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ゲーマーに問う「センシとエイム」。永久に答えは出ない問題を様々な面から議論する【年末年始特集】

「いいところもわるいところもあるよね!」それで終わらせたら…面白くねぇよなぁ!?ということで議論してきました。

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ゲーマーに問う「センシとエイム」。永久に答えは出ない問題を様々な面から議論する【年末年始特集】
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「マウスの持ち方」

ーー「最高のデバイス、最高の環境。だが最高のマウスの持ち方とは…なんだろう?」

岡野:「かぶせ持ち」です。だからいつも…手首がメチャクチャ痛い(超冷静)。

夏上:悩みじゃん。それ悩みのところで言ってくださいよ(笑)。

岡野:確かにそうだ(笑)。なんか日常的すぎて生活の一部になってしまって忘れてました。手首をつけたままローセンシで振り回すので、いつも変色してるんだよな。

8月/夜空:怖。

岡野:その…俗に「リストカット」する部分がいつも赤く変色してるんですよ。長時間ゲームすると本当に痛いし、しかも自傷行為したんじゃないかって周囲から心配されます。

一同:物騒すぎる(笑)。

kuma:僕は「かぶせ」「つまみ」ハイブリッドのような持ち方です。手の平はつけるけど、指は浮かせる。手首はつけたりつけなかったりですね。ローセンシなのでメインは腕ですけど、手首をつけて軸にして、微調整を掛ける時もあるんで。

夜空:手首は完全につけて、「つかみ」ですね。センシ的にも動かさなくていいし、岡野さんみたいに真っ赤になることはないです。

8月:夜空さんと同じです。「つかみ」メインで。「つまみ」も試しましたが、ハイセンシだと指が痛くなってしまってダメでした。

夜空:やっぱりハイセンシは「軸にした」部分でコントロールする必要があるのかな。ある程度は固定しないと、そもそもの感度が高いしブレブレになってしまうんじゃないかと。

(夜空氏が事情により途中退室)

夏上:私は色々混じってるよく分からない持ち方ですが、「軸」となる部分があるってのは変わらないですね。少し気になったんですが、岡野さんがローセンシなのに「つけている」のが面白い。椅子の高さとか机の高さも関係してくるとは思うんですが。

岡野:元々はハイセンシだったんで、その時の癖かもしれないですね。安定するプレイを求めるようになった結果として下げたので。あと、そもそもの環境が大きいんじゃないですかね。「スペースの都合上、ハイセンシじゃないと遊べない」みたいな人は絶対的にいると思う。

夏上:それはありそうだなぁ。

岡野:最近だと、以前よりかはカジュアルにPCゲームができるようになったじゃないですか。それもハイセンシプレイヤーの増加に影響してるんじゃないかな。

夏上:よく言われるのが「昔はDPIが400とか800のマウスしかなかった」っていうアレですよね。ただ、ゲーム内の感度を上げれば当時からそれなりのハイセンシにはできたと思うので、「マウスが理由でハイセンシはいなかった」一概には言えないと思うんです。

kuma:著名な方だと「StylishNoob」さん。元OverWatch日本代表で、今ではTwitchを代表するストリーマーですけど、ハイセンシじゃないですか。

夏上:「机が小さすぎてハイセンシにならざるを得なかった」って御本人の口からも語られているので、岡野さんが言う通りに「プレイしている、していた環境」ってのはありますよね。

5分58秒付近より語られている

「プレイするゲーム」

ーー「盆と正月は一緒に来ないけど、ひとまずゲームをしていたことは覚えている」

夏上:結局、結論に先回りしちゃう感があるんですけど、「プレイするゲーム」「環境」な気が。

kuma:ですね。やるゲームによってセンシは変えていいと思ってます。実際、僕も基本をベースにしつつ変えたりしてる。

夏上:自分は他のタイトルだとスーパーとかウルトラハイセンシですけど、『VALORANT』をプレイする時だけはかなりセンシを下げます。それでも世間的にはミッドくらいですけども。ヘッドショットが重要視されるゲームなので、物理的に精密な射撃を行えるように下げる。

kuma:頭が小さいんだよね。センシが高いと「飛び越しちゃう」んですよ。

夏上:その通り。レイズかジェットで、毎ラウンド「ジャッジ」を持って突撃するだけしかできなくなるので(笑)。ただ、ちょっと面白いなぁって思ったのが、今はFAになられましたけど、元CRAZY RACOONの「Fisker」選手いるじゃないですか。チームの中でもジェットをメインに扱う、エントリーとかキルゲッターとしての役回りが多い選手ですけど、「来年はミドルセンシに挑戦だ ローは限界」ってツイッターに書き込んでいて。

