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『Lysfanga : The Time Shift Warrior』インタビュー!学生作品をパブリッシュするQuantic Dreamの手腕【TGS2023】

Quantic Dream Spotlightパブリッシュの『Lysfanga : The Time Shift Warrior』インタビュー。もしかしたら、日本やアジアからもSpotlight作品がでるかも?

PC Windows

千葉幕張メッセの現地とオンラインの両面で開催された国内最大級のゲーム展示会「東京ゲームショウ2023」。Quantic DreamがパブリッシュするSand Door Studio開発のアクションアドベンチャー『Lysfanga : The Time Shift Warrior』のプレゼンテーションとインタビューが、NetEase Gamesのビジネスブースにて行われました。

本作は、元々フランスのゲーム専門学校ISART Digitalの学生によって2021年に誕生した作品で、フランスのゲームアワード「ペガサス」にて最優秀学生プロジェクト賞を受賞しています。なおGame*Sparkでは、2023年6月のSummer Game Fastにてプレイレポ記事も公開しているのでこちらもお読み下さい。


インタビューの前に事前にデモ版を用いたプレゼンテーションが実施。小アリーナをクリアしていくタイプの本作において、プレイヤーが操作する主人公のImeは、レムナントと呼ばれる時間の巻き戻しと分身をあわせた能力を持っており、前周の自分の行動をその分身に行わせることができます(レムナントの最大数はアリーナごとに異なる。また一定時間で強制的にレムナントを消費して次周へ移るため、1機で戦いきることは大抵できません)。攻撃タイプは、即発動の弱攻撃と予備動作がある強攻撃に加え、特殊効果や威力が高いがクールダウンのあるスペル攻撃も備えています。

敵の種類によっては同時に倒さなければ撃破されないタイプも存在しますが、そこで、その敵を攻撃するようにした状態でレムナント1つを使い、次の周以降で対となる敵を攻撃すれば倒せます。

アリーナをクリアするごとにスコアが記録されますが、ベストタイムと記載されたものは開発者が挑戦したものであるそう。なお、各アリーナはいつでも再戦可能です。序盤のアリーナは当然のことながらシンプルで直ぐに終わってしまいますが、ゲームが進めばより難しくなります。アリーナ間では、敵が出現しないもののImeが使うコレクティブを探索したり、仲間にできるキャラクターと会話も可能です(デモ版では未実装だった)。

ボス戦では通常のアリーナとは趣が異なる戦闘が展開します。ボスは複数のフェイズに分かれた作りで、各フェイズでは攻撃する場所や、敵の攻撃方法などは随時変わっていきます。レムナントもフェイズごとに回復するほか、ゲージを貯めることで強大なダメージを与えるアルティメットスキルが発動可能となり、積み重なるレムナントとスキルでクライマックスに向け画面もどんどんど派手になっていきます。

プレゼンテーションの後にインタビューへ移りました。インタビューには、Quantic DreamのアソシエイトプロデューサーであるElvire Jeantet氏とPRスペシャリストのMaxime Ravenel氏が答えました。

――本作の開発をスタートしたのはいつですか?

Jeantet氏 商用向けに開発を始めたのは2年前になります。元々は、ゲーム専門学校の卒業制作作品で、フランスのゲームアワード「ペガサス」に出典したところ最優秀学生プロジェクト賞を受賞しました。そこでQuantic Dreamのパブリッシングが決定し、学生たちもスタジオを立ち上げて開発を進めています。

――本作をQuantic Dreamと協力して学生プロジェクトから製品へ昇華するにあたって最も気を付けたものは何ですか?

Ravenel氏 デベロッパーとして自立させるためにSand Door Studioへ訪れて、彼らが感じる心配事やリスクの管理、QA、ローカライゼーションなど、必要なスキルやツール理解への支援をしました。

――具体的な技術指導はありましたか?

Jeantet氏 アーティスティックディレクターを筆頭としたQuantic Dreamの人材を活用し、Sand Door Studioが持つ疑問を解消するため、スタジオ内外での助言を送りました。

Ravenel氏 学生さんが持つ巨大なビジョンを実現させるため、Quantic Dreamからツールを提供しました。

――Quantic Dream Spotlightのような取り組みは今後も続けますか?

Ravenel氏 この学生さんによるプロジェクトが面白く、展開されるストーリーが心に来る内容だったので協力を決めました。ただ、今回は偶然にフランス国内の学生だっただけで、日本やアジアからも本当に一緒に作りたいアイデアやゲームがあればと思っています。

――続いてはゲーム内容です。今回遊んだデモ版では、レムナントの制限が少なく自由に使えましたが、ゲームが進むにつれて特定箇所で使わなくてはならないパズル的な要素が強くなるのでしょうか?

Ravenel氏 ゲームプレイはアリーナが進むにつれてかなり複雑になります。その複雑さは、アリーナにおいてレムナントの活用を戦略的に使わなければ倒すことが難しいほどです。

Jeantet氏 ストーリー後半になると敵の性質が異なるハードコアモードがアンロックされ、それ以前のものを含む各アリーナをより歯応えある形で楽しめるようになります。

――クリア時にスコアが表示されましたが、スコアによるアンロック装備などはあるのでしょうか?

Jeantet氏 スコアによる装備のアンロックはありません。シンプルにプレイヤーの力量をスコアとして表したものです。

Ravenel氏 装備やスペルのアンロックはプレイヤーが集めたコインによって行われます。

――自分でアンロック出来る装備類は決められるのですね。

Ravenel氏 ハードコアゲーマーにも楽しんでほしいので、アンロック装備の選択は比較的最近実装しました。また、カジュアルゲーマーが楽しめない要素を避けるために、スコアはあくまでハードコアゲーマー向けの要素としてのみ存在します。

――ハードコアゲーマー向けのリーダーボードはありますか?

Ravenel氏 現段階では何とも言えませんが、開発者としてはオンラインのリーダーボードを入れたいと考えています。ただ、実装の難しさから「やりたいけれど、どうするか?」と決めきれていません。

――このゲームをお二人はプレイして「このゲームをマスターした!」と思える瞬間はありましたか?

Jeantet氏 2つ目のボスが難しかったので、ボスを倒せた瞬間でした

Ravenel氏 僕の場合は最後のボスでした。複雑なメカニクスが敷き詰めていて、それらの理解した瞬間に凄いと思ったし、ボスを倒した時には「やったぜ!」と思いました。

――感想としてですが、レムナントを用いてアルティメットスキルの重ねがけができたら面白そうですね

Ravenel氏 レムナントを用いたスペルやアルティメットスキルの重ね合わせはアイデアとして存在しますが検討中です。

――最後に日本のゲーマー向けにメッセージをお願いします!

Ravenel氏 日本でリリース出来る事は本当に嬉しく思いますし、Quantic Dreamをサポートしてくれるコミュニティがあるのは知っています。このゲームには、これまでQuantic Dreamがやってきたゲームのストーリーやメカニクスなど多く組み込まれているので、日本でリリース出来るのが嬉しいです。

――ありがとうございました!

左がアソシエイトプロデューサーであるElvire Jeantet氏、右がPRスペシャリストのMaxime Ravenel氏

『Lysfanga : The Time Shift Warrior』は、PC(Steam、Epic Games Store)向けに2024年初頭のリリースを予定しています。

《G.Suzuki》
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