海外版『ブシドーブレード』とも呼ばれる超リアル剣戟格ゲー『Hellish Quart』で西洋剣術の技術を勉強しよう!【年末年始特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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海外版『ブシドーブレード』とも呼ばれる超リアル剣戟格ゲー『Hellish Quart』で西洋剣術の技術を勉強しよう!【年末年始特集】

Stermで早期アクセス配信されている格闘ゲーム『Hellish Quart』。「海外版ブシドーブレード」と評されることもあるこのゲームで、本物の“剣術”を学べるかも?

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海外版『ブシドーブレード』とも呼ばれる超リアル剣戟格ゲー『Hellish Quart』で西洋剣術の技術を勉強しよう!【年末年始特集】
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Stermで早期アクセス配信されている格闘ゲーム『Hellish Quart』は、「海外版ブシドーブレード」と評されることがあります。

つまり、小刻みな攻撃で徐々に体力を削りつつ最後は必殺技でフィニッシュ……という流れではなく、一撃がいきなり致命傷になり得るゲーム性ということです。『Hellish Quart』は「生身の人間が剣で斬り合う」ため、血が吹き出したり手首が飛んだり顔面に大きな裂傷を負ったり、場合によっては残酷な打ち首シーンも繰り広げられます。

しかしそんな『Hellish Quart』、ヨーロッパ各地の剣術を極めて精巧に再現しているゲームとしての評価もあります。今回は詠春拳初級教練(の試験に最近合格した)筆者が、「知られざる西洋剣術」について動画付きで解説します。



同じレイピア剣術でも地域によって違いが

レイピア(細身の両刃剣)を使う剣術といえば、現代人の多くはフェンシングを想像します。

そして現代で言う「フェンシング」とは、いわゆるオリンピックルールの競技化された種目。しかしヨーロッパやアメリカでは、今でも「オリンピックルールではないフェンシング」が行われています。それが「HEMA(Historical European Martial Arts)」です。

一口にHEMAといっても、使われる武器の形状は様々。試合の際は安全のために防具を身につけますが、レギュレーションが許せば「レイピアVSクレイモア」という試合すら行われます。さらに、同種の剣でも地域によって全く異なる技術体系が存在します。

『Hellish Quart』には、イタリアンフェンシングの少女剣士マリーと、スパニッシュフェンシングの女性剣士マルタというキャラクターが登場します。この二人は、お互いほぼ同じ長さのレイピアを持って戦うのですが、両者の戦い方はまったく別次元。「本当に同じ武器を使ってるのか!?」と目を疑ってしまうほどです。

マリーのスタイルは、ルネッサンス終焉期に確立されたもの。遠い距離から一気に間合いを詰め、相手の胴を切っ先で貫くことを得意とする技術体系です。現代のオリンピックフェンシングと性質がよく似ています。

ところが、マルタのスタイルはそもそもの間合いがマリーよりも近く、そのため高確率で鍔迫り合いの展開になります。そこから手首の柔軟性を生かして剣を回し、相手の頭上から斬りつけたり意外な角度からの突きを繰り出します。

スパニッシュフェンシングの確立は、イタリアンフェンシングよりも時代が下ります。そしてこのスペイン式武術は、地球の裏側にあるフィリピンの人々に多大な影響を与えます。

この時代のフィリピンはスペイン領。陶器や繊維、農作物が伝来するのと同じように、武術も海を渡りました。「カリ」と呼ばれる現代のフィリピン武術は、西洋のDNAも受け継いでいます。

フットワークと「手技」

オリンピックフェンシングには、「ピスト」という細長いフィールドがあります。選手はこのピストの外から出た状態で攻撃することはできません。

しかし、『Hellish Quart』にはもちろんそのようなものは存在しません。従って、「横に移動する」ということが時として重要になります。ボクシングでフットワークは極めて重要ですが、『Hellish Quart』も「素早く動ける足」が勝敗を左右することがあります。

その上で、鍔迫り合いになった際の「手技」が『Hellish Quart』では見事に再現されています! 詠春拳では手首の柔らかさが肝心で、これが固いとまずはストレッチからやらなければなりません。同様に西洋剣術も「相手の剣を弾いた後に手首を返して斬りつける」という動作が存在します。

日本の剣術との相違点

実を言うと、筆者は自分のYouTubeチャンネルで「『Hellish Quart』から見る西洋剣術の技術解説動画」を公開しています。筆者自身はまだまだ未熟者ですが、アメリカ在住の西洋剣術研究家とコンタクトを取り、技術的な助言を得たことも。

また、「中国拳法(詠春拳の場合は剣も扱います)を練習している日本人」の視点から「和洋中の武術の相違点」も観察することもできます。たとえば、剣道で言うところの小手打ち。片手持ちのサーベルを使った小手打ちは、日本の剣道ではまずあり得ない角度から豪快に断ち斬ってしまいます。

一方で、「手首の旋回」よりも「肩腕(かたかいな)の一体化」を意識する日本の伝統剣術(流派毎の差異もありますが)は、西洋剣術にはない力強さを秘めていることが自ずと分かります。

17世紀は「剣豪の時代」

『Hellish Quart』は、17世紀ヨーロッパが舞台のゲームです。

実はこの時代、日本でも歴史的な剣豪が何人も登場しています。宮本武蔵、荒木又右衛門、柳生十兵衛。これらの剣豪、あるいは彼らの流派が『Hellish Quart』にも実装される日がいつかやってくるかもしれません。

実はこの時代には、失業した武士たちが日本国外へ出て傭兵になるということが相次いでいました。まさに宮本武蔵並の戦闘技術を持つ日本人が、東南アジアでイギリス人やオランダ人の傭兵となって戦場を駆けたのです。タイ王国で貴族になった山田長政という人物すら存在しました。そんな彼らが船に乗ってヨーロッパへ行き、現地の剣士と一戦交える……ということは決して突飛な話ではありません。

そして冒頭で書いた通り、『Hellish Quart』は早期アクセスタイトルで、今後の大型アップデートが待ち遠しい1本でもあります。そのうち、ゲーム内で「スパニッシュフェンシングVS新陰流」という夢の対決も実現するかもしれません。


《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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