PLに新たな景色を見せたいーゲームオンと冒険企画局によるTRPG『インセイン』新シナリオCBTプレイレポート | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

PLに新たな景色を見せたいーゲームオンと冒険企画局によるTRPG『インセイン』新シナリオCBTプレイレポート

企画主催のゲームオンへのインタビューも掲載しています。

連載・特集 プレイレポート
PLに新たな景色を見せたいーゲームオンと冒険企画局によるTRPG『インセイン』新シナリオCBTプレイレポート
  • PLに新たな景色を見せたいーゲームオンと冒険企画局によるTRPG『インセイン』新シナリオCBTプレイレポート
  • PLに新たな景色を見せたいーゲームオンと冒険企画局によるTRPG『インセイン』新シナリオCBTプレイレポート
  • PLに新たな景色を見せたいーゲームオンと冒険企画局によるTRPG『インセイン』新シナリオCBTプレイレポート

ゲームオンはTRPGの企画・開発を手掛ける「冒険者企画」との共同プロジェクトとして、テーブルトークRPG(TRPG)『インセイン』及び『シノビガミ』の公式シナリオをローンチすることを発表。さらに『インセイン』に関してはクローズドベータテスト(CBT)も実施する旨も同時に明らかにしました。

基本的にはアナログゲームであるTRPGのクローズドベータテストということで、その話題性からCBTには応募が多数寄せられたそうです。今回、編集部では先行してその内容を体験させて頂ける機会を頂きましたので、その様子をお届けします。そこにはTRPGユーザーの新たな1つの未来の形が見え隠れしていました。

機械仕掛けの未来」は希望か絶望か

今回のCBTは3箇所の実店舗で開催されます。今回の取材にご協力いただいたのはテーブルトークカフェ Daydream」。本店舗は日本で最初に「テーブルトークカフェ」としてTRPGをプレイする為のスペースを提供した場所ということもあり、店の中は大量のTRPGのルールブックが並べられておりました。

また、体験卓のGMもDaydreamのスタッフが実施してくれました。今回GMを担当したのは宮音詩織さん。筆者はTRPGを毎週1~2回、多い月には毎日遊ぶほどのTRPGジャンキーだと自負していますが宮音さんの進行は非常にスムーズで、またTRPGにおいて楽しさの要因の1つであるロール(演技力)も凄く物語に惹き込まれていきました。

さて、シナリオの話の前に『インセイン』というTRPGシステムについて軽く説明します。本作はマルチジャンル・ホラーRPGということで、なぜだか怪異に引き寄せられる運命の持ち主である逢魔人(おうまがびと)をプレイヤーは操り、ゾンビ・学校の怪談・サイコサスペンス・クトゥルフ神話などなど、古今東西の怪事件に挑むことになります。

ただし、各キャラクターには他のプレイヤーに見えている目的とは別に秘密を抱えており、実は他のプレイヤーは敵だったり一筋縄ではいかない要素になっています。さらにホラーということで、ゲームの展開によっては操っているキャラクターが発狂したりなんてこともあり、ダイスの出目一つで希望と絶望が大きく傾いていく、そんなシステムになっています。今回プレイしたのは私の他には2名。私自身はTRPGの経験は豊富ですが『インセイン』のプレイ経験は無し。もう1名はTRPGの経験もあり、インセインのプレイ経験も2,3回。そして最後の一人はなんとこれがTRPG初体験という組み合わせになりました。

そんなTRPG初心者も混ざった今回のCBTでしたが…先にも記載した通り、GMの進行が非常に上手かった為TRPG初心者の方は勿論、『インセイン』未経験の私もすぐにルールを理解することが出来ました。終始和気あいあいな雰囲気でプレイが進行していき、それぞれのプレイヤーが目指すべき使命に向かって提案・ダイスの結果に一喜一憂したり演技をしたりと非常に濃厚な時間を過ごせました。

