『紅の砂漠』はなぜMMORPGではなくオープンワールドアクションアドベンチャーになったのか?気になるゲームシステムやPS5/XSX対応も明らかに【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『紅の砂漠』はなぜMMORPGではなくオープンワールドアクションアドベンチャーになったのか?気になるゲームシステムやPS5/XSX対応も明らかに【開発者インタビュー】

なぜMMORPGではなくオープンワールドアクションアドベンチャーと銘打ったのか?その理由やシングルプレイとマルチプレイの仕様などトレイラーで気になった点を詳しく伺いました。

連載・特集 インタビュー
『紅の砂漠』はなぜMMORPGではなくオープンワールドアクションアドベンチャーになったのか?気になるゲームシステムやPS5/XSX対応も明らかに【開発者インタビュー】
  • 『紅の砂漠』はなぜMMORPGではなくオープンワールドアクションアドベンチャーになったのか?気になるゲームシステムやPS5/XSX対応も明らかに【開発者インタビュー】
  • キム・デイル氏
  • ジョン・ファンギョン氏
  • ジョン・ファンギョン氏
  • ジョン・ファンギョン氏
  • ジョン・ファンギョン氏
  • イ・ソンウ氏
  • イ・ソンウ氏

MMORPG『黒い砂漠』を開発・運営するPearl Abyssが手掛ける新作オープンワールド・アクション・アドベンチャー『紅の砂漠』は、TGA2020で初公開された実機によるハイクオリティプレイ映像で大きな話題を呼びました。2021年冬にPC/コンソール向けにリリースを予定する本作ですが、編集部ではPearl Abyssの開発陣に気になる本作の詳細についてメールインタビューを実施。なぜ当初はMMORPGとされながらもシングルプレイにも重きを置くゲームシステムに舵を切ったのか、マルチプレイの要素とはどのようなものがあるのか、気になる日本での展開について根掘り葉掘り最新情報を伺いました。

The Game Award 2020のワールドプレミアは全世界から注目を集めた。

インタビュイー

Pearl Abyss 『紅の砂漠』統括プロデューサー キム・デイル氏

キム・デイル氏

Pearl Abyss 『紅の砂漠』共同プロデューサー イ・ソンウ氏

イ・ソンウ氏

Pearl Abyss 『紅の砂漠』共同プロデューサー ジョン・ファンギョン氏

ジョン・ファンギョン氏

Pearl Abyss 『紅の砂漠』アクションディレクター チェ・ヒョンソク氏



『紅の砂漠』はMMORPGではない!オープンワールド・アクション・アドベンチャーになった理由とシングルプレイの特徴に迫る


――改めて本作のジャンルについて教えてください。

Pearl Abyss『紅の砂漠』は豊富なビジュアル的ストーリーテリングと独特で強烈なアクションを楽しめるオープンワールド・アクション・アドベンチャーゲームです。

――Pearl Abyssといえば日本でも『黒い砂漠』=ハイエンドなMMORPGを作るデベロッパーという認識が高いと思いますし、当初は本作もMMORPGとアナウンスされていたと認識していますが、「砂漠」と名のつくタイトルでオープンワールド・アクション・アドベンチャーと銘打ったのは意外でした。

Pearl Abyss本作のジャンルについてはとても悩みました。『紅の砂漠』を通して、どんな様子を見せたいのかを考えた時、既存のMMORPG的な仕組みではなく、演出、シナリオなどをしっかりと伝え、意図通りのアクションを上手く表現し、マルチの環境ではプレイヤーたちが望む友達とプレイできる選択肢を与えたかったというのが大きな理由です。



しかし、全てシングルプレイで完結するわけではなく、印象的演出とオープンワールドを楽しみながら、その中で選択的に他のユーザーたちとコミュニケーションが図れるコンテンツも楽しめると思います。

――ありがとうございます。それでは本作のストーリーや設定についても教えてください。

Pearl Abyss現時点で全貌をお話しすることは難しいのですが、主人公のマクダフが意図せず事件に巻き込まれて、陰謀と混乱に入り交じたパイエル大陸で生存のため集まった傭兵団たちと一緒に壮絶な戦いを繰り広げる物語を描いています。


――ストーリーや舞台設定に『黒い砂漠』との繋がりはありますか?それとも全く新しい世界と設定が構築されているのでしょうか?

