ラグナロスの再実装からバトルグラウンドのデザインまで!『ハースストーン』パッチ18.4ゲムスパ独占インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ラグナロスの再実装からバトルグラウンドのデザインまで!『ハースストーン』パッチ18.4ゲムスパ独占インタビュー

Game*Sparkは『ハースストーン』チームのゲームデザイナーであるConor Kou氏、Cora Georgiou氏へ独占インタビューを実施。パッチ18.4におけるアップデートの内容や酒場の喧嘩、バトルグラウンドのデザインなどについて伺いました。

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Blizzard Entertainmentが開発・提供しているデジタルカードゲーム『ハースストーン』。少し前になりますが、パッチ18.4にてバトルグラウンドに新種族「エレメンタル」が実装され、初期から人気の高い「炎の王ラグナロス」がアップデートされて再登場しました。

今回は、パッチ18.4の内容について『ハースストーン』ゲームデザイナーのCora Georgiou氏、Conor Kou氏にインタビューを実施。新種族:エレメンタルの登場や「炎の王ラグナロス」の再実装に至った経緯から、特殊モードのゲームデザインなどについて伺った内容をお届けします!なお、パッチ18.4の内容はこちらからご確認ください。

インタビュイープロフィール


左:Conor Kou氏 右:Cora Georgiou氏

Conor Kou氏

Conor Kouは『ハースストーン』の開発チームでゲームデザイナーとして従事しています。また、彼はイベントや酒場の喧嘩、炉端の会議などのライブコンテンツの制作にも携わっています。彼がゲームデザイナーとして初めて制作した酒場の喧嘩がバトルグラウンドです。Conorはバトルグラウンドのデザイン、仕組み、ミニオンプールの作成、新しいミニオンやヒーローのデザインなどを主に担当しています。

Cora Georgiou氏

『ハースストーン』チームのゲームデザイナーのCoraは『ハースストーン』とバトルグラウンドのカードのデザイン、カードのイラスト、そしてキャラクターのボイスや調整に従事しています。ゲームデザイナーの前は、プロのe-Sportsコメンテーターや主催者をしていました。


インタビュー


■エレメンタルについて



――バトルグラウンドに実装する新たな種族としてエレメンタルを登場させた理由はなんですか?

Cora Georgiou氏(以下、Cora氏):次に登場させるミニオンの種族として、ごく自然な選択だと考えられたからです。ドラゴンと海賊の実装後、ミニオンの種族で残っていたのはトーテムとエレメンタルだけでしたし、エレメンタルをバトルグラウンドにどのような形で登場させられるか探求することに興奮していました。

――『ハースストーン』内のカードデザイン、そしてバトルグラウンドにおいても、種族「エレメンタル」はエレメンタル同士がお互いのステータスを強化する特性があります。他種族と比べて種族「エレメンタル」のどんな要素がカードデザインに反映されているのでしょうか?

Cora氏:私たちは基の『ハースストーン』にある「エレメンタル」の要素をバトルグラウンドに取り入れたいと考えましたが、「前のターンにエレメンタルを使用していた場合」という従来どおりのエレメンタルのメカニクス自体は、私たちの望みとはズレていました。

一般的に、『ハースストーン』のエレメンタルは他のエレメンタルから恩恵を受けるようになっているので、それを最も基本的な形にブレークダウンして、互いにシナジーを発揮するエレメンタルをたくさん雇って場に出すことを奨励する、そういうミニオンの種族として構築することに決めました。各ミニオンの種族の肝の部分は、なるべく本来のものに近い形にしようとしていますが、バトルグラウンドのゲームプレイは基の『ハースストーン』と非常に異なっているために色々な制限があるので、時には創造性を発揮する必要があるのです。

■『炎の王ラグナロス』のリワークについて



――ラグナロスをヒーローとして再登場させることになるにあたり、どんな背景がありましたか?

