「DPI、ゲーム内感度、サイドボタン」
ーー「某菓子戦争には及ばないものの、DPI、ゲーム内感度、サイドボタンに関しては長くゲーマーの議論の種だ。答えなどないコトは誰もが知っているが、それでもゲーマーがゲーマーでいる限り、この話題が尽きることはないだろう」
夏上:では、多くの読者の方々もプレイされているであろう『Apex Legends』のゲーム内感度をお教えいただければなと。
8月:DPI「1500」で「1.6」です。倍率では変更なしですね。
kuma:DPI「800」、ゲーム内は「1.1」ですけど、高倍率になればなるほど感度を上げていく設定にしてますね。
岡野:DPI「600」で「1.5」です。
夏上:DPI「2000」で「1.4」ですね。倍率に関してはkumaさんと同じで。
kuma:やっぱり岡野さんと僕は最終的な数値が似てくる。eDPIがそれぞれ「900」と「880」でしょ。近いよね。
岡野:それでもこの段階で「ハイセンシ」側の基礎DPIすらないのがヤバい(笑)。掛けてるはずなのに超えてないよっていう。
夏上:元のDPIが高い夜空さん(3000)と、低い岡野さん(600)では、実に5倍の差がベースの部分で生まれてる。
岡野:どの程度の量のタイトルを遊ぶのかも関わりますよね。「このゲームしかやらない」って人なら、そこまで考える必要もないじゃないですか。
kuma:「どのゲームをするために、上げたり下げたりしたか」ってのも気になる。僕とか岡野さんの場合は「5vs5」をやるために下げてるわけで。逆に、「何かのゲームをするために上げてる」場合もあると思うんですよ。
夏上:あるかもしれない。私がそれに近いな。
kuma:『PUBG』とかだと、そもそもリコイルが凄まじくデカいんで、縦感度だけをゲーム内で触ってましたね。「横を1とすると縦が1.〇」みたいな。最初はデカいマウスパッドを使ってるのに、フルオートで1マガジン撃てなかったんで。
夏上:『PUBG』っていうとAKがでかい反動なのに、今度はM762とかいう更にエグい反動のARが追加されてた記憶が(笑)。
kuma:「マウスパッド足りねぇ!」が合言葉みたいになってましたもん。
夏上:こうして見てみると、ゲーム内感度は意外と近いのが面白い。やっぱり基礎のベースとなってるDPIが影響してる傾向があるな。
kuma:あんまり見た事ないですよね。マウスのDPI低くてゲーム内感度めちゃくちゃ上げてる人とか、その逆の人も然りですけど。
夏上:というか同じ「かぶせ」とか「つかみ」とか「つまみ」でも、握る角度とかは完全に人によって違ってきますよね。「実戦だと違ってくる」とでも言うのか。
kuma:例えば「かぶせ」って腕の動きがダイレクトに反映されやすい反面、微調整が効きにくい。ハイセンシだとやりづらそうだなって。
夏上:ローセンシの「微調整」が、ハイセンシの「感度調整」って側面はある。だからこそ、保持しやすい「かぶせ」がローセンシには好まれるのかもしれないですね。ローセンシの極限って「腕と手がマウスと一体化する」みたいなところがありそうだもん。
岡野:そうですね。「腕を動かすと直接マウスに伝わる」みたいなのが理想かな。固定されてるみたいな。
夏上:完全に「ガムテープデスマッチ」じゃないですか。ローセンシの桃源郷は「ガムテープデスマッチ」だった…?
岡野:近いな。近いかもしれない(笑)。少し関係ない話になりますけど、「サイドボタン」って何を割り当ててます?
夏上:面白い。とりあえず『VALORANT』と『Apex Legends』で聞きましょう。
kuma:『VALORANT』だと使ってないですね…。
8月:僕も使ってないです。あと『VALORANT』をやる時は「G502」じゃなくて「G PRO」の方でやってます。
岡野:え、ウソでしょ?サイドボタン使ってないってあるんですか。
kuma:右手は完全にエイムに集中させたいんですよ。それだけにしたいので。
8月:僕も同意見ですね…。
岡野:僕もその考えに近いは近いですけど、「マップ」と「ボイスチャット」に当ててるんです。頻繁に使うじゃないですか。エイムにあまり影響しない範囲で当てています。
8月:あー、なるほどなぁ。それいいなぁ。
夏上:…私は完全にスキルを入れております。ジェットメインなので…。
岡野:ジェットのブリンク、レイズのブラストパックとかはサイドじゃないとキツそう。あの手のモノはサイドボタンがいいのかな。「プレイしているキャラによるセンシ」に近い部分がここでも出てくるのか…。
夏上:『Apex Legends』ではどうです?
8月:「グレ」と「回復」です。回復は「ホイール兼選択しているものをすぐに使用する」やつです。
kuma:「ウルト」と「アビリティ」ですね。
岡野:ウルトですか!?初めて聞いたなぁ。
kuma:「戻る」がアビリティ、「進む」がウルト。他のゲームだとアビリティが格闘なんですよね。『Apex Legends』だけは入れてない。
夏上:確かに『Apex Legends』だと格闘ってあんまり使わないもんな…。咄嗟に格闘を出す瞬間みたいなのが、他のゲームに比べて少ない気がする。
岡野:僕も「戻る」がアビリティで、「進む」が回復。8月さんと同じやつですね。ホイールで選ぶやつ。
夏上:8月さん、エーペックスレジェンズを遊ばれてる時は「G502」だと思うんですけど、「DPIアップ/ダウン」と「DPIシフト」って何を当ててるんですか?
