激闘のV3戦の裏側に迫る!再び世界に挑むDetonatioN FocusMeはいかにして雪辱を果たしたのか?【MSI 2021直前インタビュー前編】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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激闘のV3戦の裏側に迫る!再び世界に挑むDetonatioN FocusMeはいかにして雪辱を果たしたのか?【MSI 2021直前インタビュー前編】

対V3戦のBAN/PICKや試合内容といったディープな質問をしてみました。意外なBAN/PICKの裏側は必見です。

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激闘のV3戦の裏側に迫る!再び世界に挑むDetonatioN FocusMeはいかにして雪辱を果たしたのか?【MSI 2021直前インタビュー前編】
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激闘のV3戦の裏側に迫る!再び世界に挑むDFMはいかにして雪辱を果たしたのか?(MSI 2021直前インタビュー前編)

4月11日に開催されたLeague of Legends Japan League(LJL) Spring Splitの決勝戦で、DetonatioN FocusMe(DFM)V3 Esportsを3-1で破り、見事優勝を果たしました。優勝したDFMは5月6日から開催される世界大会、League of Legends Mid-Season Invitational(MSI)へ出場します。

2020年のMSIは新型コロナウイルスの世界的流行により中止され、Worlds出場をかけた2020年Summer SplitではV3相手に惜しくも敗北したため、DFMにとっては約一年ぶりの国際大会出場となります。そんな中、大会を目前に控えたDFMのメンバーにインタビューを申し込んでみたところなんと取材OKの返事が!コアゲーマーに向けるGame*Sparkらしく、BAN/PICKやメタの話など、ディープなところまで切り込んだ一時間越えのロングインタビューをお届けします。

今回インタビューに答えてくださったのは決勝でも活躍したこちらの5選手!

Evi選手 Twitter

DFMのTOPレーナー。日本最高峰のレーニング技術を誇る。自身のYoutubeチャンネルでは解説動画やインタビュー動画を公開中。代表的なピックはナー、カミール、タムケンチなど。

Steal選手 Twitter

DFMのジャングラー。ゲーム中のコールや試合を決めるエンゲージ(集団戦の仕掛け)で多くの試合を勝ちに導いてきた。代表的なピックはジャーヴァン、ノクターン、シン・ジャオなど。

Aria選手 Twitter

DFMのMIDレーナー。チャンピオンプールの広さとハンドスキルの高さは随一で、2021シーズンでの平均デス数は1.09。代表的なピックはゾーイ、シンドラ、ルブランなど。

Yutapon選手 Twitter

DFMのADC。不利な状況からの逆転や、敵陣へ突っ込み大ダメージを出しつつ生還する数々のビッグプレーで、キャスター陣から「天才」と呼ばれた。代表的なピックはエズリアル、カイ=サ、アフェリオスなど。

Kazu選手 Twitter

DFMのサポート。コーチと選手両方の経歴を持っており、今回は現役復帰の形となる。シーズンを通して複数人を巻き込むエンゲージを決め観客を沸かせた。代表的なピックはアリスター、レル、セトなど。

現在の『LoL』はどんなメタになっている?MSI 2021直前インタビュー中編はこちら!
DFMメンバーの私生活を明かすMSI 2021直前インタビュー後編はこちら!

制した決勝戦!BAN/PICKやゲームの内容に迫る

―――MSI 直前のお忙しいタイミングにお時間いただきありがとうございます。まずは先日のV3戦の1試合目から順にお聞きしたいと思います。V3戦1試合目から、TOPの強力なピック、ナーに対してカルマというピックが当てられました。このピックは予想されていましたか?また実際対戦してみてこのマッチアップをどう評価しますか?

Evi選手 予想はしてなかったですね。カルマというよりもサイオンとかオーンとかそういったタンク系チャンピオンが来るのかなと思っていました。カルマが出てきてちょっと予想外だったんですけど、タンク系チャンピオンよりももっと試合に勝つの楽だなと思ったので、イヤな感じの予想外なピックではなかったですね。「あ、そうくるんだ。」みたいな。

―――例えば、ナーに対するカウンターですと、Evi選手はアカリを当てていました。他にもサイオンであったり、グラガスであったり、そういったマッチアップはどう評価しますか?

