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戦争は終わった!スローライフ的ADV『Aka』復員したてのレッサーパンダが営む離島生活の極意【爆レポ】

モフみは十分だが、ゲームとしての完成度には大きな疑問。

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戦争は終わった!スローライフ的ADV『Aka』復員したてのレッサーパンダが営む離島生活の極意【爆レポ】
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目まぐるしく移り変わる世の中、ゲーム業界も光の速さで進歩し、どれが自分に合うゲームなのか見極めるのは誰にとっても悩みどころです。懐の予算や遊ぶ時間と向き合いながら、いますぐ新作ゲームの情報が知りたい。そんなときのための「爆速プレイレポ」でございます。

今回は、Cosmo Gattoが開発し、2022年12月15日に配信された『Aka』をプレイして気になる内容を紹介します。

Aka』とは

本作は、可愛らしい動物のキャラクターたちが小さな島で穏やかな生活を送るスローライフ系アドベンチャー。戦争で心身ともに傷を負ったレッサーパンダの主人公が島を訪れ、大柄なウシ科の友人をはじめとした登場人物と交流しながら、自然豊かな島で気ままな時間を楽しめます。

畑仕事で作物を育てたり、建築や料理などのクラフト要素もあり、自分だけの田舎生活を自由に創造。一方で戦争から帰還した主人公という斬新な設定をテーマに、亡くなった戦友や幽霊と化した戦場での記憶など、モフモフした作風とのギャップとでも言うべき深刻なストーリーが展開されます。

また、本作は日本語を含めた複数言語に対応し、キー表示込みのフルコントローラーサポートも完備しています。

ありそうでなかった復員兵スローライフ

ゲーム開始後、唐突に“戦争は終わった”というテキストがフェードインし、戦場での現地解散から物語が幕を開けます。ぱっと見は2Dのようですが、キャラクターなどの動的グラフィックは3Dで制作されており、いわば“2.5次元”表示となっています。

もう手足を切ることはない!……あっ。

レッサーパンダの主人公・アカの友人・ソムの手紙を頼りに、島へ向かう船までの短い道のりの中で、移動やインタラクトなどの基本操作を習得。クラフトは開始時点から実行でき、細かい作業にはやや不向きと思われる大振りの刀をナイフ代わりにして、なんとか船旅の備えを間に合わせます。アカが船で行く場面は、手描き感のある紙芝居のような形で表現され、戦争を忘れようとする主人公の心情も併せて語られていました。

そうして何事もなく船旅を終え、主人公は当面の拠点となるパインツリー島に到着。ここに招いてくれたウシっぽい友人のソムに出迎えられ、戦争とは無縁のスローライフに心を躍らせます。用意されたチュートリアルはここで終了し、あとは良くも悪くも、プレイヤーの思うままに進めていくのが本作の内容です。

ソムが用意してくれたのは風呂付きの寝る場所のみであり、あとは全て自分で揃えていかなければなりません。ガーデニングの対象となる庭は荒れ果てているので、家の目の前を整地するために、まずは道具を揃えましょう。同じエリアのすぐ隣にある建物に鍛冶屋がいるので、そこで一通りの道具を作ってもらいます。

必要になる素材として、木材は家の中にある箱にいくつか入っており、どういうわけか島中に仕掛けられているトラバサミを鍛冶屋の炉で溶かして金属を調達します。オノやツルハシで障害物を壊し、クワで畑を耕して種を蒔き、ジョウロで水を与えるところまでは他の似たような作品と同じです。

種も箱や家の横にある倉庫にあり、刀で雑草を刈るときに手に入ることもあります。本作の特徴的な要素のひとつは、作物ごとに特性が設定されている点。異なる作物を隣り合わせに置くことで害虫対策ができます。筆者は特に何も考えず適当に植えましたが、それでも普通に育ったので、そこらへんの詳細は未知数です。

『牧場』ではないが『森』には近い

どこか既存のシミュレーション作品を想起させる本作ですが、あくまで比重はアドベンチャーにあり、農業やクラフトはストーリー進行に必要な手段でしかありません。本格的なスローライフを期待してプレイすると違和感を覚えるかもしれませんが、値段相応のカジュアルライクなゲームとして見れば納得できます。

大きな目標としては「先に逝った戦友の遺灰を山の上から撒く」というものがあり、それを達成するために小さなクエストを積み上げていくことになります。最初の島は生態系が豊富で居住には適していますが、本作の世界には全部で4つの島が存在し、それぞれ特徴も手に入る素材も千差万別。ゲームを進めるためには、それらの島を行き来してクエストを進め、ドラゴンから幽霊に至る島の人々の要求を聞き届けましょう。

カギとなるアイテムを揃えて必要とされる場所に当てはめ、謎を解いていく形式のストーリーなので、構造としてはかなりシンプルです。スローライフも副次的なもので深い要素がない反面、プレイヤーのレベルを問わない簡単な設計となっており、時間の概念もあってないようなもので急ぐ必要もありません。

強大な敵や過酷なノルマと対峙するゲーマー戦士には物足りない気もしますが、本作は元兵士という特殊な視点から描かれる物語。戦うことばかりでなく、たまには海岸でゴミ拾いをしたり、傷ついたオオカミに薬を届けたりして、心を休めることの意味を優しく説かれたような気がしました。


これは筆者個人の感想ですが、本作はゲーム作品としてユーザーへの配慮が足らないと思われる箇所があまりに多く、コンテンツの充実面でも疑問を感じました。

海の向こうから英語のボトルメール……ある意味、リアル。

動物主体の世界観ということで筆者としても期待していましたが、機械翻訳どころか一部英文がそのままだったり、フレーバーテキストやポップアップのヘルプもなく、登場人物からの助言もほとんどありません。

また、本作はパーマカルチャー(持続可能型システム)を取り入れており、おそらくはそれによってお金の概念が設けられていません。そもそもスローライフがメインの作品ではありませんが、雑貨屋で種を買ったり収穫物を売って稼いだり、そういう金の生るサイクルを楽しめないのは個人的には残念です。

俗にいう「アメリカン・スナイパー」状態。

3時間ほどプレイを続けるも、いまだに暖炉で火を点ける方法も分からないので、主人公がいつも暗い部屋に閉じこもっているのを見ると、これも戦争がもたらした悲劇なのかと思えてなりませんでした。

『Aka』は、PC(Steam)およびニンテンドースイッチ向けに配信中です。

タイトル:Aka
筆者がプレイした機種:PC(Steam)
発売日:2022年12月15日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:1,320円(Steam版)



《りおちゃんこ鍋》

ニート10年ゲーム20年の大元帥 りおちゃんこ鍋

一般曹候補として徴兵されて1か月で脱柵後、ラノベ作家を目指すという名目でママの年金を喰い潰し、1秒も働かずに35万のPCを購入。若干8才で『パーフェクトダーク』をクリアし、『コール オブ デューティー モダン・ウォーフェア2』『レインボーシックス シージ』『Apex Legends』など、戦場を渡り歩く根っからのFPS畑。強さだけが全てという当時の業界に感化され、クソゲーとヌルゲーマーを許さない。現在は、エロゲソムリエを自称し、単身DLsiteにて潜入捜査中。好きなバイオは「アウトブレイク」、嫌いなエロゲは「紙芝居」。

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