なので「ゲーム」もあるけど、実は「キャラ」もあったりするのかなと考えたりしました。「Fisker」選手も「ジェットはローだと限界だ」とは言っていないので、あくまで想像の範疇ですけど。

岡野:個人の主観かも知れないけどジェットプレイヤーはセンシ高めの人が多い気がします。Gambitの「d3ffo」もセンシは高めだった気が。…調べたんですが、やはり他のチームメンバーと比べると高めですね。

kuma:プレイスタイルによるんじゃないかな。ただ、別ゲーの話(レインボーシックス シージ)になるけど、TSM FTXの「Beaulo」みたいに「ハイセンシみたいな動きをするローセンシ」もいるじゃないですか。もう凄い速度で振り回してるんでしょうけど。

岡野:多分、ああいう人からすると「軽さ」って絶対的な正義ですよね。重さがない分「滑り出し」「速度」も軽ければ軽いほどいいだろうし。

夏上:『レインボーシックス シージ』だと自分はモンターニュ専なんですが、「一瞬で攻撃された方向に盾を向ける」ことだけを追及してハイセンシになった経緯がありますね。射撃戦をしている時間より、敵と睨みあっている時間の方が圧倒的に長い。

kuma:あー、なるほどなぁ。やっぱりプレイスタイルは絶対あるな。

夏上:ローだとキルされる攻撃でも、ハイだと体力20とかが残ったり。普通にプレイしていると特に違いは感じないと思うんですが、俗に「盾専」って呼ばれるくらい使ってると0.5秒前くらいに「これは大丈夫」とか「これは落ちるな」とか分かるようになるんですよ。その「大丈夫」の数が圧倒的に多くなるんです。

kuma:ゲームによっても、キャラによっても、プレイスタイルによっても、違いは生まれてくるのか…。4人だけだけど既にメチャクチャ奥深い。

岡野:そこに色々な要因が加わって来るんじゃないかな。マウスを動かせるスペースだったり、机と椅子の高さだったり、「その中で適応していく」とでも言えばいいんですか。

夏上:簡単に調整を掛けられるということで、電動昇降式のデスクとか気になる。やっぱり机の高さってエイムに効いてくると思うので。

岡野:机もだけど、モニターの高さってどうなんですか?

kuma:高さもだけど…距離?

夏上:それはベテランの意見だわ。モニターとの距離、お聞きしてもいいですか。基本的な距離で。

8月:50cmくらいですね。自分のマウスの構え方の関係でかなり遠めです。

岡野:15cmくらいです。かなり近めかなと。

kuma:基本は30cmくらいだと思いますけど、ゲームに集中すると前のめりになって、岡野さんと同じくらいにまで近づくかな。

岡野:そうですよね。特に「1on1」みたいな状況になるともう。どんどんモニターに顔が近づいていく(笑)。

夏上:岡野さんとkumaさんが似てきた(笑)。私は基本30~40cmくらいですね。でも昔は8月さんと同じくらいで遠めでした。

kuma:なんか海外の配信者とか見てると、「ちょっと集中するわ」みたいな時にマイクずらして前のめりになってる人は多いよね。

夏上:私も『VALORANT』やってる時だけは自然と前のめりになる。『Apex Legends』とかだと構えてる感じなんですけど。

kuma:見てる範囲なのかな…?

岡野:絶対あると思う。『VALORANT』とかって敵がくる位置が大体は予測できるじゃないですか。

kuma:あの手のゲームって「真ん中に敵を捉えなきゃ」って意識が凄く強いんです。ただ、バトロワだと周辺も見ないといけないというか、根本的な問題として索敵をする必要があるんで。画面全体を情報として取る必要がある。

夏上:じゃあ逆に岡野さん、kumaさんも『Apex Legends』をやる時って少し距離は離します?

