2019】
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1週間という短い期間で、クラウドファンディングを通じて8400人が支援し1億円の資金調達に成功した『R-TYPE FINAL 2』。その舞台の裏ではどういった事があり、どういった想いがあったのか。8月に開催されたイベント「ぜんため」でにぎわう岐阜の町でグランゼーラのプロデューサー九条一馬氏(以下九条氏)にお聞きしました。なお、写真については一部東京ゲームショウに展示されたものを掲載しています。


――今日はよろしくお願いいたします。まず、グランゼーラという会社のことをお聞きしてよろしいでしょうか。

九条氏グランゼーラという会社は、2011年の春にアイレムソフトウェアエンジニアリングに所属していたメンバー7人で独立し金沢市で創業した会社です。現在は、金沢市の隣の野々市市と名古屋市に制作拠点があり、そこでゲーム開発をしています。制作しているのは、コンシューマーゲームが主ですが、VR施設向けのVRタイトルの制作なども行っています。

ゲーム業界に入った当初はどういったゲームを作っていたんですか?

九条氏僕は元々はRPGを作りたくてゲーム業界に入ったのですが、最初に入った会社がアーケードゲームに力を入れている会社だったため、アーケード部門に配属されました。当時、『海底大戦争』という潜水艦が主人公のシューティングゲームを作っていました。

――最初はアーケードゲームを開発されていたんですね。コンシューマゲームに関わるようになった当初は?

九条氏いつかはコンシューマゲームの開発をやってみたい。と思っていて、その念願は叶ったんですが、最初のコンシューマーの開発はプレイステーションで『R-TYPEデルタ』の開発でした。

――夢が叶ってコンシューマー開発はできただけど、ちょっとそうじゃない感があったのでは?

九条氏いやー、確かにアーケードで海底大戦争やメタルスラッグなどのシューティングゲームを作っていたので、コンシューマになったらRPGを!みたいには思っていましたが、コンシューマを作れる環境に移籍しても、シューティングゲームの開発になりました。それでもコンシューマーの開発ができたというのはとてもうれしかったです。元々の『R-TYPE』はアーケードのタイトルでドット絵のゲームという印象が強かったのですが、当時ポリゴン表現を売りにした家庭用ゲーム機がでてきていたので、あえてポリゴンを使った3Dの表現でやってみようということになりました。R-TYPE デルタの開発を始めたのは1997年のことです。アーケードゲームでプレイされるのが主流のシューティングゲームシリーズをコンシューマゲーム用として作ることについては、あれこれ悩みました。アーケードと違って、コンシューマーでのプレイは人に見てもらう楽しさがない、いいプレイをしても誉めてくれる人がいない、その中でどうやったら何回も遊んでもらえるのかな?と考えて特定のプレイ条件を達成すると表彰される要素を入れました。アーケードのタイトルを普通にコンシューマーで作っても、アーケードゲームで成立していたおもしろさは出せないのではないかと思っていました。アーケードだと100円の真剣勝負があるじゃないですか

――アーケードでのプレイはどんなにつまらないミスでもリセットできないですからね。

九条氏そうなんですよね。プレイ時間が大きく制限されるので、とても集中してプレイができる。その上でゲームオーバーになるとどんな不本意でもその日はプレイをやめて帰らないといけない。「何がダメだったんだろう?」「どうしたらいいんだろう?」ってもう授業中もずっと考えてたりしますよね。あれがアーケードゲームのシューティングのおもしろいところだと思うんです。

――高校生の頃は授業そっちのけで放課後を楽しみにしていましたね。最近はゲームセンターが減ってしまいましたが、アーケード特有の緊張感を表現したかったわけですね。

九条氏そんなおもしろさのあるシューティングゲームを家庭用にして、無制限にプレイできるとなると1回のプレイで体感できる緊張感が生み出せない、集中力も続かない、それでいてすごく消耗するので、クレジット制を導入して無限にコンティニューができないようにする必要だと思っていました。1プレイの緊張感を大事にしてほしいと思っていました。その後、『R-TYPEデルタ』の開発を終えて、『絶体絶命都市』などを開発していたんですが、時々問い合わせが来るんですよ。『R-TYPE』はもう作らないのかって。そのようなアツい応援メッセージを拝見しながらも、シューティングゲームの売り上げも厳しいし、残念だけれども横STGは当時はゲームの主流ではないんだなあと思いながら、いつまでも応援してくれている方に申し訳ないので、最後であることを伝えるために『R-TYPE FINAL』を作りました。

