狂気のGMとデュエル!TRPG風味のホラーローグライトカードゲーム『Inscryption』の魅力に迫る…それでここは何処で私は誰なの?【デジボで遊ぼ!】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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狂気のGMとデュエル!TRPG風味のホラーローグライトカードゲーム『Inscryption』の魅力に迫る…それでここは何処で私は誰なの?【デジボで遊ぼ!】

今回は狂気のGM(ゲームマスター)相手に戦う、ホラーTRPG風味のデッキ構築型ローグライトカードゲーム&脱出アドベンチャーゲーム『Inscryption』をお届けします。

連載・特集 プレイレポート
狂気のGMとデュエル!TRPG風味のホラーローグライトカードゲーム『Inscryption』の魅力に迫る…それでここは何処で私は誰なの?【デジボで遊ぼ!】
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デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回は狂気のGM(ゲームマスター)相手に戦う、ホラーTRPG風味のデッキ構築型ローグライトカードゲーム&脱出アドベンチャーゲーム『Inscryption』をお届けします。

本作はDaniel Mullins Gamesが開発し、Devolver Digitalによって2021年10月20日にSteamで配信されました。Daniel Mullins Gamesと言えば、『Pony Island』や『The Hex』といった「怪作」をリリースしてきたことで有名な、筆者一押しのインディーデベロッパー。最初は普通のゲームかと思いきや、段々と奇妙な方向へ進んでいくストーリー展開が秀逸ですね。

Daniel Mullins Gamesの創設者であるDaniel Mullins氏は、カナダ・バンクーバー在住のゲーム開発者。『Pony Island』を開発する前はゲーム会社に勤めていましたが、現在は会社を辞めてインディーゲーム開発に力を注いでいます。前2作はセルフパブリッシングでしたが、今回は大手であり、「怪作」も多めなDevolver Digitalが担当することに。前2作にはなかった日本語サポートも、本作では「架け橋ゲームズ」がローカライズを行っています。

本作の内容ですが、デッキ構築型ローグライトカードゲームに脱出ADVの要素や、GMと対面しているようなTRPG要素も加わり、独特の雰囲気を醸し出しています。一体どんなゲームになったのか、過去作のようなトンデモ展開はあるのか、さっそくプレイしていきましょう。

レトロ風味のカードバトル

ブラウン管風画像フィルターを使った、レトロ感のあるゲーム画面。対面にはGMらしき人物が現れます。GMが登場するゲームと言えば、『Hand of Fate』シリーズや『Knights of Pen and Paper』シリーズが挙げられますね。どちらも良作品です。

手札とゲーム盤が表示されました。「オオカミ」が2枚と、「オコジョ」1枚、「リス」1枚ですね。前方には4X2の盤面があり、手前の4カ所がプレイヤーのカード置き場。GMから「リス」を出すように指示されましたので、従いましょう。

「リス」をセット。ローグライトカードゲームと言えば『Slay the Spire』が有名ですが、本作はそのスタイルではなく、「遊戯王」などTCG的な対面型カードバトルになっています。カードの左下が攻撃力、右下がHPですね。リスは攻撃力がありませんので、敵にダメージは与えられません。

先程の盤面画面と、手札画面の切り替えですが、キーボードの上下キーかW,Sキーを使います。もしくはマウスホイールを回すと切り替えられます(この操作がわからず、ここで詰まる人がいるようなので)。オコジョを出しましょう。

「オコジョ」はそのまま盤面には出せず、カード1枚を生贄にしてから配置できます。「遊戯王」で言うところの「アドバンス召喚」(生贄召喚)ですね。昔の「遊戯王」が好きな人には取っ付きやすいシステムかと思います。

手札はあと「オオカミ」が2枚。「オオカミ」の右上に赤い水滴が2つありますが、これは生贄に使うカードが2枚必要という意味です。盤面には「オコジョ」1枚しかないので、これ以上の召喚は無理。左にベルがあるので、これをクリックするとターンエンドになります。

ターンが終わると、盤面の動物達が相手に攻撃を仕掛けます。相手のカード置き場にはブロックするカードが無いので、相手プレイヤーへのダイレクトアタックになりますね。「オコジョ」の攻撃力は1なので、相手に1ダメージを与えました。

