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サモナーズリフトの大幅変更を元プロが徹底分析!『リーグ・オブ・レジェンド』アナリストiSeNN氏インタビュー

10周年を迎えた『リーグ・オブ・レジェンド』に大きな変更が加わります。同作のアナリストで今年6月にAXIZで現役生活を終えたiSeNN氏は今回の変更をどう見るのでしょうか?

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10月16日、『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)の10周年を記念した「Riot Pls」にて、前代未聞のサモナーズリフトへの大きな変更が発表されました。

果たして今回の変更では競技シーンにどのような影響があるのでしょうか?発表後間もなく、AXIZではジャングラーとして活躍し、2019年6月に現役を引退、現在は『LoL』のアナリストであるiSeNN氏に、今回の変更についてインタビューを敢行。10年間のプレイ経験、論理的な思考、開発側の心理面、全てを踏まえて競技シーンへの影響を予想してもらいました。

「戦い方のバリエーションが増える」「試合が序盤から動くようになる」と分析するiSeNN氏。サイドレーンの窪み、そして「エレメンタルリフト」が、『LoL』の定石を覆す可能性すらあるということです。




サイドレーンの窪みが与える影響


――マップ全体への変更は10年間の『LoL』史上、初の出来事です。今回の変更に関しては率直にどのような印象を持ちましたか?

iSeNN氏(以下、敬称略)非常に面白いですね。今回の変更は『LoL』の定石が脅かされるぐらい大きな変更になります。これまでチャンピオンの追加や能力変更などは頻繁に行われましたが、マップだけは不変のものだったんです。

――大きな変化としてはTopレーンとBotレーンの窪みでしょうか。

iSeNNかなり大きな変化だと思います。例えば、リコールタイミングの駆け引きに影響が出るでしょう。

そもそも、各レーン戦において、リコールするタイミングは非常に重要です。なぜならタイミングを誤ると、敵ミニオンが死亡してしまい経験値を大きくロストしてしまうためです。また、相手にリコールしたと思わせつつ、ブッシュに隠れて奇襲する戦術もポピュラーです。リコールしたと勘違いした相手は、こちらのタワーにミニオンを押し付けくるので、近づいてきたタイミングで隠れていたブッシュから飛び出してミニオンを全て食べてしまえば、相手の意表をつくことができますからね。

相手は前述した奇襲を防ぐためにこちらのブッシュにワードを刺してきます。そのワードを無効化するために、こちらはコントロールワードを使用するわけですが、今回追加された窪みの奥に隠れることができるのであれば、それらのワードは意味を成さなくなるのです。結果、お互いにワードが1つずつ余ることになるので、別の場所にワードを刺すことできるようになります。

――ブッシュ以外にも窪みの奥に隠れられるので1つのワードでは対処できないんですね。となると、リコールフェイクを完全にケアするのは困難になりそうです。

iSeNNそうですね。ただ、現時点では視界の範囲が不明なので具体的な考察は難しいです。もし、窪みの入り口付近から最奥が視認できるのであれば、奥に隠れることはできなくなりますね。

大きな変化を生み出すかもしれないサイドレーンの窪み


「エレメンタルリフト」は小規模戦を誘発する


――各ドラゴンによる地形変化についてはどういう変化があるでしょうか?

iSeNNドラゴンの地形変化について話す前に整理すべきなのが、ドラゴン自体の重要性が変わるのか否かです。現状ではドラゴンの重要性が高いですが、ドラゴンのバフ効果についても変更があるので、その前提から考える必要はあります。

ただ、ライアットゲームズにとってドラゴンは試合を盛り上げるための大切な要素です。よって、開発側がドラゴンの重要性を低く調整するとは考えにくいです。

――10年間『LoL』をされてきたiSeNNさんだから感じ取れる、開発側の思考ですね。

iSeNN勝利のためにはドラゴンが必要という前提に基づくと、地形変更による大局的な影響は少ないと思います。いずれにせよドラゴンは欲しいですし、ドラゴンを先に触ったチームが不利なのは変わりません。