――時代の流れですからね。『R-TYPE FINAL』は2003年の頃でしたね。


九条氏当時の開発スタッフにもSTGは知ってるけどプレイしたことがないというスタッフも出てきたりして、僕のように、アーケード部門に配属されたことがあり、シューティングゲームの開発経験がある人はどんどん減っていたので、この先社内でシューティングを作るのは、ビジネスの面でも、開発スタッフのモチベーションの面でも難しいと思っていました。その頃は『R-TYPE』の権利をオープンソース化して、作りたい人が作ればどうだろうと思っていましたね。当時のインタビューでももう作りませんと言っていたと思います。そんなこともあり僕の中では『R-TYPE』は終わったことになっていました。その数年後に『R-TYPE』のシミュレーションゲームを作れたし、R-TYPEに関しては、やり切った感もありました。


――それが『R-TYPE FINAL 2』開発につながったのはどうしてなのでしょう

九条氏この数年は『巨影都市』や『絶体絶命都市4Plus』などPS4でアクションアドベンチャーゲームの開発を行っていましたが、昨今の家庭用ゲーム機を見ていると、デルタやファイナルの時に『R-TYPE』を家庭用にもっていった時に満たせなかったこと、例えば先ほどお話したアーケードゲームの人に見られていることや緊張感などなんですけど、何かやれるんじゃないか。と思うようになりました。今のゲーム機は通信につなぎやすくなっているし、YouTubeに昔のシューティングの実況動画があがっているのを見て、プレイしているところを見てもらえるやん、と思いました。また、画面が横長になったこともありこれで横シューを作ったら面白いんじゃないかと思いました。『ダライアス』みたいに3画面にするとかじゃないけど、横STGを作ると画面の幅が足りないと思ってしまうんですね。R-TYPE デルタを作っている時に画面の窮屈さを感じていたのですが、今から画面の横に長くなっていることもあり、少しずつ「今R-TYPE作ったらどんなことができるかな?以前できなかった何かできるんじゃないかな」と、と思うようになりました。

――『ダライアス』は横に長すぎますよね。画面が16:9になったことで新しい横STGの可能性に気付かれたわけですね。

九条氏そうです。ただ、私が「R-TYPE作ったらおもしろいものができるかな?例えば…」のように話をしていても、周りも本気にしてなかったので「あ~いいんじゃないですか?」みたいな返答だったんですけど、周囲に聞きながら感触を確かめたりしていました。2、3年ほど前のことだと思います。とはいえ、PS4で今横STGをリリースしてもSTGがゲームセンターの主役だったころのコンシューマ移植のようにセールスが回復するとも思えないし、そもそもセールスが伸びない横STGで会社や関係者を説得できるのか、ということはとても気にしました。また、一度は『R-TYPE FINAL』としてシリーズを終わらせている自分が『R-TYPE』を今から作ることが許されるのか?という葛藤もありました。

――かなりもやもやとされた中で確かめていったのですね。

九条氏他のゲームの開発が忙しい中での現実逃避みたいなところもあったのかもしれないんですけど、話を進めたり、ためらったり、また少し進めたり、躊躇したり、作ることになりつつあっても何だかすっきりしない。そんなある日以前エイプリルフール用のネタとして作った『R-TYPE FINAL 2』の画像をTwitterで見かけて何気なくRTしてみたらすごい反応がありました。今でも『R-TYPE』に感心をもってくれいる方がいてくれて、反応してくれたり、応援メッセージをいただけてびっくりしました。こうなったら力強く進めようと思いましたし、会社のプロジェクトとして、新しい『R-TYPE』を進める上で説得力を持たせるために、クラウドファンディングをやってみようか、本当に今『R-TYPE』を見てみたい、やってみたいと思っている方に協力してもらえないだろうかと思いました。

――待っている人を巻き込んでしまおうと。

九条氏一方で、企業がクラウドファンディングをやるのは賛同してもらえるのか。と思いましたので『R-TYPE FINAL 2』のデモリールとWebページを作って、ページの下のほうにクラウドファンディングやるかも。とこそっと書いておきました。もしクラウドファンディングをやることについて評判が悪かったら止めようって(笑)。そうしたら、反響がすごく来たんですよ。いつやるんだって。5月に会社の一部を移転したのですが内装に来てくださった業者さんが「ここってあのグランゼーラさんですよね?クラウドファンディングいつやるんですか?」って言ってくれるんです。

――いたるところから期待の声が!