Cora氏:バトルグラウンドにエレメンタルを登場させるのに、ラグナロスを退場させたままでいるなんて、全く考えられませんでした!彼は非常に象徴的なキャラクターであり、『World of Warcraft』の伝承や『ハースストーン』でいかに壮大な存在であるかが伝わるように描きたいと思いました。

Conor Kou氏(以下、Conor氏):ラグナロスは、『ハースストーン』にとって大きな意味を持つキャラクターなので、バトルグラウンドのヒーローとして相応しいと感じました。彼の個性を表現しつつ、ゲームプレイの面でも楽しめるヒーローパワーを創り出せたことが良かったです。ラグナロスに新しい姿を与えられること、そしておそらく以前のものよりも楽しく面白くなった新しいヒーローパワーが備わったことに興奮していました!

――「サルファラス」は「大魔境ウンゴロ」の際にも“時間の経過後”に強力な効果を得る武器カードとして登場していました。今回のヒーローパワーにも似たコンセプトを感じます。どのようなデザインを意識していますか?

Cora氏:「ファイアプルームの中心で(訳注:大魔境ウンゴロのウォリアーのクエストカード)」と「サルファラス(訳注:クエストの報酬)」は、間違いなくラグナロスの新しいデザインの発想の基でした。当初はそのクエストに非常に近づけようとして、ラグナロスを「挑発」を積み上げていくヒーローとしてテストしましたが、それは成功させるには範囲が狭すぎると感じられました。最終的に、敵ミニオンの破壊数を条件とすることに落ち着きました。ラグナロスのテーマ的に正しいと感じられたからです。

■カードのバランス調整について




――「トートランの巡礼者」「守護獣」の調整に至った経緯はなんですか?

Cora氏:「トートランの巡礼者」は、登場した当時には、通常のプレイで全く問題のない効果でした。しかしながら、「魔法学院スクロマンス」で「幻影ポーション」が追加された結果、プレイの双方向性を時として損なってしまうようなメイジデッキが出てきました。最終的に、その特定のデッキが存在するのは良くないと考え、「トートランの巡礼者」がそのデッキの背後にある要だったため、このカードの仕組みを根本的に変えることにしたのです。通常こういうことはなるべく避けたいのですが、このカードについては必要不可欠であると感じました。

「守護獣」は非常に楽しいカードであり、ミッドレンジのドルイドデッキの強力なカードになることを意図していましたが、ドルイドがマナ増幅することで序盤に使えることを考えると、少々パワー過多でした。マナコストをナーフすることでパワーレベルは許容範囲に収まり、将来的に「守護獣ドルイドデッキ」に合ったさらなるツールを導入できる余地もできたと感じています。

――カードの調整をするにあたり、どのような基準があるのでしょうか。

Cora氏:もちろん、調整を行うかどうかを決める際には、特定のデッキの全体的な勝率や、そのデッキの中の特定のカードの勝率を確認します。また「トートランの巡礼者」の場合、このカードが生み出すプレイ体験が、ゲーム内の両プレイヤーにとってどのようなものなのかを調べてみました。楽しい体験なのか、「トートランの巡礼者」が作り出した優位を回避できる方法があると感じられるか、などなど。最終的には、このメイジデッキはプレイするのが難しいものの、プレイ経験はそれほど楽しくないと判断しました。

■酒場の喧嘩について



――酒場の喧嘩のデザインにはどんなことを意識していますか?