――Botレーンに2人が配置される定石や、お互いのチームがドラゴンピット周辺で牽制し合うのは変わらないのですね。

iSeNNそうですね。試合展開に関しても、最序盤のレーン戦からジャングルをめぐる戦いに移行する流れも変わりそうにありません。

――ドラゴンを巡る攻防としてマクロな変化は少ないとして、ミクロな変化としてはいかがでしょうか?各ドラゴンがマップに与える影響はそれぞれかなり異なっています。

iSeNN現状よりも小規模戦が起きやすくなるでしょう。バフキャンプの入り口が増える、ブッシュが増える、移動速度が上がる、これらの変更はいずれも小規模戦闘が起こり安くなる要因です。

ライアットゲームズの意図を推察すると、試合のターニングポイントを増やしたいのだと感じました。ドラゴンやバロン出現のタイミング以外にも、試合が動くポイントが多いとゲームが盛り上がると判断したのでしょう。

これまではドラゴンが出現する8分まではなかなか試合が動きませんでした。今回の変更により、序盤でもキルが発生し、試合が動くようになるはずなので、試合の序盤でも観客を退屈させないような調整を狙ったのだと理解しています。



盛り上がりポイントの増加


――開発側の意図も読み取っての分析ですね。頻繁に試合が動くとなると、イベントの盛り上がり方も変わりそうです。

iSeNN40分の試合中、少しでも退屈な時間を減らしたいのだと思います。これまでプロシーンでは、序盤を両チームとも静かにしていることが多かったですからね。

ここまでの話を踏まえると、チャンピオンの評価も変わってきます。ご存知のとおり、チャンピオンはそれぞれ強いレベル帯が異なりますよね。これまでは、ドラゴンやバロンの出現タイミングで強いレベル帯となるチャンピオンにピックが傾倒していました。変更後は序盤から試合が動くと考えられるので、これまで使用率が低かったチャンピオンも選択肢に入るかもしれません。

また、一般的な構成としては3人が序盤に強いチャンピオン、2人が終盤に強いチャンピオンをピックしていました。もっと序盤から戦えるのであれば、終盤に強いADCは不要になるのかもしれません。早いタイミングで試合を動かすために、5人全員が低レベルから強いチャンピオンをピックする戦術も出てくるかもしれませんね。

――チャンピオンの再評価だけでなく、チーム全体の戦術も再検討する必要があるのですね。

iSeNNそうですね。ただ短期決戦を狙うと15分までに優位に立たなければ負け、という構成にもなります。その負け方を嫌うチームは序盤耐えることを意識した戦術を取るでしょう。



各国の戦術にも影響が波及


――チームによって、アグレッシブに攻める戦術と、受けに回ってコントロールする戦術に分かれるんですね。チーム毎の特色がさらに顕著になるのは面白そうです。

iSeNNさらには国の特色もでますね。例えば韓国と中国のスタイルは全く異なっています。韓国はロングゲームが主流ですが、中国は短期決戦が得意です。

長らく韓国の一強が続いていたので、各国のチームは韓国の戦術を真似するようになりましたが、中国のリーグでは序盤から激しい戦闘が起こり、20分までのキル数が凄く多いんです。なので、序盤から激しいスタイルの中国からすると、今回のアップデートは嬉しい変更になるかもしれません。

――国ごとにも様々なメタが形成されて、世界大会はさらに注目度が上がりそうです。今回の変更は、チームや国の戦術にも変化を与えるぐらいインパクトがあるんですね。

iSeNNその他の影響については、挙げればキリがありません。中立クリープの経験値にも変更があるので、当然ジャングルの回り方にも影響があります。ブッシュの増加は、ガンクルートの再検討が必要になるでしょう。最後に全体を整理すると、ライアットゲームズの方針は現状、以下の2点に集約されるのではないかなと思います。

  • 戦い方のバリエーションを増やしたい
  • 試合が序盤から動くようにしたい

今後のマイナーアップデートでもこれらの傾向は変わらないはずです。



――今回のアップデートは、プレイする人と観戦する人、双方にとってエキサイティングな変更になると感じました。競技としてプレイする人、カジュアルに遊ぶ人で受ける印象が変わってきそうですね。まだまだ情報が少ない中、予想していただきましてありがとうございました!

iSeNN僕自身もアナリスト・解説としての適応力が求められると思いますし、今後はあらゆるアップデートにより、『LoL』の定石が変わっていく可能性があるのではないかなと。

僕はプロとして活動する前から、自分のプレイや定石を分析していくのが好きでした。今回の変更に限らず、なんとなくやっているプレイに目を向けることは『LoL』をもっと楽しむ上で重要なことだと思っています。

《OGA》

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