Pearl Abyss『紅の砂漠』は『黒い砂漠』の中に存在する巨大な砂漠の他の名前から着想を得て、そもそもプリクエルとして企画をはじめました。しかし、開発が本格的に進む中で、新しい世界観とキャラクターを含めた別のゲームとして開発しています。いくつかの特徴的オマージュを除いては、『紅の砂漠』だけの新しい世界観とキャラクターを作り出しました。

――公開されたトレイラーではハイ・ファンタジーな世界を冒険する印象をうけましたが、本作の開発にあたって影響をうけたゲーム・映画・小説・音楽などがあれば教えてください。

Pearl Abyss全世界にはたくさんのユーザーに認められ、愛されるゲームを含めた多様なカルチャーがありますよね。私たちはゲームのクリエイターでもありますが、そうしたカルチャーを愛する者でもあり、私たちが愛する作品に関するオマージュがゲーム内にも表現される部分もあります。

先日公開したトレーラーコメンタリー映像で「インディ・ジョーンズ」の一場面をオマージュしたシーンを多くの方々がわかって下さって、楽しかった記憶があります。こんな部分を探すのも『紅の砂漠』を楽しむ一つの楽しい要素ではないかと思います。


――マクダフをメインに据えるシングルプレイ部分のボリュームはどの程度を想定していますか?

Pearl Abyss現在開発中なので、まだボリュームを具体的にお話しすることは難しいです。

――ストーリードリブンなオープンワールドということですが、物語に分岐はありますか?

Pearl Abyssメインストーリーは大きな流れが軸にあり、それを辿る形になります。演出上プレイヤーに選択肢が与えられる状況もありますが、大きな流れは変わらない予定です。ちなみにメインストーリー以外に豊富で多様なサイドストーリーも用意しているので、より深く物語を楽しめるはずです。


――『黒い砂漠』から更なる進化を感じるアクションですが、開発のこだわりや『黒い砂漠』から進化していると考える点はどこでしょうか?

Pearl Abyss『黒い砂漠』の開発を通じてMMORPGの多様な部分を学び、これまでの積み重ねが『紅の砂漠』のオープンワールドを作ることにとても貢献しました。コンテンツ開発に対するノウハウや多様なプレイに関する経験も、また継承し発展させもっと完璧な『紅の砂漠』の世界を作り出すはずです。


――海や空も自由に移動できるのでしょうか?また映像にも登場したドラゴンはプレイヤーが乗って自分で操作できるのでしょうか?

Pearl Abyss海に関してはまだ未定ですが、竜を乗って空を飛ぶことは『紅の砂漠』世界の最高の目標の一つになるはずです。


気になるマルチプレイの仕様はどうなる?シングルプレイとマルチプレイが有機的に繋がる仕組みとは


――『黒い砂漠』のようないわゆるMMORPGではないということで、マルチプレイについても色々と聞かせてください。まず、気になるのは他のプレイヤーと一緒にオープンワールドを旅するようなことはできますか?

Pearl Abyss先ほどお話しした通り、マクダフの壮大なストーリーには始まりと終わりが存在します。しかし、ゲームで冒険はその時から始まりだと言えます。冒険家たちは色々な仲間たちと多様な冒険を経て、各自の物語を描いていくプレイをオープンワールドの世界で広げることになるのです。

――オンラインマルチでは、主人公ではなく別のキャラクターを操作するとのことですが、キャラクターメイキングは『黒い砂漠』のように細かく設定できるのでしょうか。

Pearl Abyssシングルプレイでは、プレイヤーはマクダフをプレイすることになりますが、同時にマルチプレイのために本人だけのキャラクターを生成します。このタイミングでPearl Abyss特有のキャラクターカスタマイズに出会えますので楽しみにしていてください。

――シングルプレイとオンラインマルチを切り替えについても伺います。プレイヤーは任意のタイミングで友人と一緒にマルチプレイできるのでしょうか?特定のダンジョン攻略やレイドボスに挑む場合のみマルチプレイになるのでしょうか?