九条氏クラウドファンディングが無事に終わってからゲーム業界の人から「いやー達成すると思ってましたよ」と言われたんですけどやる前もやっている間も我々はドキドキでしたね。

西村氏1週間は短いという声も来ましたね。短い期間だったので、みんな金額が達成できるのかすごく気になっているみたいでした。

九条氏ファンや取引先も一緒になって応援してくれるんですね。地元の県庁の方やメインバンクの方もクラウドファンディングで支援しました!って言ってくれるんですよ。(笑)

――県庁やメインバンクまで……! 地元からのアツい応援がいっぱい届いたわけですね

西村氏 みんな達成できるかどうか気になっていて、Twitterで俺のフォロワーにファンはいないのか!!と支援を呼びかけるツイートをしてくださる方もいたんですよ。

九条氏巻き込んでる感、一緒に盛り上がってる感はすごかったですね。恐らく、『R-TYPE』を今作るということ自体が新鮮だったんでしょう。STGを作るメーカーも少なくなってしまったし、グランゼーラが非力なので、「助けないと」と心配してくださっている方もいらっしゃったのではないかと思います。

――メーカーとファンが一体になっていくアツい展開ですね

九条氏だた、最初の情報を4月1日に出したのはちょっと誤解を招き申し訳ないと思いました。普通に年度初めだから4月1日にリリースを出したのですが、エイプリルフールだからネタじゃないか?とインターネット上では多くの方が言っていて、海外の人も「グランゼーラが4月1日に書き込む場合は信用してはいけない」とか書いてあるんですよ。グランゼーラは、ここ数年エイプリルフールでイベントがやれていないので、エイプリルフールブランドが薄れていると思っていたのですが、タイトルも嘘くさくて、紛らわしかったのだと思います。やきもきされた方には申し訳ないと思っています。

――年度初めだから出しただけなのに、予想外の方向に(笑)クラウドファンディングでの支援ですが、国内外どちらが多かったのでしょうか

九条氏半分が日本で残り半分が海外ですね。ただ、海外は送料などもかかってしまうので国内外で費用に差が出てしまうのが申し訳ないですね。あとは期間を1週間にしたのは反省点としてあります。社内の事情で1週間にしたんですが、クラウドファンディング開催を知ったのが終了後という方もいらっしゃいました。

西村さん日にちを1日勘違いしていて支援できなかったという方もいらっしゃいましたね。

――クラウドファンディングも注意点があるのですね。でもすごく熱量のある反響がファンから返ってきたわけですね。

九条氏僕が普通に『R-TYPE』を作ろう言って通常の流れで開発をスタートしてもこんなに盛り上がらなかったと思います。業界内でも「今横シュー作って大丈夫?」という声ばかりになっていたかもしれないです。『R-TYPE FINAL』の時に横STGは知ってるけど触ったことがないという人が居る話をしましたが、今はさらに進んでいて横STGの存在さえ知らない。シューティングというとFPSになってしまう。百歩譲って、縦STGですね。

――縦STGは『東方』や同人ゲームに残っていますからね。他にクラウドファンディングをやってみて感じたことは?

九条氏ゲーム業界の人もこんなに反響があったことに驚いていたようです。ゲーム開発を始める方法、ゲーム企画を通すための方法として、クラウドファンディングは一つの方法として今後もとても重要になると感じました。ゲームメーカー勤務のプロデューサーやディレクターの中には、企画を通したくてうまくいかず困っている人がいると思います。そのゲームに需要があることを直近の販売データだけで判断されてしまうと提案の幅が極端に狭まってしまう。企業は投資が回収できるか、儲けが出るかということについて責任があるし、プロデューサーやディレクターも当然その責任を帯びているんだけど、仮説を立てても、どうにも需要があることを証明しにくい時はあると思うんです。

――ああ、たしかに。社内でお金を出してくれる人は、必ずしもゲームを買うわけではないですからね。

九条氏そうなんですよ、リサーチ会社さんに予測を出してもらったり、それを反映した企画書を出したりして会社を説得するのに苦労するんですけど、会社の上層部じゃなくて、顧客層にこんなゲームを作りたいんだって訴えるほうがエネルギーの使い方として健全なのかなと思いますね。実際に応援してくれる人がこんなにいるんだって数値と熱意が見えるのがクラウドファンディングはいいですね。その数字を持って、会社を説得する、経営者に納得してもらうという方法が今後増えていくとおもしろいと思っています。

――そうですよね。反応があってこうやって取材まで来ますからね。私はクラウドファンディング達成のニュースを見て、絶対取材しようと思っていました(笑)

九条氏ゲームメディアで横STGというジャンルが紙面を賑わせることってもうずっと無かったのですが取り上げてもらえましたね。他にも日経新聞北陸新聞中日新聞から経済面や社会面に掲載したいと取材がありました。石川県という地方の企業がクラウドファンディングで1億円を調達というのがニュースになったんです。地方都市だとゲーム会社自体少ないので何の会社かわからないと思っている人もいますから、インパクトがあったと思います。グランゼーラも少しは胡散臭い印象が薄れたと思っています(笑)

――ゲーム業界以外の新聞記事にも掲載されてすごく広まったわけですが、それだけ期待も大きいということかと思いますが、いかがでしょうか

九条氏ゲーム業界以外のメディアの方は、『R-TYPE』に期待をしてくれている訳ではないと思いますが、おかげ様で最近ゲームをしていなかった方にも伝わって、「R-TYPE懐かしい!まだやってるんだ」と思ってくださっている方がいらっしゃるのは間違いなさそうです。

