さあ新米提督、未知の海を冒険せよ!
シングルプレイヤーでは、初期3人のクルーで潜水艦を運用していきます。初期設定ではプレイヤーたちの潜水艦の選択や世界のシード値のほか、ゲームの難易度や資金・物資の量といった設定も行えます。また、プレイヤーたちが迫る放射能から逃げるというゲームルールも設定可能です。放射能オプションを設定するとゲームは『FTL』に代表されるようなローグライク風味の、先へ先へと進み続けるスタイルになりますが、ローグライクとは違ってセーブデータが勝手に消去されてしまうようなことはないのでひと安心です。
ゲームは運良く航行許可を得たプレイヤーの潜水艦チームが、初航海に挑むという場面からスタートします。初航海は冒険のためのチュートリアルで、物資の購入やクエストの受領、潜水艦のメンテナンスや移動といった内容を、タスクでこなして覚えていきます。このあたりの説明は非常に丁寧で、本作を遊びやすくしてくれています。
本作は大マップで移動する海域を選択し、それぞれのエリアを探索していく方式。エリアは出発地点からゴール地点まで航行するのが目的で、その最中に船のメンテナンスやクエスト、戦闘といったイベントをクリアしていきます。ゴールまでたどり着いたら次の海域を選択し、次々とエウロパの海を進んでいくのです。
ゴール地点が人の住むコロニーであれば、新たなクエスト受領や買物、船の購入・強化などが行えます。当然ながら冒険を進めると環境はより過酷になっていくので、物資や人員は潤沢に用意しておきましょう。そのためには「配送」「怪物退治」「採掘」などのクエストを受けてお金を稼がなければなりません。
また、シングルプレイではクルーを切り替えて操作する、もしくはキャプテンとしてNPCクルーに指示を出して各役割の仕事をこなしていきます。NPCは、指示された内容についてはそれなりに頭が良く、適切な指示さえ出しておけば修理や敵の迎撃などを自動的に行なってくれます。
しかし、トラブルに追い込まれたら適切な指示なんて簡単には出せないでしょう。このトラブルにいかに対処するのかというのが『Barotrauma』の醍醐味です。
浸水!火災!襲撃!感染!トラブルはどこまでも
未知の海域での潜水艦の旅、当然ですがほとんどのエリアで穏やかな航行になることはありません。代表的なトラブルは怪物の襲撃です。エリアに生息している怪物は船に気付けばこちらを襲撃し、船の大砲で応戦しながら船を維持しなければなりません。
襲撃でもっとも恐るべき物は隔壁を破壊された際の「浸水」です。浸水すると船はまともに航行できなくなるだけでなく、潜水服を装備しなければクルーは酸素不足や水圧で死んでしまいます。ほかにも水没した電気系統がダメージを受けて修理が必要になる、隔壁に空いた穴から敵が侵入してくるなど、さまざまなトラブルが発生します。エウロパの怪物たちは水中では活発に動き、容易に人を死に至らしめます。それだけではなく、中には人間を不可逆に「ゾンビ」のような怪物に変えてしまう寄生虫を持っていることも……。
そのほかにも廃棄された施設や洞窟などの探検で怪我をしたり、船に寄生し酸を吐き出す危険な植物に船のポンプが乗っ取られてしまうことも。エウロパに潜む脅威だけでなく、単純な人災としてエンジニアの手が足りなければ、電源や機械が故障して火災が発生する可能性もあります。
さいわい本作では簡単に船が全壊することはなく、物資と人員さえあれば必ず復旧は可能です。パニックを起こさずに冷静に動くこと、当たり前ですが、極限状態での冒険ではそれが生存のコツですね。