Pearl Abyssマグタフの冒険、そしてプレイヤーだけの冒険ともにシングルプレイとマルチプレイが有機的につながった体験を提供します。ストーリーをクリアしなくても、シングルプレイの途中もしくは最初からシングルプレイとマルチプレイの間を行き来できます。仰るようにダンジョン攻略やボスへの挑戦もマルチプレイできるコンテンツです。


――マルチプレイの要素としてギルドを組んだり、他のプレイヤーと日常的にコミュニケーションを取れたりしますか?

Pearl Abyssプレイヤーは他のプレイヤーたちと多様につながり、コミュニケーションできます。ただし、ギルドコンテンツなどに対してはまだ決まったことはありません。

――オンラインマルチではPvEコンテンツがメインになりますか?PvPコンテンツが中心になるのでしょうか?また、『黒い砂漠』でもあるような攻城戦のような要素はあるのでしょうか?

Pearl Abyss友達と一緒に協力する多様なコンテンツを、楽しめるはずですのでぜひ楽しみにしていてください。また、攻城戦のような大規模の戦闘コンテンツも準備中であり、トレイラーでもお見せしたような素敵な場面も実際のゲームプレイを楽しみながら味わうことができます。攻城戦の場合、既存の勢力対勢力(GvG)ではなく、他の形になるかもしれません。


PS5やXSXもサポート!日本展開や販売形態についても聞く


――TGAで公開されたトレイラーはハイクオリティな映像で非常に驚きましたが、現在の完成度は何%くらいでしょうか?

Pearl Abyss今回のトレーラーは現在のゲームプレイ場面をリアルタイムでそのまま撮影し制作したもので、ありのままの姿を見せようとするキム・デイル統括プロデューサーの意思が込められた映像でした。開発の状況についてですが、現在もシナリオを含むゲーム全体で持続的に開発と変化があり、それと同時に我々のゲームエンジンも飛躍的に進歩しています。絶えず開発状況は変化しているので、現時点ではどの程度まで開発に到達したという具体的な話は多少難しいと思います。


――PC以外のプラットフォームでも展開する予定はありますか?また『黒い砂漠』のようにモバイル版の展開も検討していますか?

Pearl Abyss現在コンソールでも開発中で、PS5、Xbox Series Xなどの次世代ハードをサポートする予定であり、その他にも最大限多くのユーザーたちが多様なプラットフォームでプレイできるようにすることを目標にしています。まだモバイルバージョンまでは考慮していません。

――トレイラーを見ていると、PCの要求スペックも高そうですね。

Pearl Abyssこの段階で具体的なスペックを話すのは難しいのですが、私たち『紅の砂漠』チームには数年間に渡る自社エンジン開発と最適化に対するノウハウがあります。重ねてになりますが、多様なプラットフォームでより多くのユーザーさんたちに『紅の砂漠』を楽しめるように、最善を尽くし開発に取り組んでいます。

――MMORPGでなくなったことから月額課金制ではなく、売り切りの形になるのかと思うのですが、どのような形で販売するかも決まっているでしょうか?アイテム課金制を採用する予定はありますか?

Pearl Abyssどのような料金体系で販売するかに関しては、今後お知らせできればと思います。

――ストーリードリブンのシングルプレイ要素もあるということでローカライズにも注目したいのですが、日本向けにも音声・テキストともにフルローカライズされると期待していいのでしょうか?

Pearl Abyss『紅の砂漠』チームはローカライズがどれだけ大事なのかについてよく理解しており、日本のローカライズについてももちろん内部で絶賛論議を重ねているところです。内容が確定しましたら、後日発表したいと思います。

――最後に本作を期待する日本のコアゲーマーに向けてコメントをお願いします。

Pearl Abyss『紅の砂漠』を楽しみにしてくださっている多くの日本のユーザーのみなさんにまず御礼を申し上げたいです。誠にありがとうございます。最高のクオリティと最高の楽しさで、日本のユーザーさんたちのご期待に応えるべく、最善を尽くします。これからも引き続き本作に注目していただき、愛を注いでいただければ幸いです。

――ありがとうございました!

高いクオリティのトレイラーで一気に期待が高まる本作ですが、インタビューではPS5/XSXにも対応予定であることも明らかになりました。(そろそろ安定供給されている時期だと願うばかりです。)

インタビューでは明かされなかった詳細も、2021年冬のリリースに向けてどんどんと明らかになっていくことでしょう。今後も新情報が届き次第お届けしていきます。

《宮崎 紘輔》

タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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