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オフシーズン長くない?eスポーツの冬ってどう?『VALORANT』などライアットゲームズのeスポーツ責任者に気になることを聞いてみた【Masters Tokyo】

『VALORANT』の国際大会「VALORANT Champions Tour 2023 Masters Tokyo」期間中に、eスポーツにおける最高執行責任者(COO)のWhalen Rozelle氏にインタビューを実施しました。

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オフシーズン長くない?eスポーツの冬ってどう?『VALORANT』などライアットゲームズのeスポーツ責任者に気になることを聞いてみた【Masters Tokyo】
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日本で開催された『VALORANT』の国際大会「VALORANT Champions Tour 2023 Masters Tokyo」。

世界の強豪12チームが世界一の称号を求めて鎬を削った本トーナメントは、6月11日~6月21日はTIPSTAR DOME CHIBA。6月24日~25日のLower Final、 Grand Finalは日本幕張メッセにて開催され、日本チームが不在にも関わらず、大勢のファンが足を運び、連日会場は熱気に包まれました。

下馬評を覆すジャイアントキリングやスーパープレイの連続。コロナ禍の鬱憤を爆発させるような声援と熱狂で満ち溢れ、現地まで足を運んでいた人は勿論、オンライン観戦者のなかにも心を打たれた方が多いのではないでしょうか。

そんなアツい「Masters Tokyo」を作り上げたのは、『VALORANT』の開発とパブリッシングを担うだけでなく、eスポーツ全体のシステム構築までも手掛けるライアットゲームズです。

今回は、eスポーツにおける最高執行責任者(COO)のWhalen Rozelle氏にインタビューを実施。Masters Tokyoへの手応えや『VALORANT』競技シーンだけでなく、ちまたで囁かれる「eスポーツの冬」や、ライアットゲームズが開発中の謎多き格闘ゲーム『Project L』(仮称)などについても伺いました。

◆eスポーツは「人間同士の関わりや、人が持つ夢の話」

――本日はよろしくお願いします。Masters Tokyoの熱気は凄まじいですね。

Whalen:素晴らしいですね!接戦もたくさん見られましたし、トップ3は全チーム違うリージョンのチームです。EDGの快進撃もありましたし、Paper Rexはサブを入れてここまで登ってきました。ドラマがたくさん生まれた大会になりましたね。敬意を持って観戦してくれる日本の最高の観客たちにも感謝したいです。

――日本のファンへの印象はいかがですか?

Whalen:プレイヤーに対する敬意がありますよね。イベントを開催する時に現地のチームがいないことはいつも心配の種で、ZETA DIVISIONが出場できなかったので心配していました。ですが、日本のファンは全てのチームを応援していて、最後まで試合を見届けてくれます。プレイヤーたちに対する敬意を感じました。こんな素晴らしい観客を目の当たりにすることは、私たちもモチベーションにもなりました、また日本でイベントを開催したいですね。

会場には大勢のファンが押し寄せた

――ここまで日本で『VALORANT』が盛り上がった理由はどこにあると思いますか?

Whalen:日本では世界的なタイトルがあまり流行らなかっただけで、競技の文化自体はずっとあったと思います。格闘ゲームやカードゲームでは日本は第一線を走って来ました。

今の盛り上がりは、世界的に流行してるタイトルに日本ユーザーのゲームに対する熱量が合わさった結果だと思います。そして、やっと世界が日本のファンの数や情熱を知ってくれました。日本がゲームに対してこれだけの熱量を持ってることは知っていましたが、その日本で『VALORANT』というタイトルがここまで流行ってくれたことを、私たち全員が誇りに思っています。まるで夢のようです。

――『VALORANT』の大会では、常にクールなアートワークや選手を魅せるムービーなどが用意されています。どのように作られているんでしょうか?

