ベセスダ・ソフトワークスは、完全新作の宇宙RPG『Starfield』の最新情報を発表しました。本稿では、たっぷり45分間もの時間たっぷり発表が行われた「Starfield Direct」から分かった内容をひとまとめにしてお届けします。
「宇宙のゲーム」は常に考えていた
本作のディレクターであるトッド・ハワード氏によれば、これまで『TES』や『Fallout』といった自分たちの大好きなゲームを作る中で、しばしば「宇宙のゲーム」について考えていたといいます。
舞台を宇宙に移し、なりたい人になり、行き先や行動にも制限がなかったらどうだろうか……といった理想を実現したのが、25年ぶり新規IPとなる『Starfield』だといいます。テクノロジーやスタッフも様々なゲームの開発を通じて進歩してきましたが、「こんなゲームを作ろうとしたことはなかった」というほど特別な作品になっているようです。
舞台は1つだけじゃない!1,000以上の惑星が広がる
本作の世界はひとつだけではなく、1,000以上もの世界が広がります。足元の岩から遠くの山並み、そこの息づく人々や生物まで様々な環境が新たなテクノロジーによって描かれます。高台の世界の中で行き先を決めるのは、もちろんプレイヤー次第です。
ライティング面においては、リアリスティックに再現した銀河に、大域照明技術を採用した次世代のライティングモデルが星の種類や雰囲気に応じて世界を照らしてくれます。3人称視点や1人称視点でのプレイももちろん可能です。
降り立った惑星を探索!ならず者との戦闘も
全体のスケールが大きい本作における探索は、基本的に着陸したエリアの探索が中心となります。資源を回収したり、ミッションをこなしたりする中で、予想外の出来事に巻き込まれることもあるといいます。
動画では、「SPACE PUNK」「SPACER」といった名前の付いたならず者との戦闘が収録。空中を飛んで高所を取るなどのアクション寄りの戦い方もできるようです。銃は近未来的なデザインになっており、白を基調としたカラーリングが特徴的。マガジン上部についた残弾数表示がとてもかっこいいですね。
プレイ中のUIも確認でき、あまり主張の激しいものではなく、スマートなデザインであることがわかります。左下の丸形インターフェースは酸素ゲージ(スタミナゲージ的な役割もある?)や惑星の名前、そしてベセスダゲーおなじみのコンパス機能を有しています。
愛情たっぷりのアイテム類
トッド・ハワード氏いわく、回収できるアイテムにはたっぷり愛情を込めたといいます。動画内で確認できるデータメニューは、プレイヤーのスキルや宇宙船、ミッションや所持品を一覧できるハブになります。
武器や宇宙服といったすべてのオブジェクトはディテールにこだわっていると言う通り、どれも細かく作り込まれていることがわかります。
特に食べ物にはこだわりを見せていて、真空パックに入ったパックジュースなど未来っぽいものもあれば、ただのトーストや惑星で採れそうなひとくちサイズの虫のようなものなど、多様なものが用意されています。
一度は食べてみたい美味しそうなものから、絶対食べたくないマズそうなものまで多く用意されていそう。グルメという観点からも存分に楽しめそうですね。
コンパニオンが名前を呼んでくれる!
