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『ゼノブレイド3』この支配からの卒業…英語圏で通じない「成人の儀」はどう表現された?【ゲームで英語漬け#104】

ヨーロッパには成人式がありません。どのようにローカライズされたのでしょうか。

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『ゼノブレイド3』この支配からの卒業…英語圏で通じない「成人の儀」はどう表現された?【ゲームで英語漬け#104】
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7月29日、大作RPG『ゼノブレイド3』が遂に発売しました。恒例の濃厚なイベントシーンは相変わらずで、総プレイ約150時間が見込まれるシリーズの総決算と言えるでしょう。今回は大きなネタバレの無い第1章から、世界の一端が明かされるイベントシーンを取り上げます。英語音声ではリクの声がイケボに変わっていました。

Dialogue/Chapter 1

We each have a life span of ten years.
We call them terms. Life begins with our first term, and ends at the close of our tenth.
(中略)
Those who do survive to the end are honored in a special service.
We call it...the Homecoming.
Our lives came from the Queen, and we all lived for a chance to take part in the Homecoming.
The chance...to return to the Queen’s embrace.

俺たちにはそれぞれ10年の寿命がある。
それは『期』と呼ばれ、一生は第1期から始まり、10期の終わりに尽きる。
最後まで生き残った者には特別な栄誉が与えられる。
俺たちはそれを、『帰郷』(成人の儀)と呼ぶ。
俺たちの命は女王より授かり、『帰郷』の時を迎えるために生きてきた。
…女王の抱擁へ戻るときのために。

  • Term:期間、学期

  • Service:奉仕、栄誉

  • Embrace:抱擁

何かと専門用語が多い『ゼノブレイド』シリーズ。シナリオ重視の作品ではその文化圏で理解がされやすいよう「カルチャライズ」が施されます。ここでは「成人の儀」が意味合いの違う「Homecoming」になりました。

成人になる年齢はヨーロッパで16~18歳、日本でも最近18歳に引き下げられましたね。実は、日本で行う「成人式」に当たる大きなセレモニーや儀式はヨーロッパでは、伝統の民族衣装を着る、上流の社交界デビュー以外は誕生日を派手に祝う程度に止まっています。アメリカ南部では『The Last of Us』のようにライフルを立派に扱えるのが大人の証、なんてのもありますね。

中国や韓国には日本と同じように大勢が集まって行う成人式があり、少なくとも中国語版では「成人儀式」が確認できました。

欧州圏ではそういったセレモニーのイメージを共有していないので、「Homecoming」(帰郷)、いわゆる学校の同窓会を当てはめました。アメリカの同窓会は9月頃に行われ、毎年卒業生の中から「王」と「女王」が選出されます。『ゼノブレイド3』では女王に選ばれる形でも、英語では成人の儀の場面を「卒業」の印象で受け取るのでは無いでしょうか。

I‘ve been alive six times longer than you lot.
This is how people are really meant to be.
Listen, folks... That’s not all.
There’s still...something else that needs to be done.
You guys... You wanna survive?
Live on? Hold the torch?

俺はおまえらより6倍以上生きてきた。
これが人間本来のあるべき姿なんだよ。
いいか、よく聞け…これが全てじゃねえ。
まだ…やるべきことが残ってる
おまえら…生き残りたいか?
生き続けたいか? 希望を持ちたいか?

  • meant to be~:~であるべき

6人にウロボロスの力を与えたゲルニカ。10年の命と定められた彼らに人間本来の寿命を教え、成人の儀より先にある希望を授けます。英語では希望を強調しており、原文では「もっと、生きたいか」のところを“Hold a torch”と新たに加えています。

命の火時計にもかかり、文脈的には生きる希望と取るべきでしょうが、“Hold(carry) a torch”には慣用的に特別な意味があります。「Torch」とはすなわち心に点る火、燃え上がる恋の炎を指すことが多いのです。戦場しか知らないノア達に大人の色恋があるとは思えないので、飛躍の翻訳にはなりますが、「恋をしてみねえか?」と取ってみても面白いですね。

There’s one place that might give you a chance:
Swordmarch. The land pierced by the great sword.
You gotta find our hope...
Our City...It’s the only way you’re gonna defeat the real enemy...
And reclaim what was lost...
The way the world, and life...should be.
And listen. Don’t give up. Ten years? You kids deserve better.
The only thing that can change all this... is the will of Ouroboros...
You kids, and you alone....

ひとつだけ、そいつを叶えられる場所がある。
“Swordmarch”、大剣の突き立つ地。
そこで俺たちの希望を見つけるだろう…
俺たちの「シティ」…真の敵を倒すにはそれしか無い…
そして取り戻せ…世界、命のあるべき形を…
いいか、諦めるんじゃねえぞ。たった10年?もっと生きたっていいんだぜ。
全てを変えられるのは…ウロボロスの意思だけだ。
おまえらの、おまえらだけのな…

  • Pierce:貫く

  • Deserve:~に値する

後半では「One」「Only」と、選択肢が無い定められた運命を思わせるワードが入ってきますが、その中から「Alone」をピックアップしましょう。「Alone」というと通常は単独、孤独などの「1人」として取りますが、必ずしも1人となるとは限りません。

今回の場合“You alone”、ノア達6人が「Alone」であるとゲルニカは言っています。「Alone」とは1人であっても複数人であっても、周囲に誰もいない状態、隔絶や孤立を表します。「二人きり」を指すときにも“We are alone”“Alone togather”と表し、ネガティブでは無くむしろロマンチックなイメージを持ちますね。

ノア達はこの後、属していたコロニーから追放されて孤立無援、「Alone」となって希望の地を目指す旅に出ます。この地の名前「シティ」も英語版では「Our City」、「俺たちの街」と明言しました。そうなることを予期していたゲルニカとは何者なのでしょうか?


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