Whalen:褒めていただいてありがとうございます。おそらく私たちはストーリーを演出するのが得意だと思っています。eスポーツは人間同士の関わりや、人が持つ夢の話です。そんなストーリーを見つけたり、イベントを開催する街の文化をファンと共有することが重要だと考えています。今回も日本のゲーム文化を世界と共有することができたと思っています。『VALORANT』のファンの方々もその国の文化に興味を示してくれているので、私としても嬉しいです。

東京・秋葉原や、ゲームセンター、歴史的建造物にフィーチャーした選手の写真

◆気になる『Project L』についても聞いてみる

――ライアットゲームズは格闘ゲーム『Project L』(仮称)を開発中ですよね。やはり『Project L』でも競技シーンを盛り上げていきたいと考えているんでしょうか。

Whalen:『Project L』はジャンルの性質上、競技性の高いゲームになるとは思います。『Project L』に限った話ではないですが、私たちはいつもゲームをプレイしてくれるコミュニティを尊重しようと常に動いています。競技を見たいコミュニティがそこにあるなら見せてあげたいと思っています。

『リーグ・オブ・レジェンド』や『VAORANT』などには競技を見たくてたまらないファンたちがたくさんいますし、その気持ちが『Project L』のファンたちにもあるならぜひ競技シーンを作っていきたいです。開発陣は格闘ゲームコミュニティ出身の人ばかりなので、コミュニティの気持ちも理解できていると思います。彼らのために最善を尽くしたいと思っています。

――いま世界的には「eスポーツの冬」などとも言われています。Whalenさんとしてはどのように捉えていますか?

Whalen:チームによって状況はさまざまですね。過去10年間を通して、eスポーツ業界にはたくさん投資がされてきました。そして今、eスポーツをちゃんとビジネスとして成功させているチームもあれば、収益化がうまくいかずにチームが軌道に乗らないところもあります。eスポーツビジネスはまだ新しい領域なので、ファンが持っている熱量をどうビジネスに活かせるか、まだ分かり切っていない状況です。

ただ、eスポーツをビジネスとして成り立たせることはお金のためだけではなくて、これから数十年先までeスポーツが続いていくために重要なことです。ファンや選手をサポートする方法をさらに考えていかなきゃいけないと思っています。

もうひとつ、eスポーツはフィジカルスポーツとは違うので、収益化の方法がまた変わってきます。例えばChampionsのスキンはファンたちが自分の好きなチームや選手を応援するために買ってくれるとか。なので私たちももっとファンたちにチームや選手をサポートする機会を増やしていかないといけないと思っています。ゲーム内アイテムもいいですが、他の方法も模索しているところです。

Champions 2022にあわせて販売されたスキンでは、キル数に応じて見た目が変わるほか、メインテーマソング「Fire Again」のサウンドが取り入れられた

――ところで『VALORANT』の2023年の競技シーンは8月のChampionsをもって終了します。オフシーズンが長すぎるという意見もありますよね。

Whalen:オフシーズンが重要な理由はいくつかあります。まず選手たちに休んでもらう時間が必要だと思いますし、移籍や移動の時間も必要です。なによりファンたちに『VALORANT』の競技を恋しく思ってもらうことで次のシーズンを楽しみにしてもらうことが重要だと思っています。

私たちも大会主催者と一緒にショーマッチやChallengersにフォーカスしたイベントもやりたいと思っています。もちろん改善できる点はありますが、休みは必要だと考えています。


特に印象的なのは、eスポーツは「人間同士の関わりや、人が持つ夢の話」という言葉。頂点を目指すプレイヤー一人ひとりの思いや、チーム内での絆、ライバル関係、チームの勝ち方や背景など、そこにあるドラマをより強調するような選手やチームの見せ方は、Masters Tokyoでも多く見られました。ライアットゲームズが持つeスポーツの見せ方や考え方がよく理解できます。

Championsのチケット代についてなど、不躾な質問な質問にもにこやかに答えてくださったWhalenさんでした。8月のChampionsだけでなく、『リーグ・オブ・レジェンド』では10月に韓国でWorld Championshipが行われるなど、今後もeスポーツイベントが目白押しです。楽しみに待ちましょう。

《Okano@RUGs》
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