吸血鬼を題材に扱った作品は数あれど、『Redfall』のようにFPSのサブジャンルである“イマーシブシム”という、「多数の解決策、多数のロアを備えていること」などに象徴される吸血鬼作品はあまり見たことがないのではないでしょうか? このイマーシブシムというサブジャンルは「没入型シム」とも呼ばれ、同サブジャンルは『Deus Ex: Human Revolution』などにも代表されます。
過去には『Prey』や『Dishonored』(いずれもイマーシブシム)などを開発し、数々の賞を受賞した「Arkane Austin」による最新作『Redfall』。同作品を先行プレイする機会に恵まれたので、本稿ではArkane作品ファンやイマーシブシム系タイトルを好むゲーマーに向けたプレイレポートをお届けしていきます。
『Redfall』ってどんな作品?
『Redfall』のメインストーリーは、吸血鬼に支配されてしまったマサチューセッツ州の島にある街「レッドフォール」を取り戻すために戦う……というもの。コアなゲームプレイはオープンワールドを舞台としたミッションクリア方式で進行していきます。またルーターシューターの要素もあり、武器のレアリティも実装されています。
本作では4人から1人のヒーローをピックしてストーリーを進めます。筆者はカラスを放つことで得られる索敵能力に惹かれて「ジェイコブ・ボイヤー」をプレイアブルキャラクターとして使用しています。本稿もそれに準じている点、ご留意くださいませ。
『Redfall』のゲームプレイをズバッと紹介!
まず本作はロビーマッチング型の協力プレイに対応しています。野良マッチングは(ベータビルドでは)実装されていなく、フレンドを招待してセッションを開始することになります。注意点としては、ストーリーの進捗はホストのみ保存され、クライアントは保存されないというものが挙げられます。
またベータビルドの段階では「インベントリが開けなくなる」、「頻繁に切断される」など不具合が目立っていたのでパッチでどれだけ直るかが焦点となり、基本的にはソロプレイが重視されているとみるべきでした。
Arkaneスタジオらしく、ステルスはオプション、基本はラウドプレイとなっております。「ウルト」のような特別なスキルがあり、威力は満点ですが吸血鬼を倒したあとに出現するオーラを取得しないとゲージが溜まらない仕様となっているため「ここぞ!」というときに使い時がやって来ます。
3つ提示されるメインミッションを好きな順番ですべてクリアすると、さらに次の3つのミッションに手を付けられるように。本作はこの流れを繰り返して進行していきます。
装備できる武器にはルーターシューター要素があり、5段階のレアリティが設定されています。なにが手に入るかは未知数のため、わくわくしながらアイテム収集ができる点は好印象です。武器の種類は豊富で、弾数はわずかしか持てませんが吸血鬼に大ダメージを与える「ステークランチャー」なる長くて尖ったモノを発射するランチャーや、「UVライトを吸血鬼に照射して石化させる」という特殊なモノも登場。バリエーション豊かで、幅広い戦略性を持った戦闘を楽しめます。
『Redfall』はどんなプレイヤーに向いている?
ハクスラ的なランダムな武器集めに喜びを見いだせる方にはまずオススメ。その他、複雑で挑戦的なミッションの攻略、射撃感のよいFPSを遊びたい方などにもオススメできます。とりわけ武器選択には適度に頭を使うことになるので、心地よい難易度で楽しめます。
アクションにおいては、これまでのArkane Austion作品の中でも屈指のスピード感。圧倒的に速い移動速度でテンポのよいゲームを好む方にオススメできる反面、家屋内での捜し物は煩雑なため粘り強さも求められる点は注意点でしょう。
総じて歯ごたえがあり、一定の戦略性を楽しめ、武器の収集要素に惹かれる方にとってはマストバイといえますが、通常版でも9,700円前後というお値段が少々ネックかもしれません。しかしその点に目をつむれば、本作は買いだといえます。それでは読者のみなさま、れっつえんじょい・ばんぱいあはんてぃんぐ!
歯ごたえたっぷりな本作は挑戦が好きなプレイヤーにうってつけスパ!
ゲーム名:Redfall
パブリッシャー:ベセスダ・ソフトワークス
開発:Arkane Austin
発売日:2023年05月02日
プラットフォーム:Game Passを含むXbox Series X|S、PCおよびクラウド
ジャンル:ファーストパーソンアクション
価格:9,680円(Steam, 通常版)