岡野:離します。モニターの位置も変えます。

kuma:離しますね。逆に「5vs5」のタイトルをやる時は近づけます。

夏上:うわ、ゲームだなぁ。こうして見てみると「主にプレイしているゲーム」「マウスの持ち方」「モニターまでの距離」で傾向性が出てますよね。母数が圧倒的に少ないから断定はできないんだけど、凄いなぁ。もう少し人が欲しい(笑)。

kuma:ローの2人が「かぶせ持ち」ってのが面白いですよね。僕の場合は若干「つまみ」が入っているスタイルですけど。「腕を動かすまでもないけど」みたいな状況で、手の平の中で、ほんの少し動かして微調整を掛けたい場合も多くないですか?

岡野:ロックしてる時とか、まさにそんな感じですね。

夏上:岡野さんはそれが「ハイセンシの時の名残」で、手の平の中で動かすというより軸をつけて調整するスタイルなのかも。その「微調整」が極限まで行くと、昔の私みたいな「意思を伝えるだけで動く」レベルになるのかな。現実でも、F-16戦闘機はまさにそんな感じらしく「操縦桿は数ミリしか動かない」らしいんですよ。「どれくらい圧力が加わったか」っていうのをコンピューターが判断して、「パイロットはこういう風に機体を動かしたいんだな」って機体が動くっていう。

kuma:最近の軍用ドローンのコントローラーは「Xbox」とか「PlayStation」シリーズのが使われてるイメージがありません?

夏上:確かにあるな。話を戻しますけど、ハイセンシって上に行けば行くほど「脳の意思で動かせる」みたいなのに近くなるんですかね。

8月:なんかもう『ソード・アート・オンライン』の…(笑)。

kuma:そうそう(笑)。でも、割と関係が見えてますよ。人数は少ないけど。

夏上:ローセンシの2人が画面への距離が近いのも面白い。「メインにやってるゲーム」は大きいのかもなぁ。

岡野:「通ってきたゲーム」の影響も大きいですよね。

kuma:『メタルギア』シリーズも好きだし、『エースコンバット』みたいなフライトシューティングも好きだし、もう何でも遊びますけど、モニターの距離がそもそも近くなるのは「5vs5」だけかな。熱中して前のめりになるってのはあるけど、最初から近づけたりはしない。

夏上:「ハイセンシとローセンシ」ってより「ゲーム環境」の話になってきた。

岡野:どこまでも広がる話ですよね、これは。

kuma:10年以上前から言われ続けている「ぼやっとしたモノ」を明らかにするみたいな感じで面白いな。極論、人それぞれなんですけど、全体の中の「ある程度の傾向」みたいなのって確実にある気がする。

夏上:逆にローセンシのお二方、「ハイセンシでやれ」って言われたらできます?

岡野:ムリです。絶対にムリ。

kuma:ムリですね。「画面酔い」しちゃうと思う。

夏上:8月さんは「ローセンシでやれ」って言われたらできます?

8月:できると思います。自分がセンシを色々試しているというか、まだ定まってないのが大きいとは思いますが。ただ、今のセンシにしてから特に『VALORANT』は視野角が狭い上に自分で設定できないので、慣れるまで大変でしたね。ものすごく画面が相対的に動いているように感じて。

夏上:「画面酔い」ってキーワードが気になるな。皆さん「乗り物酔い」ってします?

8月:僕はしないですね。基本的に酔わないです。

kuma:乗り物はそこまででもないんですけど、ゲームによって「3D酔い」する場合があります。

岡野:ゲームに関しては酔わないんですけど、乗り物はメッチャ酔います。

夏上:うわ。ここでも傾向が出るのか。私もまったく酔わないので、ローの2人が「何かしらで酔う」ってのは面白い。少なくとも「ハイセンシにすると酔っちゃうからローセンシ」って人はいそうですね。
(このディスカッション後、「FPSをプレイしている」Game*Sparkの編集部やライターにアンケートを募ったところ、センシに関わらず「酔わない」人が多数を占めました)

kuma:ゲーム内の「頭の揺れ」「モーションブラー」って切れたら切ります?僕は酔っちゃうから切れたら全部切るんですけど。

岡野:邪魔なんで切りますね。敵が見えなくなるんで。

夏上:対人戦じゃない「雰囲気を楽しむ」みたいなゲームとかでも切ります?

