2025年2月11日に発売された『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』は、定番とも言える歴史ストラテジーのシリーズ最新作です。プレイヤーは歴史上の指導者となり、他のライバル指導者と競い合いながら、自分の文明を古代から近代まで導きます。6月5日にはNintendo Switch 2 Editionが発売され、ニンテンドースイッチ2のコントローラーを利用したマウス操作にも対応しました。
本稿では、本シリーズを普段PC環境でプレイしている筆者が、ニンテンドースイッチ2版を体験して感じたあれこれをレポートします。

操作性
まず第一に気になるのは、コントローラーを利用したマウスの操作性でしょう。ユーザーインターフェースは基本的にPC版と同じものが用意されており、慣れればPC版とまったく同じ感覚で操作できます。

しかし、使い慣れているPC用のマウスと比較すると、コントローラーのマウスは持ちやすさやボタンの押しやすさの面で不利であることは否定できません。このマウス操作はPCに慣れ親しんだ人よりも、これまでコントローラーでストラテジーを遊んでいた人にぜひ体験して欲しいと感じました。マウス操作ならマップ上の位置を指定するにもカーソルを1マスずつ動かす必要がなく、直接さっと指定できるので非常に便利です。

また、本作のコントローラーにはマウスのクリック以外にも操作が割り当てられており、Rスティックの上下はマウスホイールの回転に対応します。片手でズームやスクロールができるのは大変便利なのですが、PCのマウスとは感覚が逆で、スティックを上(前)に倒すとズームアウト、下(後)に倒すとズームインとなるため、この操作だけは最後まで違和感が拭えませんでした。

グラフィック
次に注目したのはグラフィックです。ニンテンドースイッチ2版のグラフィックは十分に綺麗で、PC版と比較して不満も違和感も感じませんでした。これは筆者が普段使用しているPCのグラフィック環境が貧弱なせいかもしれませんが、本作はストラテジーという性質上、グラフィックが必要不可欠な要素ではなかったのも大きな理由でしょう。

とはいえ、空中庭園などの“遺産”を建設した時に表示されるアニメーションは美しく、プレイヤーの達成感を大いに盛り上げてくれました。さらに、マップをズームインすれば、長い年月をかけて築き上げてきた壮麗な都市を間近に見ることもできます。

また、プレイ中は頻繁にマップのズームイン・ズームアウトが発生しますが、その際に処理落ちやグラフィックの乱れが起きることもありませんでした。唯一気になったのは、ゲーム開始前の準備画面で一部の文字がかすれて読みにくかったことです。しかし、ゲーム開始後はそのような問題は発生せず、快適にプレイできました。

パフォーマンス
最後に、パフォーマンスを調べるためにAIの思考時間を測定しました。家庭用ゲーム機向けのストラテジーでは、往々にしてAIの思考時間の長さが原因でゲーム進行が耐えられないほど遅くなる場合があります。そこで、本作を最後まで通してプレイし、ゲーム終盤でAIの思考時間がどの程度まで長くなるかを調べました。使用したマップサイズはデフォルトの“小”。PC版もマップサイズのデフォルトは同じです。

ゲームの最後の時代である“近代”で測定したところ、AIの思考時間は1ターンあたり12~16秒という結果になりました。この数字はプレイヤー自身の思考時間と比べて短く、気になるような長さではありません。6個の文明のうち5個の文明が同時に戦争をしている時でさえ、思考時間はほどんど変わりませんでした。このことから、ニンテンドースイッチ2版には十分なパフォーマンスがあると言って差し支えないでしょう。

また、パフォーマンスとは異なりますが、セーブデータの容量に限界があり、PCのようにディスク容量の許す限りセーブできるわけではない点には注意が必要です。どうやら、セーブデータの合計数ではなく、データの合計サイズに上限が設定されているようで、容量が不足しているとオートセーブに失敗する場合もありました。

全体的に見て、本作のニンテンドースイッチ2版はPC版と遜色ない出来栄えです。Rスティックによるマップのズームイン・ズームアウト操作だけ逆にできれば、操作性は満足の行くもので、グラフィックやパフォーマンスにも問題はありませんでした。
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)