Cora氏:酒場の喧嘩は、あらゆるスタイルのプレイヤーがプレイできる素晴らしいモードです。構築済みデッキでプレイする喧嘩にしろ、プレイヤーがデッキを構築する喧嘩にしろ、『ハースストーン』をさまざまな楽しみ方やユニークな遊び方でプレイできるよう、多様性を重視しています。最終的には、プレイヤーの皆さんのこのゲームに対する見方が少し変わるような、エキサイティングで楽しい体験をしてもらいたいと思っています。

Conor氏:酒場の喧嘩をデザインするときにはいろいろなことを念頭に置いていますが、時には単に、クレイジーで奇抜なアイデアを実験してみたいと思うこともあります!そういうクレイジーなアイデアを発端として、楽しめるゲームへと作り上げていくことも多いです。他には、イベントのために特定のテーマに合った喧嘩を作る場合もあります。あるいは、『ハースストーン』にクールなコンテンツが新登場する時に、酒場の喧嘩のスペースを利用することで、プレイヤーの皆さんに、お手軽かつ面白おかしくそのコンテンツを紹介したい場合もあります。

『ハースストーン』のプレイヤーにはさまざまなタイプがいて、それぞれ違った楽しみ方をしています。デッキを作るのが好きな人もいれば、作成済みのデッキで手っ取り早く遊ぶのが好きな人、PvEをプレイしたい人、飛び抜けて競技的なことをしたい人など。そこで私たちは、そうしたプレイヤー全員に遊んでもらい、ワクワクしてもらい、新鮮な体験をしてもらえるように、色々な種類の楽しみ方をローテーションさせるようにしています。

――プレイヤーに人気の「酒場の喧嘩」について教えてください。

Conor氏:毎日何百万人ものプレイヤーが『ハースストーン』をプレイしていますが、酒場の喧嘩は週単位で無料の報酬を獲得できる素晴らしい方法です。毎日たくさんのアクティブなプレイヤーの皆さんが酒場の喧嘩をプレイしています。酒場の喧嘩の中には、「ザ・バーンダウン」のように、何度も繰り返しプレイする人々がいるものもあります。「ザ・バーンダウン」は、最も繰り返しプレイされた酒場の喧嘩の一つですね!

■バトルグラウンドについて



――新モード:バトルグラウンドを制作することになったきっかけはなんですか?

Conor氏:最初は酒場の喧嘩のアイデアの一つでした!私がコンテンツチームと一緒に手掛けていたもので、人気のゲームジャンルであるオートバトルゲームを1対1形式にしたものを、『ハースストーン』で表現しようとしていたんです。そのアイデアを膨らませていくうちに、非常に楽しいものになると考えました――そこで私たちはチームを結成して、どんなものになるか作ってみることにしたんです。

その過程の中で、バトルグラウンドが形になるまでに、たくさんのインターワーキングがありました。大きなステップの一つは、「1対1のゲームを作るのか?それとも、8人対戦のゲームに発展させようか?」という判断でした。これを手掛けた私たちグループはとても楽しいメンバー揃いで、本当に大胆な決断を下し、8人用のゲームモードにすることを選んだんです。

――バトルグラウンドを制作する上で意識したことは何ですか?

Conor氏:このオートバトルを、実際に目の前で戦闘が行われているように見せたいと思いました。それを面白くするために、雇用フェーズでプレイヤーに多くの決断を要求することで、プレイヤーが戦闘中の出来事を左右できるように感じられるようにする必要がありました。プレイヤーには完全な操作の権限がありませんが、それがゲームの中核の部分ですし、何が起こるか正確にはわからないからこそ一戦一戦に熱中できるのですが、それでもプレイヤーは最も良い結果が得られるよう、セットアップに最善を尽くすわけです。それが、私たちが考えたバトルグラウンドの最も重要な要素の一つです。

もう一つ、私たちが目指したことは、毎ターン本当に面白いパズルゲームを作ることでした。各雇用フェーズには目の前にいくつもの選択肢が並び、そのパズルを解くのは楽しい挑戦になります。このターンは何をするべきだろう?どうすれば戦団の数値を最も増やせるだろう?次の酒場グレードに上げるべきだろうか?この手を打つと、以後のゲーム全体にどんな影響を及ぼすだろう?ゲーム全体を通して、楽しくて難しい決断を下せる機会を常にプレイヤーに与え続けることが、とても重要なんです。