右側にある天秤がライフを表しています。ダメージを与えるたび、天秤にダメージ量と同じ分だけ重りが置かれます。天秤の針が相手の方に振り切れたらプレイヤーの勝利。逆にこちら側に振り切れたら敗北です。

相手のターン。攻撃力2・HP1の「コヨーテ」を配置してきました。ターンエンド後に「コヨーテ」が攻撃してきましたが、「オコジョ」が置かれているのでブロックされます。「オコジョ」は2ダメージを食らい、残りHPは1。

プレイヤーのターン。デッキからカードを引くか、生贄の材料になる「リス」カードを引くことができます。確実に生贄が欲しい時は「リス」カードを引いた方が良いでしょう。ここは「リス」を選択。

「リス」を盤面に配置し、「オコジョ」と「リス」を生贄にして、「オオカミ」を召喚!昔の「遊戯王」的なプレイ感覚になってきましたね。狼の攻撃力は3なので、ターンエンド時に敵の「コヨーテ」を破壊しました。

さらに数ターンが進み、天秤の針が相手の方に傾いて勝利。まあ、相手はずっとターンをパスしてくれたので、勝てるのは当然なのですが。『Slay the Spire』フォロワーなゲームが多い中、ある意味原点回帰してきたのは、筆者的には嬉しいですね。基本ルールは把握できたので、本戦に進みましょう。

暗い森を進め!

マップ画面。『Slay the Spire』のような、分岐があって後戻りできないシステムですね。GMのナレーションが入ってくるので、ただマップを進むだけよりTRPGっぽさがあって楽しい。

カードマークに場所に止まると、デッキ強化のためのカードがゲット可能(選べるのは1枚だけ)。特殊効果があるカードも存在し、右クリックで説明が表示されます。「クサリヘビ」は「タッチ・オブ・デス」(生物を一撃で殺す)、「ネコ」は「輪廻」(生贄になっても死なない)の効果があります。どちらも良さそうですが、召喚をスムーズに行えそうな「ネコ」を取っておきましょう。

バッグマークのマスに止まると、カードバトル中に使用できるアイテムを入手可能。アイテムは、カードそのものだったり(自分の手番で出せる)、天秤の重りを変えたり、相手のカードを除去したりなど様々です(最大3つまで所持可能)。うまく使ってバトルを有利にしましょう。

ドクロマークに止まると、カードバトルが発生。カード置き場に最初から「」(HP5、攻撃力無し)などの障害物が置かれている場合もありますね。先程入手した「ネコ」を早速使用。生贄にしても場から消えないので、召喚が捗ります。「オコジョ」はカードを出す時や、生贄にされた時など、色々喋ってくれるので愛着が湧きますね。

カードには「飛行」能力も存在します。通常のカードでは、「飛行」をブロックできません(「マイティ・リープ」能力があればブロック可能)。ただ「飛行」カードに攻撃を加えることはできますので、早めに潰しておいた方がいいでしょう。

石碑マークのマスに止まると、カードの能力強化が行えます。デッキ内のカード1枚から能力を取り出し、それを他のカードに付与するという物ですね(能力を取り出されたカードは消滅)。「スズメ」が「飛行」能力を持っているので、それを「オコジョ」に付与してみました。

トーテムマークのマスでは、特殊条件下でのカードバトルになります。ここでは狼類のカードに「飛行」が付与。狼類はただでさえ攻撃力の高いのに、それが「飛行」持ちとなると、かなり厳しい戦いになります。

……と言うわけで、普通に負けました。ゲームオーバーになるかと思いきや、「席を立って、ドアの横のロウソクを持ってこい」と命じられます。ここでW,A,S,Dキーでの室内移動が可能に!ゲーム世界とメタ世界の行き来というのも、Daniel Mullins Gamesらしい展開ですね。

不穏な世界で生き延びろ!