8月:使ってないです。指の長さが足りなくて押しにくいので。まったく押せないわけではないんですが、持ち方がかなり不自然になってしまう。
岡野:「G502」だけど、他のマウスにもあるサイドボタンしか使ってないのは面白いな。
夏上:私は「進む」にアイテムを拾ったりとかドアの開閉をする「アクションキー」、「戻る」にPING、「DPIアップ/ダウン」は切り替えしゃがみと回復、「DPIシフト」はアビリティ。「スクロールホイール」の左倒しには武器収納を入れてます。基本的な移動以外、ほぼ全てがマウスで完結してますね。
岡野:「G502」をフルに活用してる。8月さんとは対照的だ。
kuma:スクロール関係って誤爆が怖くないですか?自分はストレイフのために、スクロールアップにWを入れてるだけなんですけど。
夏上:根性でどうにかしてます。自分はスクロールダウンにWを入れてますけど、正直、誤爆したことはほぼないです。最初の頃、ストレイフしようとして「武器収納しちゃった」みたいなことがポツポツあったくらいで。
kuma:今の話を聞いて、キーボードの数字キーの回復を意外とみんな使ってないんだなって思いました。自分は回復ホイールは使ってないんですよ。3から6に「セル、バッテリー、注射器、医療キット」を割り当ててしまっているので。
岡野:即座に使用できるのは強みですよね。
夏上:自分は3に「敵を発見」、4に「痕跡を発見」を入れてます。意思共有が大事なゲームでもあるじゃないですか。回復に関しては「戦闘が始まるな」って思った瞬間にバッテリーをセットしておくって感じで。
8月:バッテリーセット、それ分かります。
夏上:有名だし「G502」買ったけど、大きすぎて使えなかったって人は多いんじゃないかな。それで小さめのマウスを買ったみたいな人は結構いると思う。兎にも角にもサイズが重要だと思うんですよ。どんなに性能がよくても、どんなに機能が良くても、サイズが合わない時点で使う気は起きなくなる。
kuma:でしょうね。あとは岡野さんが使ってる「Razer」。デバイスメーカーの中でも凄くコンセプトがハッキリしてると思います。「これは〇〇用」みたいな感じで分かりやすい。
夏上:どのメーカーも「下手にデザインを変えられない」ってのもある気が。機種に付いていたファンが離れてしまうのはメーカーとしては好ましくないじゃないですか。「デザインそのまま、センサーが新型になりました」か「完全に新コンセプトの新型機種です」なのは、そういう側面もある気がしないでもないです。
岡野:今のトレンド?って言うのかな。マイナーチェンジ的なものに加えて「基本性能を忠実に高めた左右対称機」みたいなのもありますよね。
kuma:どのメーカーも「フラッグシップ機」って左右両用か、完全に右手専用じゃないですか。市場のニーズ的な問題もあるので、仕方ないんですが。
岡野:自身も左利きなんですが、マウスは右手で操作していますね。
夏上:8月さんの「G PRO WIRELESS」、岡野さんの「Viper 8K」も「基本性能を高めた左右対称機」ですよね。でも、こうして見ていると、サイドボタンは「ゲーム内で頻繁に使用するキー」が割り当てられている場合が多そう。ゲームやプレイスタイルによっては「エイムに影響しない範囲で割り当てない」みたいな選択肢も、そもそもである「マウスから選ぶ」という選択肢もある。
kuma:かなり前に少し出た話ですけど、あとは一時期「DPIを上げてゲーム内感度は下げた方がいい」って言われてたじゃないですか。「どの辺りまでDPI上げてた?」みたいなのは気になる。
夏上:恐らく私の出番だと思うんですけど(笑)。DPIは6000とか、最高8000ですね。ただ、kumaさんが仰られてるそういう目的じゃなくて、トラックボールから乗り換えた直後だったんで、その操作性に近いフィールを求めていたっていう感じです。ゲームは関係なく。
kuma:マウスを意地でも動かしたくねえって強い意思を感じる(笑)。
岡野:ある意味で逆に繊細な動きですよね。手元を見てみたい。
夏上:いやホントに動かないですよ。手の「ピク」って動きで「ビュン」って移動するので。
kuma:それ本当に脳波で動かしてた説ないですか(笑)。
岡野:夏上電脳化してる説。
夏上:ですかね(笑)。…やや話が逸れましたが、ここまでディスカッションを行わせていただいた中で、「メインに遊んでいる、遊んできたゲームタイトル」、「プレイ環境」が「今のセンシに大きく影響しているのではないか」と。他にもデバイスへの考え方だったり、サイドボタンへの割り当てだったりと、「FPSゲーマーの頭の中」を覗き込んでいるようで楽しかったです。
kuma:正直、これ無限に話せると思うんですよ。というか人がもっと欲しい(笑)。トレンドの移り変わり的なモノも含めて、定期的に話してみたい内容です。
岡野:ガチで面白かった。この少ない人数でも「傾向」的なものが出てくるので、やっぱり人が欲しいですね。もっと時間も欲しい(笑)。
8月:自分もセンシに悩んでいる中でしたが、非常に興味深い話でした。
夏上:来年もやれたらやりたいですね…!本日はお忙しい中、みなさんありがとうございました。