『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』悪魔の正体は復讐に取り憑かれた男だった?歴史の流れを変えた海賊ドレイクの業績【ゲームで世界を観る#36】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』悪魔の正体は復讐に取り憑かれた男だった?歴史の流れを変えた海賊ドレイクの業績【ゲームで世界を観る#36】

悪魔と呼ばれ恐れられた男、その胸の内にあるものは?

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『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』悪魔の正体は復讐に取り憑かれた男だった?歴史の流れを変えた海賊ドレイクの業績【ゲームで世界を観る#36】
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前回の『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』「黄金伝説は実在した!」で辿ったスペインの征服に引き続き、今回はそのスペインを付け狙い、国を左右するほどの略奪を行ったネイトのご先祖様、サー・フランシス・ドレイクの話題です。スペイン植民地を荒らし回った海賊でありながら、世界史の教科書に名前が載るくらいの人物で、改めてどんな業績があるのかを見ていきましょう。

ドレイクは単に海賊として稼ぐのではなく、スペインに対する復讐心が大きかったと言われています。そのきっかけとなったのが、25歳の彼がスペイン海軍に襲われた「サンファンデウルアの戦い」です。

ドレイクは従兄弟のジョン・ホーキンスが率いる私掠船団に従事し、スペインの植民地を相手に奴隷を含む貿易を行っていました。イングランドは私掠船でスペインの弱体化を図っており、イングランドが仕掛ける海賊行為に対し、スペインはアメリカ大陸の領有を取り決めた「トルデシリャス条約」に違反すると主張。そのうえ当時はプロテスタントのイングランドとカトリックのスペインで宗教戦争の状態にあり、メアリー・スチュアートをイングランド女王に据えることを画策するなど、両国の敵対はかなりエスカレートしている状態でした。

1568年、カリブ海で嵐に見舞われた船団は、メキシコ東部にあるサンファンデウルアの港に避難しました。戦隊のダメージを修復するために滞在していると、そこにスペイン海軍の艦隊が到着します。さすがに弱った状態で戦うことはできず、ホーキンス側は休戦を持ちかけました。

スペイン側もそれを一旦それを了承したものの、それを反故にして警戒を解いていたホーキンズの船団を襲撃したのです。スペイン艦隊は13艘で取り囲み、ホーキンズの船団6艘のうち4艘が沈められ、約300人の船員が死亡。残った2艘でホーキンズとドレイク、僅か15人の乗組員だけがイギリスに帰還しました。ドレイクはこの「裏切り」を忘れず、スペインへの報復に執心したとも言われています。

それから間もなく独立したドレイクはカリブ海で本格的に海賊活動を始めます。復讐心を原動力に収奪を次々に成功させ、スペイン人から恐れられるまでに悪名を挙げていきます。数年後に一旦本国に帰還すると、今度はマゼランに続く新航路発見の遠征を計画し、エリザベス女王の支援を要請しました。

イギリスが武力で脅かしていても、スペインには2回の世界一周を成し遂げた業績があり、それに匹敵する成果、また、スペインが抑えていないルートが必要でした。国家の威信をかけた遠征にドレイクは名乗りを上げたのです。

有名なゴールデン・ハインド号を旗艦にして、1577年にイングランドを出発したドレイクは、南米を越えて太平洋を横断する西回り航路で世界一周を目指します。その途上では南米の最南端を発見し、「ドレイク海峡」として地名を残しました。

その一方でスペインの植民地に襲撃を重ね、むしろこちらが主目的だったとも取れる発言もあります。海賊略奪ツアーのような調子で南米から北米西岸、東南アジア、アフリカの喜望峰を回り、3年がかりでイングランドへ帰還、英国発の世界一周を成し遂げました。収奪して持ち帰った戦利品は国家予算に匹敵し、上納金は傾いていた英国王室の財政を回復させるほどでした。

その功績によって彼はナイトの叙勲を受けたのです。プリマスの市長にも任命され、海賊であるにも関わらず異例の大出世になりました。

当然、甚大な被害を受けたスペイン側はこれには黙っていません。メアリー・スチュアートを通じエリザベス女王暗殺を仕掛けるものの、2回とも失敗。1587年、嫌疑をかけられたメアリーは遂に処刑されますが、スペインはこれを機にかねてより計画していたイギリス本土侵攻を始動します。カディス湾にスペイン軍艦を集結させます。

そこに急襲をかけたのが、海軍所属となっていたドレイクの艦隊です。スペイン軍の動きを察知したイングランドは先手を打って出航し、遠征の準備をしていたスペイン艦隊に不意打ちを食らわせたのです。この時乗っていた船の名前は「リベンジ号」、サンファンデウルアの借りを返すようにして、奇襲によって多くの戦艦を沈め、帰路にも海賊らしく沿岸の砦の破壊と商船の拿捕も行いました。これによってスペインの侵攻計画は一度頓挫、ドレイクはこれを「スペイン王の髭を焦がしてやった」と自慢したそうです。

そして翌年1588年、体勢を立て直したスペインの「無敵艦隊」と、私掠船を動員して迎え撃つイングランドの戦い、いわゆる「アルマダの海戦」が勃発します。ドレイクは艦隊の副司令官として戦い、炎上する船を突撃させる奇策で敵を驚かせました。

この戦いの結果カトリックの威信をプロテスタント側が挫き、イングランドは覇権争いへ本格的に食い込んでいきます。ドレイクは単なる海賊ではなく、スペインを弱体化させ、イングランドを列強にまで押し上げた立役者だったのです。

アルマダの海戦後もスペインへの復讐は終わらず、カリブ植民地襲撃の命を受けて再びアメリカ大陸に向かいました。しかし、それ以降大きな成果は上げられずに敗北が続きます。1596年のパナマ襲撃の際に赤痢に感染し、壊滅した艦隊の上であえなく命を落としました。彼の遺体は鉛の棺に入れられてパナマ沖に沈められた、それが現在に残されている彼の結末です。

……そう、冒頭でネイトが開けていたあの棺こそ、フランシス・ドレイクの伝説で語られた鉛の棺そのものだったのです。海賊に沈められていなければ、あれだけで立派な世紀の大発見間違いなしでした。然るべき手段で引き上げていたら、余計な冒険もしなくて済んだかもしれません。それはさておき、劇中でドレイクがエル・ドラドを追っていたのは、お宝探しではなくスペインを阻むためだったと考えると、見方が変わるのではないでしょうか。


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