最後に、私たちにとっては、記憶に残るような本当に楽しい対戦経験を生み出すことが重要です。プレイヤーに超エキサイティングな対戦ができると感じてもらいたいし、対戦がマンネリなものではなく、毎回違ったものに感じられるようにしたいと考えています。私が思うに、それこそが、皆さんがバトルグラウンドを何度も繰り返しプレイしてくれる理由の一つでしょう。

プレイヤーはまっさらな状態でこのゲームモードのキューに並びます、そしてその対戦中に何が起こるのかは正確にはわかりません。ゲームがマンネリ化し、飽きを感じるようになった時に、そういった魅力は失われるのです。毎回の対戦が違った体験になるようにし続けることが、とても重要なのです。

――現状、バトルグラウンドに対してどれほど満足していますか?

Conor氏:私たちは常に、バトルグラウンドを最大限楽しいものにすることに尽力しています。毎日何百万人もがバトルグラウンドをプレイして、楽しんでいます。ですが、いつでも改善・改良の余地はあるものです。常に新しい何かがあり、新しいヒーローやミニオンのアイデアがあり、また私たちはバトルグラウンドのバランスを常に評価し、迅速に調整することを心がけています。

私たちは主にその点に力を注いでいますが、バトルグラウンドの既存のシステムにも目を向けて、新しいことを試したり、変化を起こす準備もしています。皆さんがバトルグラウンドを楽しんでくれているのはすごく光栄ですし、これからもずっとプレイヤーの皆さんに楽しんでもらいたいと思っています。

Cora氏:思うに、私たちデザイナーは自分たちの仕事に対して非常に批判的になることがあります。デザインやプレイテストの時間がもっとあればいいのに、といつも思っています。もし私たちの流儀を押し通したら、コンテンツがリリースされる日は決して来ないでしょうね、何しろ「完璧」と思えることなんてないんですから!

現時点では、解決すべきバランスの問題がいくつかあり、同様に解決すべき長期的な問題がいくつかあります。トークンはダメージを与えるべきか?対戦が短すぎるのではないか?中盤戦のダメージが大きすぎるのでは?バトルグラウンドは、プレイヤーに大いに気に入られ、本当に楽しくて魅力的なゲームモードであることを証明してきたと思います。現時点のバトルグラウンドをとても気に入っていますが、発展と改善の余地は常に残されています。ですがそれもまたエキサイティングなことです、これからももっともっとクールなものを作って行けるということですから。

――今回のアップデートを通してプレイヤーに注目してほしい点はどこでしょうか。

Conor氏:「厨房の悪夢ノミ」で本当にクールなことができるようになります。通常では終盤戦まで行かないと作れないような、強力なミニオン戦団を作ることができるんです。「停滞のエレメンタル」と「ノミ」でクールなことができますよ。強力なミニオンをピックして、エレメンタルを連鎖的に出して、どんどんエレメンタルを強化し続けましょう。

――最後に、ファンの皆さんへ一言お願いします!
Cora氏:自分が制作に関わったコンテンツをコミュニティが遊び、楽しんでいるのを見るのは、本当に素晴らしいです。世界で一番最高な感情ですね。自分が純粋に楽しみ、信じているゲームの仕事に取り組めることはとても幸運なことであり、『ハースストーン』をプレイすることが、皆さんにとって最高の体験にできるよう、頑張りたいと思います。

Conor氏:まだまだバトルグラウンドを大いに楽しんでくれている人がいるのは嬉しいですね。リリースしてから随分と経ったように感じますし、私は最初期から携わってきました。人々が今でもバトルグラウンドをプレイし、楽しんでいるのを見られるのは、とても素晴らしいことです。これからも努力を続け、とびきり楽しいゲームであり続けられるようにしていきたいと思います!

――インタビューにお付き合い頂き、ありがとうございました。
《ばるたん》

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