Evi選手 ナーに対してキルプレッシャーを与えられないチャンピオンはズルズルとレーンで負けていってしまうんですね。でも、キルプレッシャーを与えられるチャンピオンであってもナーに対して勝つためにはガンクとかジャングルのケアが必要なので。そこら辺に関してはチームと選手の考え方次第ですね。

―――なるほど。

Evi選手 例えばジェイスとかイレリアってナーに対して勝つことはできるんですけど、やっぱりジャングルのケアがないと、相手ジャングルにプレッシャーかけられて1対2ではどうしても勝てないんですよね。そうするとどうしてもリスクのあるピックになってしまいます。でもケアする必要のないタンクチャンピオンではナーに対してズルズル負けていってしまうので……。まあナーというチャンピオンが単純にOP(Over Powered、強すぎるの意)というのもありますけど、どちらにしろ違ったリスクはありますね。

―――チームとしてトップサイドにリソースを注ぐか、そうでないかといったところでナーに対する対策が変わってくるのですね。

Evi選手 そうですね。

―――ありがとうございます。次はAria選手にお伺いしたいのですが、1試合目のライズのピックはダメージキャリーだけでなく、タムケンチに対するカウンターとしても機能していました。こういったピックも準備されていたのですか?

Steal選手 Aria選手が日本語で答えるのが難しいので僕のほうから翻訳しますね

Aria選手 (以下、Steal選手による翻訳)その時ライズをピックした理由は、V3のセナ、タムケンチに対しても運用しやすいし、ライズ自体のピックも悪くなかったから出した感じですね。

―――それは集団戦でのダメージの出しやすさ等を考慮してということですか?

Aria選手 チームファイトというよりは、レーン戦で主導権をとれるし、中盤、後半になったあとのサイドレーンの管理も取れやすいからという感じですね。

―――ビクターとのマッチアップも兼ねていたのですね。ありがとうございます。Aria選手はアカリやキヤナ、ツイステッド・フェイト、セラフィーンなどの多彩なピックを見せてくださいましたが、Aria選手自身はどういったチャンピオンがお好きですか?

Aria選手 (日本語で)う~ん……一番好きなのはアサシンぐらい?

―――ありがとうございます。続いてSteal選手に質問です。ノクターンジャングルが1試合目でピックされたあと、続く2試合目以降はV3サイドからBANされていました。このチャンピオンの現在の強みはどういった部分になりますか?

Steal選手 そうですね。やっぱりメタのジャングラーのウディアやヘカリムに比べると明らかに序盤の主導権やガンクのパワーは落ちるけど、中盤後半のサイドコントロールだったり、チームファイトに強みがあるチャンピオンなので、V3側がそういった部分を嫌ったんじゃないかなと思います。

―――ありがとうございます。次に、Yutapon選手とKazu選手にお伺いしたいのですが、今回の決勝戦でカイ=サ、セトという組み合わせが非常に多かったです。このBotレーンの強みはどういった点ですか?

Yutapon選手ファイナルは相手がセナ、タムケンチを出してきて、それに準備してきたピックでした。あとは単純にセトが集団戦でイニシエートをしやすいし無理やりなファイトも行いやすいということで扱いやすく、重要視していましたね。

―――分からない点がありまして、セナ、タムケンチに対するカウンターの要素はどういった部分なのでしょうか

Kazu選手 セトの強みが、フェイズラッシュを選択した時に序盤の1レベルから4レベルぐらいまでのショートトレードが非常にしやすくて、カイ=サ、セト側が有利にダメージを与えられるということに練習中気づきました。Botの有利を取ってそのままジャングル、Midに有利を広げられるんじゃないかなって。純粋な2対2でいうとセナ、タムケンチは今のメタでいうと非常に強力なピックで韓国リーグなどでもピックされていますが、チームに僕が求められているのが集団戦でのエンゲージなどで、その中でセトというチャンピオンが一番良いのではないかなと。あとはセトと相性の良いチャンピオンがカイ=サなのでそういった組み合わせになりました。

