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「死んだ早期アクセスゲーム」をほったらかしにするような会社にはなりたくなかった―心理ホラーパズル『Absinth』開発者ミニインタビュー

インタビューしていてもあまりない、ドイツのインディースタジオによる作品です。

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「死んだ早期アクセスゲーム」をほったらかしにするような会社にはなりたくなかった―心理ホラーパズル『Absinth』開発者ミニインタビュー
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、blackHound開発、PC向けに10月23日正式リリースされた心理ホラーパズル『Absinth』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、アメリカ・カリフォルニア州が舞台の心理ホラーパズル。失踪したZane Zaminskyはその2日後、地元警察によって発見されます。しかしZaneは過去2日間の記憶をなくしていただけでなく、自分自身の娘の存在自体も完全に記憶から消え去っていました。調査が進むにつれ、Zaneの過去と、彼の記憶喪失に対する答え以上のものが明らかになっていきます。記事執筆時点では日本語未対応。

『Absinth』は、720円で配信中





――まずは自己紹介をお願いします。

blackHound私たちは2016年にドイツ・フランクフルトで設立した小さなインディースタジオ、blackHound Studiosです。当初は私EyupとパートナーのAlexander二人で活動を開始し、フリーランスで働きながら、時間があるときにゲーム開発を行っていました。時間が経つにつれ事業も大きくなり、今年には株式会社となり、私たちの趣味が情熱に変わりました。今では私たちがCEOとCTOを務めており、blackHound GmbHと名乗っています。自分たちでゲームを開発しながら、ウェブ開発や3DCGなども手掛けています。現在従業員は6名で(中にはフルタイムではない人もいます)、多くの外部のスペシャリストたちとも一緒に仕事をしています。

――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?

blackHound本作のプリアルファ版の開発は2017年に始まりました。数人のストリーマーにプレイしていただき、Twitchなどで配信していただいたりもしています。それから一年、2018年11月には早期アクセス版をリリースすることができました。しかし当時、ゲーム事業はあまりうまくいっておらず、人材紹介業が好調だったことから、ゲーム開発にあまり時間を取れなくなっていました。パブリッシャーもいませんでしたので、開発資金は自分たちで用意しなくてはいけなかったからです。とはいえ、パッチの更新は続け、プレイヤーたちがどのように本作をプレイしているか観察し続けました。そして今年になり、いつまでも「死んだ早期アクセスゲーム」をほったらかしにするような会社にはなりたくないと思い、数ヶ月前から、最終版に向けての開発ラストスパートが始まったのです。そうしてついに本作を10月23日に完成させることができました。私たちは小さなチームであり、さらに本作の開発はほぼ一人で行なっていたということもあり、限られたリソースの中では良いクオリティの作品を作れたのではないかと思っています。


――本作の特徴を教えてください。

blackHound私たちが初めてPCゲームを作ろうと思った時、すでに発売されているすべてのホラーゲームを知り尽くしていました。ですので、私たちはよりリアルで、それでいてホラーのテイストを持ったゲームを作りたいと思ったのです。本作における私たちの目標は、怖いゲームでありながら、心理的な要素を取り入れる、というものでした。また、私たちは現実味のある設定が好きです。もちろん、私たちの規模では『バイオハザード』や『Outlast』のようなゲームは作れません。しかし私たちには私たちだけが作り出せる雰囲気、ストーリー、レベルデザインがあります。これら3つの要素のクオリティを上げるため、多くの時間を割きました。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

blackHoundはい、私たちは90年代の映画「アライバル/侵略者」が大好きです。ゲームですと、『サイレントヒル』と『Alan Wake』の大ファンです。もちろん他にも影響を受けた作品は多くありますが、主にこれら3つですね。

――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能でしょうか?

blackHound確かに今、他の言語への対応を考えています。本作をプレイしたい方がいらっしゃる地域には、しっかりとした翻訳を提供したいとも思っていますので、有志翻訳は大歓迎です。お手伝いいただける方がいらっしゃいましたら、メールでご連絡ください。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

blackHoundはい、当初(皆さんと同じように)大変なことになると思いました。特にその時、飛行機関連の仕事もしていたので、尚更です。幸いにも会社として生きながらえることができ、本作の開発も6月の半ばから取り掛かることができました。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?

blackHoundはい、もちろんです。すべてのストリーマーの方が本作を配信することを歓迎します。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

blackHound本作と私たちのスタジオをサポートしていただいている、すべての方に感謝いたします。私たちのチーム全員は日本文化、日本食、日本のアニメや音楽が大好きですので、日本のファンの皆さんと交流できるのを楽しみにしています。

――ありがとうございました。



◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
《Chandler》
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