国内クリエイターのばやちゃお氏(ちゃおちゃお亭)は、PC向けアクションRPG『古今東西おきつね物語』をSteam向けに2023年5月22日に配信開始しました。
本作は、主人公のイタズラぎつね・コハクがさまざまな姿に変身しながら事件を解決していく作品。コハクのイタズラによって舞台である「なすびヶ原の都」で解き放ってしまった悪霊を捕まえるため、都に住む多くの人々の願いを叶えながら、自身が成長していく物語が描かれます。
主人公のコハクは、制作者のばやちゃお氏による個人創作「魔けモン!」にも登場するキャラクター。また、コハク以外にも同作から多くのキャラクターが登場し、個性豊かなボイス付きの合計20匹以上のキャラクターが作品を彩ります。また、『雨上がりのハナビィ』をはじめとした、さまざまなゲーム音楽を制作している“ああああ”氏の音楽も和風ファンタジーな世界を盛り上げてくれます。

本作では、モフモフ×カワイイ『古今東西おきつね物語』のプレイレポートをお届けします。
都に放たれた3匹の悪霊を捕まえろ!
主人公のコハクは九尾の狐であり、都の住人からはイタズラぎつねとして悪名高い存在。物語は、陰陽師の封印によって神社の敷地内から出ることができないコハクが神社の社内にある、悪霊たちが封じ込められていた竹筒を開放してしまうシーンからはじまります。
神社の責任者であり、都を守るイザナリいわく、封じ込められていたのは民に幻影を見せ、操り、魔物を呼び寄せる力を持つ3匹の悪霊達とのこと。コハクはその異変を解決するために、逃げていった悪霊達を再び封印するための役目を受けることになります。



しかし、(自業自得とはいえ)大変な役目を受けたコハクに対して都の人々は協力的ではありません。イタズラばかりしている元々の悪評にくわえ、近頃では夢の中ですらコハクの悪評が出てくるほどで、最初は甘味屋や温泉などの店から閉め出される状態です。
しかし、その状況も旅のキツネ・エンジェルとの偶然の出会いや、数少ない理解者である寺子屋の茶柱金時先生のアドバイス、次々と起こる事件を解決していくことにより、少しずつその関係は改善されていきます。さまざまな出来事や交流により、少しずつ変わっていくコハクの成長も本作の大きなポイントです。



変化の力を使いこなせ!
悪霊が放たれたことによって、舞台となる神社近くの山には危険な敵が徘徊しています。コハクは九尾の狐らしく毒の力を持っているようで、近接攻撃で敵と戦う戦うことが可能。アクション自体は難しくないですが、戦闘中に敵と接触することでライフが減り、0になることで倒れてしまうので気をつけましょう。ちなみにリトライに大きなデメリットはありません。
また、物語が少し進むことで敵が落とす「葉っぱ」を利用した変身ができるようになります。変身することでジャンプができるようになったり、強力な攻撃ができるようになったり、障害物を壊したりと、これまで行けなかったようなエリアを探索できるようになっていくのです。


変身した姿によってリアクションやセリフが変化するNPCも。なかには重要なストーリーのヒントをくれる相手がいたり、アイテムをくれる相手がいたりするので、いろいろ試してみましょう。マップにはさまざまな隠れた宝物や大量上限アップアイテムなどもあるため、探索も重要です。
特に最初に変身できるようになる“モニニ”は移動が速く、ジャンプで色々な場所へと行ける優れもの。ただし攻撃能力がないため、探索中に敵がいる場合はコハクの姿になるか、他の攻撃力のある姿になる必要があります。本作は変身を切り替える頻度がかなり高いため、定期的に敵を倒して「葉っぱ」を補充しておくと安心です。



また、敵を倒したり道中のオブジェクトを壊すとお金が手に入ります。お金は都の店で買い物をするのに必要で、基本的にアイテムや拠点以外で体力回復手段のない本作では、回復アイテムを用意しておくのは大切です。また、物語の進行によって変身用の葉っぱも購入できるようになりますよ。また、神社ではさまざまなキャラクターからの依頼も受けられます。




モフモフカワイイ仲間達!物語も堪能したい!
ゲームをプレイしていて思うことは、とにかくどの登場人物もカワイイということ。主人公のコハクはもちろん、神社の巫女チハル(はるちー)や不思議な研究少女アリスなど、さまざまなキャラクターが表情豊かに一部ボイス付きで物語を盛り上げます。各キャラクターとも、立ち絵もゲーム内の姿も素晴らしくカワイイのです。
もちろん単純にカワイイというだけでなく、しっかりと考えさせられる展開や盛り上がり、そしてプレイヤーに大きな決断を迫る選択肢などもあり、ストーリーもしっかりと楽しめます。物語の進行とともに変化していく人間(動物)関係の変化も丁寧に描かれているので、イベント後にみんなの話を聞いていくのも楽しいですね。





最初はイタズラぎつねとして住民に拒絶されていたコハクが、やがて人助けを経て少しずつ成長していく姿も印象的。物語が進むことで多くの謎やコハクの家族に関する話も明らかになり、気がつけばモフモフなコハクに感情移入しているかも知れません。
Steamストアページにも「初心者向けのアクションRPG」と書かれているように、アクションも謎解きも難しくなく、悩みそうな場所にはしっかりとヒントも提示されます。ファストトラベルもあるので移動自体もそれなりに楽で、ストレスを感じさせず物語を純粋に楽しめるようになっています。





ちなみにコハクは性別不詳とのこと。劇中でもそのことについて触れられるのですが、おそらくとっても大切なことなのだと思います。

モフモフ×カワイイキャラクターたちが満載で、ストーリーとともにだんだん広がっていく世界や明らかになっていく謎や陰謀など、ひとつの良い物語を読んでいるような気分で最後まで楽しめる作品です。物語自体は決して長くないですが高い満足感を得られると思います。
なんといってもばやちゃお氏による魅力的で個性豊かなキャラクターが、世界観をしっかりと作り上げているのが印象的。ばやちゃお氏は自身の公式ホームページにて、これまで制作してきた素晴らしいイラストや映像なども公開しているので、本作の雰囲気が気に入った方は是非ともチェックしてみてください。

リリース直後はコントローラー関連での不具合なども発生していましたが、素早い修正が行われているのも好印象。現在はSteamオーバーレイに対応していない本作ですが、今後実装されていく予定も発表されていて、ますます遊びやすくなっていきそうです。
ゲームプレイ中モフモフ×カワイイがたっぷり補充できる!カジュアルながら堅実なゲーム性も楽しめるスパ!
タイトル:古今東西おきつね物語
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2023年5月22日
価格:1,980円