『R-TYPEデルタ』『R-TYPE FINAL』はそれぞれに制作上のプレッシャーがありました。特にデルタの時は、ドット絵で好評を博してきたシリーズタイトルをポリゴン化するというのは当時制作メンバーの間では相当なプレッシャーでした。『R-TYPE FINAL』の時は、デルタの時のようなプレッシャーはありませんでしたが、デルタがあまり売れなかったので、横シューが売れるところを最後に見せたいという意地があったと思います。『R-TYPE』をFINALにする決断をしながらも、何か悔しい気持ちがあったのだと。今回の『R-TYPE FINAL 2』はそういう重圧がなくて横STGの可能性をどう表現していくか楽しみにして制作しています。

ただ、旧来のファンが求めるコアな横STGと新規のファンにもとっつきやすくする横STGの難易度についてはプレッシャーがあります。だけど、以前の『R-TYPE』を作っていた時のようなプロデューサーやディレクターとしての外から来るプレッシャーではなく、純粋にゲームデザイナーとして『R-TYPE』にどんな可能性があるかを引き出すプレッシャーです。

――それぞれの理想があるのでこれは難しいですね。国内外を問わずにファンの期待は大きいようですね。

西村氏『R-TYPE』のファンは私達に伝えたいことが多すぎて、弊社の問い合わせフォームに20回に分けてゲーム内容に対する要望のメッセージを送ってくれる人がいらっしゃったり、インターネットを使わずに手紙を送ってくる人もいて熱量がありますね。

――20回……そんな想いを抱き続けているファンもいるということで、気になる発売のご予定は?

九条氏クラウドファンディングで約束していますので、2020年の秋、遅くても年末までには出したいと思っています。少し前から、以前の『R-TYPE』を作った先輩たち、過去作を開発に関わった方々にお会いして当時どういう想いで開発をしたかを尋ねたりしています。

――開発チームの中の若い人が横STGをやったことがないと聞いたのですが、どのように当時の事を伝えているのでしょう

九条氏今はTOZAI GAMESさんの『R-TYPEディメンション』をやってもらってレポートを書いてもらっていますが、新人スタッフには横STGどころかドット絵のゲーム自体が新鮮みたいですね。「なぜこのゲームは奥にいけないの?」とか「なぜ(自機が)振り向かないの?」とかいろんな事を言ってますね。

――お……おぉ。飛行機がボタン一つで左右反転するのはちょっとどうかと……

九条氏僕もアイレムから『R-TYPE FINAL』の仕様書を取り寄せて見直したんですけど、その時の制作方針に「ボタン一つでフォースを前後に付け替えるなどの機能については一切検討しない」と開発初期に宣言してあるんですよ。だって、それをやり始めたら『R-TYPE』じゃないですからね。でも若いスタッフは「ボタンで付け替えた方がいいじゃないですか」って言うんですよ。僕も上司になったので、なぜダメなのか説明できないといけないなと思いました。実は初代『R-TYPE』の開発でも様々な試行錯誤とがあったそうなんです。フォースが上下につくとかロボットに変形する案とかもあったと先輩から聞きました。その中で取捨選択して洗練させてあの形にしたのだと思います。ただ、今から同じ思考錯誤をするのは避けたい。先人が積み上げてくれたR-TYPEをスタート地点にして、次の『R-TYPE』を作りたいんです。だから、以前行った思考錯誤は省いていきます。

――上下……ロボット……それはともかく今の若いスタッフの皆さんの意見もそう考えるといろいろな意見が出るのはあながち間違いではないのかもしれないですね。

九条氏私がゲーム業界に入った頃は、初代『R-TYPE』はすでに世に出ており、ちょうど先輩たちが『R-TYPE2』を作っておられました。初期の『R-TYPE』を作ってこられた方々から直接話を聞けたり、テストプレイをさせてもらったのは、自分にとってよかったと思います。昭和平成、令和と元号が2つ変わった中で令和の『R-TYPE』を気負わず、横STGの可能性を考えて作るチャンスだと思っています。多くの人がこんなに応援してくれた環境でゲーム開発ができることはゲーム開発者にとってとても恵まれていることだと思います。この追い風を活かして頑張ろうと思います。

――今日はありがとうございました。

ファンとメーカーが一体となって1週間で予定額の224%、1億円の調達に成功した『R-TYPE FINAL 2』横STGへの想いを失わない人々の情熱が形になる日を楽しみに待ちたいと思います。『R-TYPE FINAL 2』は2020年にPS4/Xbox one/ニンテンドースイッチ/PCで発売予定です。また、東京ゲームショウでは4ホールS01ブースに試遊機が用意されています。
《HATA》
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