岡野:基本的には切りますね…。

夏上:ここでも分かれるのか。自分は「雰囲気を楽しむ」ようなゲームだとオンですね。対人戦のゲームだと視認性が直結するので切りますけど。でも「センシによって酔ったことがある、ない」って言うのは、あまり聞いたことがないですよね。

8月:正直、ここで初めて聞いた気がします。

kuma:大きな軸としては、既に出ている「やってるゲーム、やってきたゲーム」が大きい気がしますけど。

夏上:私は人生で一番長い時間遊んでるゲームが『The DIVISION』なんですけど、未だに「脳波で動かす」レベルですね。120発あるライトマシンガンをフルオートで撃ったり、縦反動がかなりあるアサルトライフルを60発フルオートで撃ったり。リコイルを長時間制御する必要があるので。

岡野:あれは大変そう。ローセンシで撃とうもんなら、エラいことになるでしょ。

kuma:マウスパッドの下まで行っちゃいそうだよな。

夏上:なりますね(笑)。なので、私はゲームによってセンシをガンガン変える派なんです。「そのゲームを遊んでいる時」のフィーリングを最重要視してる。

kuma:基本は固定で、微調整するタイプです。

岡野:僕もですね。メインになってるゲームをベースとして、基本の感覚が狂わないようにって感じで。特に『レインボーシックス シージ』と『VALORANT』は全く同じ感度です。

8月:固定です。全て統一しています。

夏上:これはあまり関係がなさそうですね。普通にセンシに関係なく、ある程度は標準化している人が多そう。あとはローセンシだと軽めのマウスを好んだりするのかな…?

kuma:僕の場合、軽い重いというよりかは「自分に合うかどうか」が大きいな。無線から戻れなくなったってのもあるけど。使いやすさを最重視です。

岡野:握りやすさ振りやすさが最重要。重さは正直、気にしてないです。

8月:実際に動かした時が重要かな…。

kuma:ただ、重いと当たり前ですけど「重いな」とは感じますよね。「振っている時の最高スピード」じゃなくて「振り始めの加速スピード」が全然違うじゃないですか。

夏上:8月さんが2種類のマウスを使ってるって仰られていたんですけど、今の「スーパーハイセンシ」にしてからはどちらを使ってます?

8月:今のメインは「G502」です。ローとかミッドの時は「G PRO」を使っていました。やっぱり「初動のレスポンス」が良かったので。ハイになってからは「吹っ飛んじゃう」傾向があったので変えたという感じです。

夏上:ハイセンシって、ローの人とは別の方向でマウスの重量を求めている気がする。「最低限、必要な重さ」というか。

kuma:マウスパッドの話に戻るけど、そことの兼ね合いもありますよね。「滑りやすいか滑りにくいか」「止まりやすいか止まりにくいか」。そこに「マウスの重さ」というのが加わってくる。

夏上:ここにいる全員が「布製」のマウスパッドを使ってるじゃないですか。

岡野:僕は布のマウスパッドしか使ったことがないですね。

kuma:なんなら、今だとハードのマウスパッドを使っている人が少ないんじゃないかな。

夏上:ハードって基本的に「滑らせること」を前提に作られる素材じゃないですか。「操作に与える影響」みたいなのが、布と比較すると大きいのかな。そもそもの前提条件が大きい。

kuma:昔、かなり表面が荒いハードパッドを使ったことがあるんですけど、止まりはするんですよ。止まりは。ただ凄い勢いで「お互いが削れていく」っていう(笑)。

夏上:私も1度使った事があるんですけど、色々と合わなくて最終的にはやめちゃいましたね。ただ、手入れがしやすかったのは本当に良かった。

kuma:洗っても水滴を拭き取るなりすればいいし、そういう面でハードパッドは本当に良い。そこは間違いないですよね。


《夏上シキ》

フリーランスライター 夏上シキ

ゲームと美味しいご飯とお酒が好き。

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