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墜落、戦い、死に、そして目覚める。永遠に―超高難度ローグライクTPS『Returnal』プレイレポ

完全新規のPS5独占タイトルは想像の数倍高難度だった!!

連載・特集 プレイレポート
墜落、戦い、死に、そして目覚める。永遠に―超高難度ローグライクTPS『Returnal』プレイレポ
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※注意!この記事は最初のボスまでのネタバレを含みます。

『Alienation』や『RESOGUN』、『MATTERFALL』で知られるHousemarqueが開発し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントがパブリッシングを行うPS5専用ソフト『Returnal』。本作は死ぬたびに繰り返し蘇るローグライクと弾幕シューティング、という古典的なゲーム同士が融合しつつもPS5ならではの体験ができる挑戦的なゲーム……なのですが、よくパブリッシャーのソニーが発売を許したな、と思うほど非常に難度の高い作品となっています。

本稿では4月30日に発売された本作の基本的なシステムや雰囲気を、筆者が苦しみ続けた序盤ゲームプレイの様子と共にプレイレポートとしてお伝えしていきます。

墜落

ゲームは宇宙船が墜落するシーンから始まります。これだけ書くとありきたりなシーンに感じますが、デュアルセンスコントローラーのハプティックフィードバックにより強力で様々な種類の振動が伝わってきます。

手だけ嵐の中で飛んでいる飛行機に乗った感じ、という表現が最も近いでしょうか。機体の細かな軋みの中でエンジンが壊れた衝撃を感じられます。ハプティックフィードバックをここまで効果的に体験できるソフトは最初からインストールされている『ASTRO's PLAYROOM』以来です。

パイロットである初老の女性「セレーネ」は何とか制御しようと試みるも、既にエンジンが破損。未知の惑星「アトロポス」に墜落してしまいます。

墜落した宇宙船から外へと出ると、なんと死体が、それも存在するはずの無い自分の死体が横たわっているではありませんか。衝撃を受けつつも前に進むセレーネ、しかしセレーネ(と筆者)はまだ理解していませんでした。この未知なる惑星が想像以上に厳しいことを。

戦い、死ぬ

明らかに人工的な廃墟を進むと攻撃的な敵が現れてきました。落ちていたハンドガンで倒すのですが、銃の感触がPS5ならでは。アダプティプトリガーにより2段階式になっており、軽くL2ボタンを押すと構えて撃てます。また、L2を強く押して撃つと強力な特殊攻撃を繰り出せます。ボタン数を増やさず、疑似的にボタンを多くするこの試みは、比較的強いクリック感も相まって効果的に機能しています。

ただ、セカンダリファイアと呼ばれるこの特殊攻撃はクールタイムが長いので、使用するタイミングに注意が必要でしょう。

進むと悪性アイテムの「悪性キー」が落ちています。悪性アイテムとは、取得するとランダムにスーツが故障し弱くなるデメリットと引き換えに、コンテナを開けたり体力を増加させたりといったメリットを得られるアイテムです。

今回の故障は「オボライト」と呼ばれる、敵を倒した際に獲得できる報酬が速く消えてしまうデメリットでした。このデメリットは特定の目標を達成すれば解除できます。今回はオボライトを150集めることが目標です。

更に進み、幾多の怪しげな部屋を潜り抜けると……残念ながら強力な敵が出現し死亡。ここで改めてタイトルロゴが表示されます。

目覚め

死ぬと再び宇宙船の傍で目覚めます。気を取り直してもう一戦。

今度は使いやすいカービン銃も手に入りましたし、アイテム製造機で回復アイテムも作ったので順調順調。この惑星の先駆文明が残したゼノグリフコードも集めつつ深部へと進んでいきます。

すると、なんと異質な家屋が在るではありませんか。導かれるままに白く瀟洒な家へと入ると一人称視点に。セレーネの言動から過去の自宅のようですが、明らかに不自然な家。一体どのような謎が隠されているのでしょうか。

と考えていると、急にホラーテイストに。ここの音響は特に素晴らしく、PS5の3Dオーディオ技術の力を感じました。『バイオハザード ヴィレッジ』のデモ版でも感じましたが、PS5とホラーゲームの相性は最高です。

気を取り直して探索を進めます。ブレードを手に入れて敵と死闘を繰り広げつつ、いよいよボス戦へ。

しかし、このボス「フリーキ」が本当に強い。体力ゲージを減らすごとに3段階に攻撃方法が変化し、特に3段階目は多彩で強力な攻撃でセレーネとプレイヤーを苦しめます。とはいえ、ボスで何回か死ぬのもそれはそれで歯応えがあり面白い。そう思っていた時期が私にも有りました。

本当に、死んで、死んで、死にまくる……!!