探索を終えたら、徒歩やファストトラベルで宇宙船に帰ることができます。宇宙のたびにはコンパニオンを連れて行くことも可能で、「おかえりなさい、ハワード船長」と名前を呼んでくれる機能があるようです。
本作は日本語吹き替えに対応することがわかっていますが、日本語音声でもプレイヤーの名前を呼んでくれるのでしょうか?続報に期待しましょう。
“NASAパンク”!?どこか生活感のある雰囲気を意識したアートデザイン
アートディレクターのイストヴァン・ペリー氏が語る目標は、宇宙探索の脅威と雄大さを伝えること、そして宇宙飛行の黄金時代に感じられたロマンの再現。このアプローチに対し、テクノロジーは高度なのに、どこか地に足がついていて共感できるという意味の“NASAパンク”という造語も作り上げたそうです。
NASAは機能重視であるのに対し、パンクはスタイル性を重視。そのコントラストが本作のアートデザインを形作っているといいます。プレイヤーの船内にはSFっぽさよりもアナログで使い込まれた生活感のあるインテリアになっていて、メモ書きが壁にテープで貼られていたり、ヘルメットらしきものに「DON'T USE」という手書きのテープが貼ってあったりと、どこか私たちの生活の延長線上にあるように感じられますね。
重要地点の確認から空間ジャンプまで行える星図マップ
船内からは、惑星の情報を閲覧できる星図マップにアクセスできます。ここでは今いる星の資源を確認したり、訪れた場所へのファストトラベルを行えたりします。縮小すれば同じ星系の全惑星を見渡すことができます。ここでは重要地点やミッションがある惑星、生命反応や資源が豊富な惑星も確認可能です。
さらに縮小すれば、銀河内にあるすべての星系にアクセス可能。何光年も先にある惑星へのコースを計画し、船が持つグラヴ・ドライブを使って空間をジャンプします。遠くの星系に行くには、船のスキルとアップグレードが必要になるそうです。
動画ではジャンプした先で貨物検査が行われ、着陸の許可が降りるという一幕も。星系ごとの着陸までのプロセスの違いもチェックしたいですね。
ベセスダ作品史上最大規模の都市「ニューアトランティス」
作中で、ひいてはベセスダ作品史上最大規模の都市となる「ニューアトランティス」は、おびただしい数の近未来的なデザインの建物が立ち並ぶ、「ザ・近未来」というような都市になっています。大きさはもちろんですが、カスタムアートや市民の数、クエスト規模という観点からも史上最大のものに仕上がっているといいます。
都市には小さなストーリーをできるだけ詰め込んでいて、2人が談笑していたり、コロニー戦争の記念碑があったりと、バックストーリーを感じさせるものがふんだんに散りばめられています。NPCがまるで本当に生きているかのように感じられそうですね。
ストーリーにも関わる?真の冒険家集団「コンステレーション」
ニューアトランティスには、冒険家集団「コンステレーション」が存在します。銀河で最後の真の冒険家であると言われ、人類最大の疑問の答えを探しています。動画中では「アーティファクト」という謎の物質に手を伸ばした主人公が彼らに加わるような場面も見られ、大きなストーリーにも関わる存在となりそうです。
コンステレーションには個性的なメンバーが揃っています。赤いジャケットの「サラ・モーガン」は元兵士の冒険家で、この集団のリーダーです。「ウォルター」は羽振りのいいビジネスマンで、コンステレーションに出資する人物です。
個性的な帽子の「マッテオ」は、外に何かが存在していると信じる神学者で、サラの愛弟子である「ノエル」は優秀な科学者として活動します。ストライプシャツが素敵な「ウラジミール」は元海賊、ウエスタンを思わせる「サム・コー」は元スペースカウボーイ、ナルシストな「バレット」など、それぞれが異なるバックグラウンドを持っています。
コンステレーションとの出会いはひとつのものに過ぎず、他にも有人星系で出会う様々な物語や人々、冒険がプレイヤーを待ち受けます。
規律を守る地球の後継者から、自由を求める西部風都市まで、さまざまな派閥が存在
ニューアトランティスは、宇宙における人類初の大規模入植地であるコロニー連合に存在します。ここに住む人々は法律、規則、そして人類が遺した遺産を重視していて、自分たちを地球の正当な後継者であると考えています。コロニー連合には他にも、最大の採掘施設である火星の「シドニア」などが存在するようです。
しかし、コロニー連合の管理下にない独立した星系連合を見つけることもあります。自由恒星同盟には「アキラ・シティ」という首都があり、まるで西部開拓時代のアメリカのような雰囲気が漂う、治安が悪そうな都市になっています。
ネオンと呼ばれる都市はその名の通り、ネオンがきらめくなんでもありの歓楽街として成長を遂げたサイバーパンク風な都市です。奇抜な衣装を着た人物がセクシーダンスを披露するクラブや、物騒な殺人も起こるようで、なかなか落ち着いて生活できなさそうです。場所によってスタイルの違う都市があるのはとてもユニークですね。
文明化していない星系も探索が可能ですが、それらの多くは敵対勢力の拠点にもなっているといいます。銀河の制服を目論む集団と戦うこともあれば、その組織に入るような場面も見られます。こういった勢力の仲間になることも可能なのでしょうか。
キャラメイクは充実したものに!自分だけのストーリーを紡ごう
RPGというジャンルは自分だけのストーリーを紡ぐのがひとつの醍醐味といえますが、本作ではキャラクターメイキングに力を入れています。様々な人種や年齢の顔をスキャンしたことで、仔細で多様性に溢れたキャラクターを作れるようになりました。
ゲーム内のキャラやNPCはすべてプレイヤーが使えるキャラメイクシステムで作られているので、出会ったキャラクターを再現することも可能であるといいます。
ゲーム序盤で自分のキャラを作成する場面と思われるシーンも見られます。プレイヤーは従業員記録に目を通すという設定を通じ、40個のプリセットの中から作りたいキャラを選択。細かく設定してもいいですし、手早く簡単な設定でも始めることができます。
顔の形からメイクやシミ、傷やピアス、歯など非常に細かいところまで作成できるようです。見た目だけでなく自分のバックグラウンドも設定でき、それに応じて3つの基本スキルが与えられます。プレイ中に思わぬところで役に立つこともあるようで、関係ない場所で突然特定の職業を探しているNPC会話が発生することもあるようです。
「シェフからこんな仕事にね。あんたがこんな場所に流れ着いたのはどの料理評論家のせいかってみんなで賭けてるの」とプレイヤーのバックグラウンドを参照したNPCのセリフもあるようです。
加えて、それぞれ強みと弱みがある3つの特性も任意でつけることが可能です。親にクレジットを仕送りしなければならないものの、会いに行くと優しく接してくれるというようなものや、敵と出会ったものの同じ宗教を信仰していたため事なきを得るなどユニークなイベントが多数あり、自分だけの物語を紡ぐことができるのです。
なお、特性は特定の方法で取り外すこともできる模様。自分の特性が大好きなうるさいファンも、銃で殺せばもう関係なし……?