部屋の中を移動してみましょう。どこかの小屋の中ようですね。正面にダイヤル付きの金庫がありますが、番号がわかりません。ドアも開けられませんね。脱出ADVみたいなシチュエーションです。

ロウソクを取ってGMの元まで戻ってくると、その内の一つの炎が消されました。本作では、2回負けるとゲームオーバー。1発アウトではないので助かりましたね。

焚き火マークのマスに止まると、カード強化が行えます。ここではデッキのカード1枚の攻撃力を上げてくれます。「オコジョ」を焚き火で温めると、攻撃力が2に。ただ、周りにいるサバイバーが腹を減らしているのか、カードに手を出そうとします。急いでカードを引き上げ、この場を退散しました。

次のバトルが始まる前、手札にカードが配られた時、オコジョが「あいつはイカレてる」と言い始めました。「あいつ」とはGMのことでしょう。ルールを守らないことへの愚痴のようですが、一体どういうことなのか。

ステージ最後のボス戦にたどり着きました。相手はカード枚数が多く、物量で攻めてきます。手札の引きも悪く、カードの召喚が間に合わない。結局、一斉攻撃を受けて敗北。2回目なので、これで本当にゲームオーバーです。

救済策なのかもしれませんが、ゲームオーバー時には、デッキから引いたカード3枚を組み合わせて、オリジナルカードを1枚作り出せます(それぞれのカードからは「コスト」「カード効果」「攻撃力・HP」を抽出)。

と言うわけで、コスト2・攻撃力4・HP2・「輪廻」持ちの、なかなか良い能力になりました。最後にカード名を付けて完成。これで次回にはこのカードを使えます。組み合わせに使用できるカードはランダム抽出なので、場合によっては「高コスト・低能力」みたいなカードになるかもしれません。

再スタート。新カードが追加されました。これまでは生贄を捧げての召喚でしたが、「オポッサム」は死んだカード(骨)をコストにして召喚可能。これで召喚速度もかなり上がりますね。

そしてカードゲーム中にまた喋り出す「オコジョ」。「抜け出す方法がある」と言っていますが、GMに怒鳴られました。この小屋から脱出する方法ということでしょうか。カードゲームをクリアする以外に、現在の状況も同時に何とかしなければならなそうです。

ボスとのリベンジマッチ。骨召喚も使えるようになったし、「オコジョ」からのアドバイスもあったので、今回は勝利!クリア時にはレアカードを3枚の中から1枚貰えます。

休む間もなく次のステージが開始。ちなみにマップ画面時は、席を立って小屋の中を歩き回ることもできます。果たしてGMの作ったゲームをクリアできるのか、そしてこの小屋の秘密とは何か、続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

先の気になる新生ローグライトカードゲーム

ローグライトカードゲームと言えば、『Slay the Spire』とそのシステムを受け継いだフォロワーゲームを指すことが多いですが、本作はそれらと一線を画したシステムと世界観を持っています。

それとカードコンボも、「配置した「ネコ」(「輪廻」持ち)を生贄に「オコジョ」召喚!「ネコ」と「オコジョ」を生贄にしてさらに「オオカミ」を召喚!「オコジョ」には「死んだ時に手札に戻る」能力を付与しているので、これをまた「ネコ」で生贄召喚!墓地に送ったカードから骨2つを使って「オポッサム」も召喚!4枚のカードすべてを生贄に、いでよ「ユラユゥリ」(攻撃力7、HP7)!」と、脳内で「遊戯王」的な展開(BGM付き)が繰り広げられるのが楽しい。

単にカードゲームで敵に勝ってどんどん進んでいくだけではなく、そもそも「何で小屋でカードゲームを遊んでいるのだろう」という疑問が湧いてきます。ゲーム中に喋りかけてくる「オコジョ」や、小屋の中を移動できるシステムなど、ゲーム世界とメタ世界を行き来する不思議なプレイ感覚は、さすがDaniel Mullins Gamesと言った所ですね。

本作は日本語サポートもありますので、『Pony Island』『The Hex』のファンはもちろんのこと、ローグライクカードゲームや昔の「遊戯王」が好きだった方、一風変わった驚きのあるゲームがプレイしたい方は、ぜひとも本作を遊んでみてください。

製品情報

『Inscryption』
開発・販売:Daniel Mullins Games、Devolver Digital
対象OS:Windows
通常価格:2,050円
サポート言語:日本語、英語、ドイツ語など12カ国語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1092790/Inscryption/

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter

《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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