シナリオの内容そのものについてネタバレが無い範囲で申し上げるなら、TRPG自体を初体験のプレイヤーには少々酷かなと思いました。ただし、『インセイン』の体験という意味では非常にわかりやすく、ロール(演技)が中心になるシナリオなので、キャラクターの設定を組むのが好きな人、キャラクター同士の会話を楽しみたい人ならば間違いなく楽しめるシナリオだと思います。

また、キャンペーンページにもあるように、知識と経験が豊富なショップの店員さんがGMとして先導してくれるので、TRPGや『インセイン』が初心者の人も臆せず遊んで欲しいと思います。ちゃんと初心者であることを伝えれば親切丁寧に教えてくれます。

プレイヤーが「原作者」になって欲しい

今回の企画を主催するゲームオンの方にもインタビューを実施しました。答えて頂いたのは金子晃利さん(写真左)と杉村知顕さん(写真右)。お二方も非常に気さくに話をしてくれました。

ーーー今回クローズドベータテスト(CBT)を実施した理由はどのようなものでしょうか。

金子皆さんからの反応を見て製品版をブラッシュアップする為というのは勿論ですが、今回体験して頂いた初心者の方が楽しめる場所や機会を提供したかったのもあります。また、今回のCBTで提供したシナリオは製品版の一部と言うよりは、1つの「未来の形」という言い方の方が正しいかもしれません。

ーーーつまり製品版は全く異なるものになるということでしょうか。

金子その通りです。製品版のシナリオは物語のタイプから実際のシナリオの中身、そして物語のその後も異なります。ただ、根本的な設定そのものはCBTでお出ししたものから大きな変更もありません。CBTのシナリオをプレイした後製品版をプレイすると「なぜ今回体験したシナリオがCBTであるのか」をよく理解出来るので、CBTに参加した方にはぜひ製品版も入手していただき、その意味を確認して欲しいです。

ーーー製品版は動画や配信などでプレイしている様子を流しても問題ないでしょうか。

杉村問題ありません。ぜひ配信などで遊んでみて下さい。その為というわけではありませんが、製品版にはシナリオだけではなくイメージの背景や音楽も同梱していますので、そちらを使用して臨場感のあるプレイ動画や配信を楽しんで貰えると嬉しいです。

ーーー今回は発売されたシナリオで遊んだ後、リプレイと呼ばれるプレイレポートをリプレイコンテストとして募集していますがこれにはどんな理由がありますでしょうか。

金子私達はTRPGを遊んで貰える人に少しでも笑顔になって欲しいと思っています。今回のCBTもそうですし、リプレイコンテストもそうです。賞の副賞には小説化やゲーム化が約束されている通り、プレイヤーの人たちにも「一次創作者」になって欲しいと思っています。いずれはTRPGのシナリオやリプレイがアニメ化され、プレイヤーも我々も新しいIPを持ち多数の人の目に止まり新たな笑顔を作る。そんな好循環を期待して、こういった企画を立てました。今後もこの方針は変わりません。

プレイヤーが新たな物語を紡ぐ

今回の取材からは「プレイヤー」(正確にはゲームマスターも含むですが)が主体となって新しい文化を作って欲しい、という考えが非常に良く見えました。「TRPG」という言葉が世間一般にも少しずつ浸透してきているからこそ、TRPGを遊ぶ人に何かを還元し、会社もプレイヤーも二人三脚でやっていこうと歩み寄っているのかなと感じています。

TRPGはデジタルなゲーム以上にプレイヤーと制作会社の信頼関係が強くないと、あっという間に廃れてしまうジャンルです。そのようなことが起こらないかを含め、今回の試みは非常に興味深く見ていきたいと筆者は思っております。

《げーまー哲》

焼きうどんが大好きなVtuberライター げーまー哲

2020年7月からVtuber活動開始。 普段はTRPGや音楽ゲームの配信を中心に活動。 それと同時にライター・ゲーム開発・同人活動を並行するマルチプレイヤー。 焼きうどんが大好きで、月の昼食の2/3は焼きうどんしか食べない。 世に出たゲームハードを多数所持しており、いずれ全てのゲームハードを所有するのが夢。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top