―――なるほど。今回はエンゲージが一つ大事な点だったのですね。1試合目はカルマやセナなど、大量のシールドによって「仕掛けられた集団戦をカウンターで勝つ」構成でした。対戦してみての感想はどうでしたか。

Kazu選手 セトを使った自分の視点から言うと、確かに集団戦はやりづらかったですね。でも相手にイニシエート手段があるわけではなかったので、一回でもこっちのイニシエートが刺されば集団戦勝てるなと。刺さらなくてもナーやライズ、ノクターンでサイドの管理ができるのであまり負ける心配はなかったですね。


―――例えば、ソロQなどでもエンゲージが難しい構成の時はどういったアクションを起こせば良いのでしょうか

Kazu選手 相手もカルマのシールドと、セナ、タムケンチのサステインで引き目の集団戦をすればゴールドの有利が作れると思います。また、少なからず相手のピックしたチャンピオンはレーンの強いチャンピオンだったので、レーンから有利を相当作らないと5対5の集団戦でイニシエート出来ないというハンデは背負ってしまいますね。

―――それでは2試合目のお話に移ろうと思います。カサディンとトリスターナといったハイパーレイト構成がみられたのですが、あれは狙ったドラフトだったのでしょうか。

Yutapon選手 どっちから話そうか?

Kazu選手 トリスからでいいんじゃない?

Yutapon選手 まあトリスターナは別に序盤から終盤まで、今のメタだと別に弱い時間帯がないので。素直なパワーピックって感じですね。

―――結構トリスターナはティアーが高いピックだと

Yutapon選手 そうですね。特に勝てない相手もほぼいないので。基本的にはただのパワーピックって感じですね。

―――パワースパイクを後ろに寄せたつもりではなく、トリスターナというピックが単純に強いと。Aria選手としてはカサディンのピックはどういうピックでしたか。

Aria選手 カサディンというピックが、そんなにゲームを引き延ばして後半まで行くピックというより、カサディンが6レベルになった瞬間からツイステッド・フェイト相手に主導権を取るピックでした。ただ、6レベルからゲームを動かそうとしたけど上手くいかなかったですね。

―――トリスターナもカサディンも、そこまで終盤のパワースパイクを見越したピックではなかったのですね。ありがとうございます。続いてAria選手は、対面したツイステッド・フェイトというピックはプロシーンにおいてどういったピックだと思いますか?

Aria選手 なによりもレーン戦が無難に安定するし、レベル6以降はUltで人数差を作って集団戦が起こせるのが一番の強みですね。

―――では、3試合目のお話を伺いたいと思います。Steal選手に質問ですが、ヘカリムとオラフというマッチアップが3試合続いていました。このヘカリムとオラフというマッチアップをSteal選手はどういった評価をしていますか。

Steal選手 そうですね。まあちょっと役割が違う感じですね。お互いジャングルスピードが速くて、オラフの強みはガンクよりカウンタージャングルで、へカリムはガンクが強みなのでそこが違う点かなと思います。

―――現在ドラゴンソウルであったりヘラルドの重要度が高いのですが、こういったオブジェクトファイトに関してこの2体はどういう評価でしょうか。

Steal選手 お互いの強みはあるけれど、チャンピオンスペックだけをみるとへカリムのほうが僕の中では最強クラスでしたね。オブジェクトファイトに関しては。オラフはレベル差がつけられれば悪くないなって感じでそこまでオブジェクトファイトに関しては強くないと思います。