多様な戦闘スタイルを許容するスキルシステム
スキルシステムは新たなものが作られています。レベルアップでスキルポイントを獲得でき、スキルアンロックやランクアップに使用できます。ランクアップにはミッションのクリアが必要ですが、上昇するごとに難易度も高くなっていくといいます。
神経攻撃スキルを使ってパンチ1発で大ダメージを与えたり、ステルススキルを使ってスリをしまくったりと、好きなプレイスタイルを極めることができます。5つのスキルツリーと4ランクに分かれたスキルが用意されているので、どんな強みを活かすか?どんな風に戦うか?といったプレイスタイルの選択肢は幅広いものになっていそうです。
他にも交渉術で困難を切り抜けたり、ブーストパックで飛んで地雷を投げつける爆破プレイができたりと、スタッフが語るものだけでもかなり幅広い戦闘スタイルがあることがわかります。スキル同士の組み合わせによってもまた違った戦い方ができそうです。
プレイヤーの好奇心を満たしたい!あらゆる出来事が待ち受ける探索
本作の星系は未知の生命や資源、そして新たな冒険に満ちています。NASAの資料などをもとにリアルさと楽しさのバランスを取り、現実に思える世界が構築されています。惑星の大気表現や太陽との距離によって変わる生態系の違いもリアルに設定されています。
まずはしっかりとしたリアルな土台を作り、その上で小惑星エリアや宇宙での戦闘、廃船の探索など面白い要素を追加。惑星、路地裏、宇宙といったあらゆる場所に予期せぬ出来事が待ち受けており、好奇心を満たすことを重視しています。
あらゆるパーツがカスタマイズできる宇宙船
宇宙の探索には、宇宙港で購入できる宇宙船が欠かせません。賞金稼ぎ用の高速戦闘機や密輸業ができる貨物船などが購入できるので、場面によって使い分けるのも楽しそうです。
宇宙船は自分の家のように自由なカスタマイズやアップグレード、同乗するクルーの雇用などが行えます。カスタマイズは武器やシールドなどの簡単なものだけでなく、システムや外見を細かく変えることもできます。クルーを増やすために居住区を追加したり、グラヴ・ドライブを改良してジャンプできる距離を伸ばしたりと、かなり細かいところまで自由に作ることができます。
モジュールにはクラフト用や武器の保管・展示用のものなどがあり、船に付けることで設備を増やせます。もちろん、色変更も可能です。
実用的なものでなく、ユニークな形の船を作ることも可能。動画ではカモノハシ型の船やロボット型の船など面白い船が作られています。今からどんな船を作るか、妄想がはかどりますね。
コンステレーションと行く宇宙の旅…恋愛に発展することも!?