そう、本作『Returnal』は想像の数倍高難度のゲームだったのです。事前のトレイラーで死ぬのを楽しむタイプのゲーム、いわゆる「死にゲー」なのだろうなぁという予想はついていたのですが、未だPS5専用タイトルが出揃っていない現状それほど尖った難度にはせず、比較的万人受けするタイトルになるのではないかと高を括っていたのです。

その後も何度も強敵フリーキに挑戦するも、あえなく敗北。目覚め、戦い、死に、そして目覚め。しかし死のループを繰り返すうちに次第にシステムが分かってきました。

第一に武器熟練度は敵の撃破や特定のアイテムの獲得で上がり、高いほど出現する武器が強くなりますが、死ぬとリセットされます。第二に武器の固有能力ですが、これは武器を使い込むことでアンロックされ、死んでも引き継がれます。第三にスーツの能力はアイテムを獲得すれば上がりますが、そのアイテムは往々にして悪性アイテム。リスクがあるものの最初のスーツでは弱いため、できれば獲得した方が良いこと。また、敵を倒すことよりも回避に専念し、余裕があれば撃つ、ぐらいの方が勝てることも分かってきました。

雑魚敵に関しても少しずつ慣れ、対処できるようになってきます。

問題は強力なフリーキ。ボス戦で何度も死に、ほとんど心が折れてクリアできなかった場合の原稿まで考えていた程でしたが、武器熟練度とスーツの耐久力を上げて……

なんとかフリーキを倒せました!!

とまるでゲームをクリアしたかのような勢いですが、フリーキはあくまでも1面のボス。

ボスを倒すと開通する「クリムゾン・ゲート」を通り抜け、舞台は惑星の裏側、赤き荒野の広がる「紅蓮の荒地」へと続きます。

ちなみに、紅蓮の荒地で死んでも再び最初からとなります。(一応ショートカットは開通します)未知の惑星上の厳しい、厳しすぎる戦いはまだまだ続くのです……。

恐ろしく難しく、だけれども魅力的

ここまで読んでくださった方々の多くはこうお考えでしょう。「難しいとは言うけども、あなたが下手なだけなんじゃないの?」と。

若干の自己弁護になってしまうのですが、ここで筆者のゲーム歴を開陳しておきましょう。筆者はPS4からゲームをプレイし始め、『バトルフィールド』シリーズや『Titanfall 2』、『Apex Legends』といったオンラインFPSを主にプレイしつつ『ウィッチャー3』といった一人向けゲームもプレイするゲーマーです。

そのため、ゲームプレイの能力は少なくとも人並み程度に有ると自負しています。有名な死にゲー『blood borne』もガスコイン神父の撃破までは達成しています。ですが『Returnal』は、それらをはるかに凌駕するレベルで恐ろしいまでに難しいゲームです

一体なぜこれほど難しいのか、簡単にご説明しましょう。

最も難しい点は死=全ロストであるということ。これが高いハードルとなり、プレイヤーを苦しめます。情報や近接武器、ボス撃破後の恒久アイテムを除き、基本的に死ぬと全て最初からやり直しとなってしまいます。『DARK SOULS III』や『blood borne』ではオンラインで助けを求めたりステータスを地道に上げたり、といったある種の救済策が用意されていましたが、そうした救済策は本作において全く無いようです。

このシステムによって実質的にも、そして精神的にもとても厳しくなっています。2時間以上かけて育てたセレーナがボスで死んでしまうと、全ロスト。賽の河原とはこのことか、と言いたくなるほどです。もちろんローグライクゲームは知識のゲームでもあります。取得すべきアイテムといった攻略方法が確立してくれば、もう少し難易度は下がるかもしれません。

ですが、先述のプレイレポでも解説している通り、出現する武器が強くなる武器熟練度やスーツの耐久値が初期からのスタート。つまり、死ぬと弱い状態から再スタートとなるゲームシステムとなっています。そもそも、攻撃を受けた際の回復手段の少なさや持てる回復アイテムがほとんど無いことや、敵の攻撃が素早く脊髄反射的な操作が求められ、しかも画面外からも容赦なく攻撃されることなど、ゲームシステム以外に難度を高くしている要素も多くなっています。

ただ、失うものが多く、難しいからこそ、間一髪で敵を倒しきった際はアドレナリンが止まりません。自身の心臓の音が聞こえる切迫感、絶頂感は本作の大きな魅力と言えそうです。

加えて、PS5の特徴であるコントローラーのハプティックフィードバックやアダプティブトリガー、3Dオーディオ技術を効果的に活用しており、PS5を持っている方には是非体験してみてほしいゲームでもあります。ですが何度も述べている通り、本作は筆者の経験上最も難しいゲームの内の一つ。ハマる人はハマるが、気軽にお勧めできない、万人向けのゲームでは無いというのが率直な感想です。まさかPS5初期の独占タイトルがこれほどまでに尖ったゲームとは、夢にも思いませんでした。

非常に難しい。でも、挑戦してみてほしい。そんな魅力が詰まっているのが『Returnal』と言えるでしょう。

《大塩》
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