―――ではどちらかというとファーム、カウンタージャングルでレベル差を付けてその差で押しつぶすのがオラフって感じですかね。

Steal選手 そうですね。

―――ありがとうございます。次Aria選手に質問なのですが、Game3中盤にシンドラを使ったアルティメットからのフラッシュインスタンが素晴らしかったのですがあのシーンは狙ってやったんですかね。チームの様子はどうでしたか。


Aria選手 敵が見えたからやってみたんですけれども、チームがしっかり見ててくれて一緒にダメージ出してくれましたね。

―――最後、4試合目に話しを移したいと思います。チョガスというピックに非常に驚いたのですが、このチャンピオンを出した理由や強み弱みなどを教えてください。

Evi選手 出した理由……う~ん。なんだっけ。なにかと迷ってたんだけど……。

Yutapon選手 セトじゃない?

Evi選手 あそっか。セトか。セトを既にピックしていて、ボリビア相手にセトを出してアリスターをサポートにするか、チョガスピックしてセトをサポートに回すか迷っていて……出した理由……う~ん。単純にタンクチャンピオンとして優秀なスキルを持っていますし、タンクチャンピオンを入れると構成がしまるので。強いからピックしました。

Steal選手 単純にね。

Kazu選手 ちょっと一つ加えると、その時僕が「セトが欲しい」って結構強く言ったんですよね。相手のレオナを見て。理由が、お互いにBO5の流れをBotに寄せてきてて。Botの勝負が結構ゲームに影響するというか。1ゲーム目2ゲーム目、Moojin選手がBotガンクして僕が倒されたり、3試合目からSteal選手も参加してきてBotで5対5が起こっちゃったり。そういったところでどんどんBotに寄せてきていて。それだったらセト対レオナで勝負するためにEvi君はちょっとタンクよりのチャンピオン出してくれない?っていう話はちょっとしましたね。


―――そういった試合を通して「Bot偏重だから」といったドラフトの変化とかもあったんですね。面白いです。
Kazu選手 だからチョガスが挙がったのかな?もちろんチョガスが強いってのもあるけど

Evi選手 そういう理由もあるし、単純に僕のチョガスが最近スクリムで調子よかったんで。調子よかったらサイオン出してましたし。

―――なるほど、わかりました。Kazu選手のほうにお伺いしたいんですけれども、レギュラーシーズン中だとどちらかというとアリスターのほうが評価が高かったように思えたのですが、アリスターではなくセトを評価した部分を教えてください。

Kazu選手 レーニングの強さでいうとセトのほうがもちろん強いですが、ローリスクでしっかりとしたリターンがあるのがアリスターです。試合の中でブレがないというか。上振れもなければ下振れもないのがアリスターのイメージで。セトの場合は上振れるし、ガンクされたら絶対に倒されるという下振れもありますね。まあ、あとはEが当たらなければもちろん下振れるのでちょっとアリスターよりもハイリスクかなと。

ただチーム内での役割はアリスターもセトも同じですね。単純にセトのほうがYutaponのトリスターナであったりカイ=サであったりといったチャンピオンと序盤のほうプレッシャーをかけられるので、そういった意味でV3戦ではセトが多かったのかなって。後は単純に、練習の段階でセトが良い感触があって、アリスターがあんまりパッとしなくて。そういった感じですね。

DetonatioN FocusMeの挑戦するMSI 2021は5月6日から

ここまでV3戦を振り返りながらBAN/PICKについていろいろインタビューしてみました。見ているだけでは分からないチームの裏側などが知れてとても興味深い内容だったのではないでしょうか。

MSI 2021は5月6日(現地時間)より開催、DetonatioN FocusMeの初戦、ラテンアメリカ代表INFとの試合は日本時間5月6日23時からの放送が予定されています。強豪ひしめくCグループでDFMは自分たちの強さを見せつけることができるのか?日本勢の活躍を皆で応援しましょう。

インタビューはまだまだ続きます。中編は現在のメタの話、おススメのチャンピオン、MSI 2021に向けて、後編はDFMの私生活についてのインタビュー内容をお送りいたします。

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《Closter1um》
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