宇宙の旅には、コンステレーションのメンバーをクルーとして連れて行くことができます。メンバーはそれぞれ船を支えるスキルを持っているほか、特定の場所に行くと独自クエストが起こったり、友情から恋愛に発展することもあるといいます。
他にも宇宙港や探索中に見つかることもあるというクルー。船や拠点に配置でき、スキルに応じて活躍度が変化。船の改造とクルーの選択によって、理想の船で指揮をとって旅することができるのです。
自分だけの船を操縦!動力の振り分けもある
自分だけの船が作れるのなら、もちろん操縦もできます。トリガーを引いて攻撃するだけではなく、パイロットの技量と動力配分システムのバランスが重要になってきます。
動力配分システムは船の様々な部位にポイントを振り分けるというもので、エンジンに多く動力を分ければ早く飛び、グラヴ・ドライブに回せばジャンプまでの時間が短縮されます。
敵船へのアプローチも豊富です。破壊した敵船はコックピットから中身を見ることができますし、ドッキングすれば直接乗り込み、奪ってしまうことも可能です。
宇宙空間では、他船との交流や施設への立ち寄りも用意されています。船同士の交易をしたり、造船所で船を買わされたり……と、宇宙でも濃密な体験が楽しめそう。寄り道も豊富で、気づいたら別のクエストを進めていた……なんてこともあるようです。
作中に登場するスマートウォッチが現実に!限定版情報
本作のコレクターズエディションにあたる「コンステレーションエディション」には、「コンステレーション・エクスプローラーズ・ウォッチ」というスマートウォッチが付属します。これはゲーム内でHUDの役割を果たすデバイスで、現実ではスマホと連携して通知を受け取ることもできます。
専用ケースもとってもクール。アポロ計画時代に月からのサンプルを持ち帰る際に使ったケースをイメージしたこのケースは、ロック機構や細かなディテールに強いこだわりを感じられます。
加えて、本作仕様の限定コントローラーおよびヘッドセットも発表されました。宇宙船の操縦装置にインスパイアされたというこのコントローラーはところどころに名称解説が入っていたり、トリガー部分がスケルトンだったりとSFガジェットを思わせる作りになっています。
ヘッドセットはイヤーパッドと音量調整ダイヤルの間にさりげない金色が入っていたり、マイクの先端がスケルトンだったりと、こちらもSF好きの心をくすぐるものになっています。いずれもMicrosoft Storeではすでに販売が開始されており(コントローラー/ヘッドセット)、数日中に届くようです。
惑星表面は自動生成!基地の建設も可能
本作で探索できる惑星の表面は自動生成となるようですが、プレイヤーの探索によって予め作られたコンテンツが配置されるような作りになっています。プレイヤーが近づくと惑星が生成され、地形の塊が結合されます。その後、予め作られている探索可能なロケーションや遭遇するクリーチャー、鉱石や植物などが配置されます。これにより、ベセスダが得意とする環境ストーリーテリングも可能になります。
自動生成システムのお陰で、同じ惑星を訪れてもプレイヤーによって異なる体験になるとのこと。刺激的な星から静かな星まであらゆる環境を楽しんでほしいといいます。
ここまで惑星の探索が多く紹介されてきましたが、惑星での行動はプレイヤーの自由です。ただ景色を眺めるだけでも、基地を建設しても、植物や生き物をスキャンして経験値や報酬を得ることもできます。
惑星に住まうクリーチャーは、エイリアン的なモンスターではなく、その環境に生息していそうなものにしたいという考えがあったといいます。土地固有の様々な生き物を探しに行くのも楽しそうですね。
拠点は一部を除きほとんどの惑星に、様々な形の居住モジュールを組み合わせて作ることができます。そこに住んで生活したり、クルーやコンパニオンに仕事を割り当てて追加ボーナスをもらったりといったこともできます。
徹底的に見直された戦闘!武器MODも搭載で爽快なバトル
本作では、戦闘面が徹底的に見直されています。よりダイナミックでなめらかに、とにかく爽快に戦うことができます。MODや武器の数はベセスダ作品の中で過去最高であるといいます。銃はサプレッサーやスコープなどのパーツや、炸裂弾など弾薬の種類をカスタムできますし、近接武器も用意されています。
また、惑星によって異なる重力や環境によっても有用な武器や戦闘スタイルが変わるとのこと。重力が少ない場所ではブーストパックでふわふわ浮かびながら戦うことができたり、無重力空間では銃の反動で自分が押し戻されてしまったりします。
無重力でも安定して戦えるレーザー武器や高火力の磁気武器なども登場し、多様な戦い方を許容します。状況による使い分けや、スキルの判断なども大きく戦闘の行方を左右しそうです。
合計45分ほどにわたってたっぷりと紹介された『Starfield』。これから始まる宇宙の壮大な冒険にワクワクを感じずにはいられませんね。
『Starfield』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに9月6日発売予定。Xbox Game Passにも発売日から対応するほか、上位エディションは5日間の先行アクセスも用意されています。